a) bDNA
法(検出限界:0.7 MEq/mL)による 48
週目のHBV DNA
量が0.7 MEq/mL 未満になった被験者の割合。b) PCR
法(検出限界:200 copies/mL)による48
週目のHBV DNA
量が400 copies/mL
未満になった被験者の割合。c) PCR
法による平均log
10HBV DNA
量について、投与開始前と比較した48
週 目における減少。3)
血清学的検査a) 48
週目にHBe
抗原が陰性になった被験者の割合。b) 48
週目にセロコンバージョン(HBe抗原の消失及びHBe
抗体の出現)した 被験者の割合。4)
血清ALT
の正常化a) 48
週目にALT
が正常化(基準値上限の1.25
倍未満)した被験者の割合。5)
複合評価項目(被験者管理上の評価項目)a) 48
週目にCR
に達した被験者の割合。b) 48
週目にCR
に達し、かつALT
が正常化した被験者の割合。c) 48
週目にPR
であった被験者の割合。6)
効果の持続性a) 48
週目にCR
に達し、かつ投与終了時にALT
が正常化していた被験者のう ち、24週間無治療観察期間後にもALT
が正常であった割合。b) 48
週目にCR
に達した被験者のうち、24
週間無治療観察期間後にもCR
が持 続していた割合。c) 48
週目にCR
に達し、かつ投与終了時にALT
が正常化していた被験者のう ち、24週間無治療観察期間後にもCR
が持続し、かつALT
が正常であった 割合。7) HBV
耐性株a)
ウイルス再増殖(治験薬投与中にHBV DNA
量が最低値に達した後、bDNA 法で測定したHBV DNA
量が2
回連続して1 log
10以上増加)が認められた被 験者を対象とした、表現型とHBV DNA
の遺伝子変異の解析。【安全性】
安全性の主要評価項目は、各投与群において有害事象により投与を中止した被 験者の割合とした。上記以外に、死亡、重篤な有害事象及びその他の非重篤な有 害事象、並びに肝機能検査値の異常を評価した。また、安全性の観点から、ALT フレア、肝に関連した重篤な有害事象(肝炎の悪化又は非代償性肝障害を示す所 見)、良性及び悪性新生物、並びに神経系の有害事象について特に注目した。な お、
ALT
フレアは、投与前値(投与終了後観察期間においては投与前値と投与終 了時の値のいずれか低い方)の2
倍かつ基準値上限の10
倍を超えるALT
上昇と 定義した。肝に関連した重篤な有害事象、良性及び悪性新生物、並びに神経系の 有害事象については、該当する事象名をICH
国際医薬用語集(MedDRA)の基本 語(PT)を用いてあらかじめ規定した。統計手法 【有効性】
(1)
一般的な解析手法分類変数は頻度及び割合(%)で要約した。割合の差の信頼区間は、プールし ない割合を用いて差の標準誤差を算出し、二項分布の正規近似により推定した。
検定は自由度
1
のχ2検定を用いた。連続変数は記述統計量(平均、中央値、標準 誤差、最小値、最大値)により要約し、比較に際しては、投与群及び投与前値を 共変量とする一次回帰モデルに基づいたt
検定を用いた。有意水準は5%(両側)
とした。
(2)
主要評価項目(肝組織学的改善率)の解析まずエンテカビルのラミブジンに対する非劣性を検討し、非劣性が示された場 合のみ優越性の検討を行った。非劣性の許容限界は-10%とし、両群の差(エンテ カビル群 – ラミブジン群)の
95%信頼区間の下限値が-10%を上回った場合は、
非劣性が示されたものとした。また、95%信頼区間の下限値が
0
を上回った場合 は、優越性が示されたものとした。(3)
効果の持続性効果が持続している被験者の割合の推移を
Kaplan-Meier
プロット及び生命表 を用いて推定した。(4)
欠測値の取扱い欠測値の取扱いには
2
通りの方法、即ち不完全例(中止例及び標本不良例)を 無効例として分母に加える方法(不完全例 = 無効例)及び欠測として分母から 除く方法(不完全例 = 欠測)を用い、特に断らない限り不完全例 = 無効例とし た場合の解析結果を主要なものとした。(5)
解析対象集団組織学的評価項目を除く有効性評価項目の解析対象集団は、無作為割付けさ れ、少なくとも
1
回治験薬を投与された被験者(有効性解析対象集団)と定義し た。また、肝組織学的改善率(主要評価項目)を始めとする肝の組織学的変化を 評価するには、投与開始前の肝生検標本の組織学的評価が可能で、かつKnodell
壊死炎症性スコアが2
以上でなければならないため、有効性解析対象集団のうち これを満たす被験者を組織学的評価の対象集団とした。一方、肝生検により得ら れるその他の指標(HBV cccDNA量、総HBV DNA
量、HBc
抗原、HBs抗原)に ついては、上記の条件を要さないため、投与開始前、48
週目双方のHBV cccDNA
量及び抗原の成績が得られた被験者を、それぞれ肝HBV cccDNA
量の解析対象 集団及び肝HB
抗原の解析対象集団とした。なお、解析対象集団の定義から、肝HBV cccDNA
量及び肝HB
抗原については不完全例 = 欠測とする方法が適用されることとなった。効果の持続性は、48週目に
CR
に達し、無治療での観察を受 けた被験者を対象に評価した。【安全性】
治療期間、投与終了後観察期間、無治療観察期間別に、有害事象及び臨床検査 値異常の発現率を集計した。各期間における解析対象は以下のように定義した。
(1)
治療期間:無作為割付けされ、少なくとも1
回治験薬を投与された被験者に おいて、投与開始から投与終了後5
日目までに得られたデータ。(2)
投与終了後観察期間:治験薬投与例において、投与終了後6
日目から、別途 計画したエンテカビルの臨床試験への移行又は24
週間の観察期間終了のう ち、いずれか早い方までに得られたデータ。安全性の観点から特に注目した 事項として死亡、重篤な有害事象等、重要な安全性評価に限って使用。(3)
無治療観察期間:治験薬投与例において、投与終了後6
日目から、HBV に 対する他の治療法の開始、別途計画したエンテカビルの臨床試験への移行、又は観察終了のうち、最も早い時期までに得られたデータ。上記「投与終了 後観察期間」のサブグループ。
計画被験者数 スクリーニング実施例数として
1,500
例 無作為化例数として630
例(1群315
例)【設定根拠】
(1)
非劣性エンテカビル群及びラミブジン群の肝組織学的改善率をそれぞれ
64%以上及
び
60%、48
週目の肝生検が欠測となる被験者(無効例として取り扱う)の割合を
25%と仮定し、改善率の差(エンテカビル群 – ラミブジン群)の 95%信頼区
間の下限値について非劣性の許容限界を-10%、有意水準を
5%
(両側)とすると、1
群の被験者数を315
例とすることにより、非劣性に関し90%の検出力が確保さ
れる。(2)
優越性上述の仮定においてエンテカビル群及びラミブジン群の肝組織学的改善率を
それぞれ
80%以上及び 60%とすると、 1
群の被験者数を315
例とすることにより、優越性に関し
90%を超える検出力が確保される。なお、群間の差が 15%であった
場合の検出力は約80%となる。
報告書の日付
48
週目における有効性:20 年 月 日効果の持続性及び安全性(Addendum 01):20 年 月 日
【結 果】
(1)
被験者の内訳1)
解析対象集団スクリーニングを受けた
1,056
例のうち、357
例がエンテカビル群、358例がラミブジン群に割 り付けられ、それぞれ354
例及び355
例(計709
例)に治験薬が投与された。有効性の解析においては、治験薬を投与された全例が有効性解析対象集団に採用され、このう ちエンテカビル群及びラミブジン群各
314
例(計628
例)が組織学的評価の対象となった。効果 の持続性は、48
週目にCR
に達したエンテカビル群の74
例及びラミブジン群の67
例(計141
例)を対象に評価した。
安全性の解析においては、治験薬を投与された全例が治療期間中の安全性の評価対象となった。
また、無治療観察期間の評価対象は、エンテカビル群及びラミブジン群でそれぞれ
134
例及び129
例(計263
例)、投与終了後観察期間の評価対象はそれぞれ135
例及び132
例(計267
例)であっ た。表 2.29-1: 解析対象集団の構成
エンテカビル群 ラミブジン群 合計
スクリーニングを受けた被験者 1,056例
無作為割付けされた被験者 357例 358例 715例 治験薬を投与された被験者 354例 355例 709例 有効性解析対象集団 354例 355例 709例 組織学的評価 314例 314例 628例
肝HBV cccDNA量 159例 146例 305例
肝HB抗原 294例 271例 565例 効果の持続性 74例 67例 141例 安全性解析対象集団
治療期間 354例 355例 709例 投与終了後観察期間 135例 132例 267例 無治療観察期間 134例 129例 263例
2)
治験の完了状況無作為割付けされた被験者(エンテカビル群
357
例、ラミブジン群358
例、計715
例)のほと んどが52
週目までの投与を完了し、完了率はエンテカビル群で95%、ラミブジン群で 90%であ
った。中止例はエンテカビル群で14
例(4%)、ラミブジン群で34
例(9%)に認められたが、エ ンテカビル群において有害事象により中止した被験者は1
例(< 1%)のみであり、ラミブジン群(9例、3%)と比較して少なかった。