2)
プロトロンビン時間の延長が基準値から3
秒以下、又はINR
が1.5
以下3)
血清アルブミンが3.0 g/dL(30 g/L)以上
4)
出血性静脈瘤、肝性脳症、又は利尿剤や穿刺術を要する腹水の合併あるいは それらの既往がない除外基準
(1)
治験薬投与終了8
週間後までの治験期間を通じて適切な避妊法を実施する 意思のない又は不可能な妊娠可能な女性。(2)
妊婦又は授乳婦。(3)
組入れ時又は治験薬投与開始前に実施した妊娠検査の結果が陽性の患者。(4)
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、C型肝炎ウイルス(HCV)又はD
型肝炎ウ イルス(HDV)に重複感染している患者。(5)
アルコール性肝炎、自己免疫性肝炎、胆道系疾患などの他の肝疾患に罹病し ている患者。(6)
治験薬投与開始前24
週間以内に膵炎の既往がある患者。(7)
アルコール又は非合法薬に対する依存症で、適切な服用ができないか、肝毒 性の危険性が高いと治験責任医師が判断した患者。(8)
末梢血管の穿刺が困難な患者。(9)
無作為化前30
日以内に盲検下で他の臨床試験に参加した患者。(10)
その他の重篤な病状により治験を完了することが困難な患者。(11)
経口投与ができない患者。(12)
ヘモグロビン量が10.0 g/dL(100 g/L)未満の患者。
(13)
血小板数が80,000 /mm
3未満の患者。(14)
好中球数が1,500 /mm
3未満の患者。(15)
血清クレアチニンが1.5 mg/dL(133 µmol/L)を超える患者。
(16)
血清α-フェトプロテインが100 ng/mL
を超える患者。血清α-フェトプロテインが
21~100 ng/mL
の場合は無作為化前に再測定を実施し、再測定結果が21~100 ng/mL
であった場合は、治験薬投与開始前に肝の超音波検査又はコンピュータ断層撮影(CT)検査を実施し、癌を示唆する病巣が認められな い場合のみ投与を開始する。
(17)
ヌクレオシド類縁体によるアレルギーの既往が知られている患者。(18)
抗HBV
作用を持つヌクレオシド/ヌクレオチド類縁体(ラミブジンを除く)を
12
週間以上投与された患者。(19)
無作為化前24
週間以内にインターフェロンα、thymosin α-1又は抗HBV
作 用を持つヌクレオシド/ヌクレオチド類縁体(ラミブジンを除く)を投与さ れた患者。(20)
以前にエンテカビルを使用した患者。(21)
収監者あるいは精神的又は身体的疾患(感染症など)の治療のために強制的に収容された者。
治験薬/用量 及び投与方法
(1)
二重盲検投与期間1)
治験薬治験薬 剤型 バッチ番号
エンテカビル0.5 mg錠 8MDE145 プラセボ錠 相互に識別不能な錠剤
8MLM361
2)
用量及び投与方法エンテカビル群の被験者はエンテカビル
0.5 mg
錠を2
錠、プラセボ群の被験 者はプラセボ錠を2
錠、1日1
回、毎日ほぼ一定の時刻(食事の前後2
時間以内 を避ける、就寝前を推奨)に服用した。(2)
非盲検投与期間エンテカビル
0.5 mg
錠(バッチ番号:8MDE145, 8MFE193)を 2
錠、1
日1
回、毎日ほぼ一定の時刻(食事の前後
2
時間以内を避ける、就寝前を推奨)に服用し た。評価項目/評価 基準
【有効性】
(1)
主要評価項目PCR
法による12
週目の血清HBV DNA
量(単位:log10copies/mL)について、
エンテカビル群における投与開始前からの平均変化量をプラセボと比較する。
(2)
副次評価項目各投与群において以下の指標を求める。
• PCR
法による12
及び48
週目の血清HBV DNA
量が400 copies/mL
未満にな った被験者の割合•
投与開始前にbDNA
法による血清HBV DNA
量が0.7 MEq/mL
以上であった 被験者のうち、12及び48
週目に0.7 MEq/mL
未満になった割合• PCR
法で測定した48
週目の血清HBV DNA
量(単位:log10copies/mL)にお
ける投与開始前からの平均変化量•
投与開始前に血清ALT
が基準値上限の1.25
倍以上であった被験者のうち、12
及び48
週目に正常化(基準値上限の1.25
倍未満)した割合(3)
その他の評価項目• 48
週目におけるセロコンバージョン(HBe抗原が消失しHBe
抗体が出現)を評価する。
•
二重盲検投与期間を開始した全例から1
日目にHBV DNA
量測定用に採取し た血清(凍結保存検体)を用いて、HBV分離株の遺伝子型及びHBV DNA
ポリメラーゼ遺伝子の変異を解析し、ウイルス学的反応における遺伝子型及 び耐性変異の影響を検討する。【安全性】
安全性の主要評価項目は、各投与群において有害事象により治験薬投与を中止 した被験者の割合とした。副次評価項目は、各投与群における有害事象及び臨床 検査値異常の発現例数及び発現率であった。
統計手法
(1)
解析対象集団治験期間に基づいて以下の
4
つの解析対象集団を設定し、治験薬投与例を対象 に、治験期間ごとに有効性及び安全性の解析を行った。•
二重盲検投与期間の解析対象集団:治験薬の投与開始から、非盲検投与期間 へ移行した被験者では二重盲検投与期間が終了するまで、非盲検投与期間へ 移行しなかった被験者及び二重盲検投与期間中に中止した被験者では最終 投与終了後5
日目までに得られたデータ。•
非盲検投与期間の解析対象集団:非盲検投与期間の開始から、非盲検下での 最終投与終了後5
日目までに得られたデータ(完了、中止の別は問わない)。•
エンテカビル投与期間の解析対象集団:二重盲検投与期間にエンテカビルを 投与された被験者では二重盲検投与期間及び非盲検投与期間(最終投与終了 後5
日目まで)に得られたデータ、二重盲検投与期間にプラセボを投与され た被験者では非盲検投与期間(最終投与終了後5
日目まで)に得られたデー タ。•
投与終了後観察期間の解析対象集団:治験薬の最終投与終了後6
日目から24
週間の観察期間終了までに得られたデータ(非盲検投与期間終了後にStudy AI463-050
に参加した被験者を除く)。(2)
有効性の解析1)
一般的な解析手法連続変数は平均、中央値、標準偏差、標準誤差、最小値、最大値により要約し、
平均値の比較には、投与前値で補正した一次回帰に基づく
t
検定(両側)を用い た。二値反応変数は頻度及び割合(%)で要約した。割合及び割合の差の信頼区 間は、二項分布の正規近似により求め、優越性の検定にはχ2検定を用いた。2)
主要評価項目の解析PCR
法による12
週目の血清HBV DNA
量について、投与群及び投与前値を共 変量とする一次回帰モデルを適用した。一次回帰モデルから推定した群間の差に ついて、t
検定(両側)によりプラセボに対するエンテカビルの優越性を検討し、P
値が0.05
未満であった場合は優越性が示されたものとした。群間の差については
95%信頼区間を算出した。解析対象は、投与開始前及び 12
週目にPCR
法により
HBV DNA
量を測定した被験者とした。3)
欠測値の取扱い二値反応変数の解析における欠測値の取扱いについては
2
通りの方法、即ち不 完全例を無効例として分母に加える方法(不完全例 = 無効例)及び欠測として 分母から除く方法(不完全例 = 欠測)を用いた。(3)
安全性の解析二重盲検投与期間、非盲検投与期間、投与終了後観察期間のそれぞれについて、
投与群ごとに有害事象及び臨床検査値異常を集計した。
計画被験者数 無作為化例数として
125
例(エンテカビル群:100例、プラセボ群:25例)【設定根拠】
PCR
法で測定した12
週目の血清HBV DNA
の投与開始前からの平均変化量に ついて、Study AI463-014
の成績に基づきエンテカビル群とプラセボ群の差を2.0 log
10copies/mL、差の標準偏差を 1.9 log
10copies/mL
と仮定すると、被験者数を125
例(エンテカビル群:100例、プラセボ群:25例)に設定することにより、優越性に関し
90%を超える検出力が確保される。なお、エンテカビル群とプラセボ
群の被験者数を
4:1
の割合としたのは、エンテカビル群からより多くのデータを 収集すると共に、プラセボを投与される被験者数を限定するためであった。報告書の日付 二重盲検投与期間:20 年 月 日
非盲検投与期間(Addendum #1):20 年 月 日 投与終了後観察期間:別途報告予定
【結 果】
(1)
被験者の内訳1)
治験の完了状況本治験に組み入れられた被験者は
211
例で、そのうち147
例が無作為割付けされ、145例(エ ンテカビル群116
例、プラセボ群29
例)に二重盲検下で治験薬が投与された。無作為割付けされ た被験者のほとんどが二重盲検投与期間を完了し、完了率はエンテカビル群で98%、プラセボ群
で
97%であった。投与開始後の中止例はプラセボ群の 1
例のみで、中止理由は有害事象であった。上述の中止例を含め、二重盲検投与期間に治験薬を投与された
145
例全例が非盲検下でエンテ カビルの投与を開始し、141
例が非盲検投与期間を完了した。中止例は4
例で、中止理由は死亡、追跡不能、治験実施計画書の中止基準に抵触する臨床検査値異常(アミラーゼ及びリパーゼ増加)、
同意の撤回が各
1
例であった。完了/中止後に投与終了後観察期間を開始したのは4
例のみで、非盲検投与期間を完了した
141
例のうち138
例がStudy AI463-050
に参加した。表 2.26-1: 治験の完了状況(無作為割付けされた被験者)
エンテカビル群 プラセボ群 合計
組入れ被験者 211例
無作為割付けされた被験者 118例(100%) 29例(100%) 147例(100%)
二重盲検投与期間(~12週)
投与開始 116例( 98%) 29例(100%) 145例( 99%) 完了 116例( 98%) 28例( 97%) 144例( 98%)
中止 0例 1例( 3%) 1例(< 1%)
中止理由 有害事象 0例 1例( 3%) 1例(< 1%)
非盲検投与期間(13~48週)
投与開始 116例( 98%) 29例(100%)a 145例( 99%)a 完了 113例( 96%) 28例( 97%) 141例( 96%)
中止 3例( 3%) 1例( 3%) 4例( 3%)
死亡 0例 1例( 3%) 1例(< 1%)
追跡不能 1例(< 1%) 0例 1例(< 1%)
治験実施計画書の中止基準に抵
触する臨床検査値異常 1例(< 1%) 0例 1例(< 1%)
中止理由
同意の撤回 1例(< 1%) 0例 1例(< 1%)
Study AI463-050に参加 110例( 93%) 28例( 97%) 138例( 94%) 投与終了後観察期間を開始 4例( 3%) 0例 4例( 3%)
a 二重盲検投与期間に治験薬投与を中止した1例も、例外的に非盲検投与期間の開始を許可された。
2)
解析対象集団二重盲検投与期間における安全性及び有効性は、無作為割付けされ治験薬を投与された
145
例(エンテカビル群
116
例、プラセボ群29
例)を対象に評価した。ただし、12週未満で中止した プラセボ群の1
例は、PCR法による12
週目の血清HBV DNA
量が得られなかったため、有効性 の主要評価項目の解析から除外した。非盲検投与期間における安全性及び有効性は、非盲検下で治験薬を投与された