(6)
妊娠の可能性がある女性では、治験薬の投与開始前48
時間以内に実施した 血清又は尿妊娠検査(ヒト絨毛性ゴナドトロピンの最小検出感度が25 IU/L
又はそれと同等の感度のものを使用)の結果が陰性であること。除外基準
(1)
無作為化前24
週間以内に免疫抑制療法[副腎皮質ステロイドの全身投与、ミコフェノール酸モフェチル(Cellcept®)など]を受けた患者。
(2)
無作為化前24
週間以内にインターフェロン α、thymosin α-1 又はlobucavir
を投与された患者。(3) 12
週間を超えてfamciclovir
又はアデホビルを投与された患者。ただし、こ れらの薬剤は無作為化の24
週間以上前に中止されていれば組み入れ可能と する。(4)
既往歴、理学的検査又は血清学的検査により、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)への感染が認められる患者。
(5)
血清クレアチニンが基準値上限の1.5
倍を超える患者。(6)
ヘモグロビン量が10.0 g/dL(100 g/L)未満の患者。
(7)
血小板数が70,000 /mm
3未満の患者。血小板数が50,000~70,000 /mm
3の場合 は、血小板数が安定で50,000 /mm
3未満へ低下することがなく、出血エピソ ードがなければ組入れ可能とする。(8)
顆粒球数が1,500 /mm
3未満の患者。(9)
リパーゼが基準値上限の2.1
倍以上の患者、あるいは膵炎の臨床症状又は既 往(無作為化前24
週間以内)がある患者。(10) 肝性脳症、出血性静脈瘤又は穿刺術を要する著しい腹水の既往又は合併があ
る患者。(11) 既往歴、肝生検又は血清学的検査により、他の肝疾患(C
型又はD
型肝炎への重複感染、自己免疫性肝炎など)に罹病している患者。
(12) 肝移植を受けた患者。
(13) 肝細胞癌の既往がある患者、あるいは理学的検査又は X
線像により肝腫瘤が認められる患者。
(14) 血清
α-フェトプロテインが100 ng/mL
を超える患者。血清α-フェトプロテインが
21~100 ng/mL
に上昇していた場合は、2週間後の再測定で持続的な上昇が認められず、かつ肝の超音波検査又はコンピュータ断層撮影(CT)
検査により癌を示唆する病巣が認められない場合のみ、無作為化を可能とす る。
(15)
以前にエンテカビルを使用した患者。(16)
アルコール又は非合法薬に対する依存症で、適切な服用ができないか、肝毒性又は膵炎の危険性が高いと治験責任医師が判断した患者。
(17)
不妊手術を受けておらず、組入れ時から投与終了8
週間後まで適切な避妊法(既承認の経口、注射用又は埋込み型避妊薬、子宮内装具、殺精子薬を添加 したペッサリー又はコンドーム、性交渉を行わない)を実施する意思のない 妊娠可能な女性。
(18)
妊婦及び授乳婦。(19)
経口投与ができない患者。(20)
ヌクレオシド類縁体によるアレルギーの既往が知られている患者。(21)
末梢血管の穿刺が困難な患者。(22)
その他の重篤な病状により本治験を完了することが困難な患者。(23)
無作為化前30
日以内に二重盲検法による他の臨床試験に参加した患者。治験薬/用量 及び投与方法
(1)
二重盲検投与期間1)
治験薬治験薬 剤型 バッチ番号
エンテカビル0.1 mgカプセル N99047, N99113 エンテカビル0.5 mgカプセル N99049, N99115 エンテカビル1 mgカプセル
外観上相互に識別不能な灰色 の不透明な0号硬カプセル剤
N00003, N01071 ラミブジン100 mgカプセル エンテカビルカプセルと外観
上識別不能な硬カプセル剤
04688.01, 05940.01, N00228
2)
用量及び投与方法治験薬(エンテカビル
0.1, 0.5, 1 mg
又はラミブジン100 mg)1
カプセルを1
日1
回、毎日ほぼ一定の時刻(食事の前後2
時間以内を避ける、午前10
時を推 奨)に服用した。市販のラミブジンの服用は、治験薬投与開始前日までで中止し た。(2)
非盲検投与期間1)
治験薬治験薬 バッチ番号 エンテカビル0.5 mg錠 8MEE156 エンテカビル0.5 mgカプセル N01055, N99049
2)
用量及び投与方法エンテカビル
1 mg
(0.5 mg錠又は0.5 mg
カプセル2
個)を1
日1
回服用した。評価項目/評価 基準
【有効性】
(1)
主要評価項目bDNA
法による24
週目の血清HBV DNA
量が検出限界[0.7 MEq/mL(700,000copies/mL)又は 2.5 pg/mL]未満になった被験者の割合。
(2)
主な副次評価項目1)
血清HBV DNA
量a) bDNA
法による48
週目のHBV DNA
量が検出限界未満になった被験者の割合。
b) PCR
法による24
及び48
週目のHBV DNA
量が検出限界(400 copies/mL)未満になった被験者の割合。
c) PCR
法による24
及び48
週目の平均log
10HBV DNA
量。2)
用量反応性a) PCR
法による24
週目のlog
10HBV DNA
量を指標としたエンテカビルの用量 反応性3)
血清学的検査a)
投与開始前にHBe
抗原が陽性であった被験者のうち、24
及び48
週目にHBe
抗原が陰性化した割合。b)
投与開始前にHBe
抗原が陽性であった被験者のうち、24及び48
週目にセ ロコンバージョン(HBe抗原が消失しHBe
抗体が出現)した割合。4)
血清ALT
の正常化a)
投与開始前に血清ALT
が異常であった被験者のうち、24及び48
週目に正 常化(基準値上限の1.25
倍未満)した割合。5)
治療効果(CR)a) 24
及び48
週目にCR
に達した被験者の割合。<CRの定義>
投与開始前の
HBe
抗原が陽性の場合は、bDNA
法によるHBV DNA
量が検出 限界未満、HBe抗原が陰性化、ALTが正常のすべてを満たすこと。投与開始 前のHBe
抗原が陰性の場合は、bDNA
法によるHBV DNA
量が検出限界未満、HBe
抗原が引き続き陰性、ALTが正常のすべてを満たすこと。6)
効果の持続性a)
二重盲検投与期間終了時にCR
に達した被験者のうち、24 週間無治療観察 期間後にもCR
が持続していた割合。7)
組織学的改善a)
投与開始前と比較して48
週目に肝の組織学的改善(Knodellスコアが2
ポイ ント以上減少)が認められた被験者、肝のHBc
抗原が減少した被験者、及 び肝における完全閉環二本鎖HBV DNA(HBV cccDNA)量が減少した被験
者の割合(本治験では肝生検の実施は任意)。8) HBV
耐性変異a) 24
週目、48 週目又は投与終了時におけるHBV
分離株の遺伝子型変化の出 現頻度。(3)
非盲検投与期間における有効性1) PCR
法による平均log
10HBV DNA
量。2)
投与開始前にHBe
抗原が陽性であった被験者のうち、HBe抗原が陰性化し た割合。3)
血清ALT
が正常化した被験者の割合。【薬物動態】
薬物動態の結果[最高血漿中濃度(Cmax)及び血漿中濃度-時間曲線下面積
(AUC)]と臨床的及びウイルス学的な結果との関連性(結果は別報として報 告)。
【安全性】
(1)
重篤な有害事象。(2)
有害事象及び臨床検査値異常の発現率。(3)
グレード3(重度)~4(非常に重度)と判定された有害事象及び臨床検査
値異常の発現率。
(4)
肝機能検査値が投与前値の2
倍及び3
倍を超えて上昇した被験者数。(5)
肝機能検査値が投与前値の2
倍かつ基準値上限の10
倍を超えて上昇した被 験者数。(6)
治験薬の投与中止につながった有害事象及び臨床検査値異常の発現率。統計手法
(1)
解析対象集団二重盲検投与期間及び二重盲検投与終了後観察期間の解析においては、以下に 示す
3
つの治験期間を定義し、解析対象集団として使用した。なお、有効性評価 項目のうち効果の持続性については、二重盲検投与期間終了時にCR
に達した被 験者を対象に解析した。1)
二重盲検投与期間:治験薬を投与された被験者において、投与開始前から、盲検下での投与終了後
5
日目又は非盲検投与期間の開始のうちいずれか早 い方までに得られたデータ。有効性及び安全性の評価に使用。2)
無治療観察期間:治験薬投与例のうち、二重盲検投与期間終了後に非盲検投 与期間を開始せず、投与終了後の観察を受けた被験者において、投与終了後6
日目から、HBV に対する他の治療法の開始又は観察終了のうちいずれか 早い方までに得られたデータ。安全性の評価に使用。下記「投与終了後観察 期間」のサブグループ。3)
投与終了後観察期間:治験薬投与例のうち、二重盲検投与期間終了後に非盲 検投与期間を開始せず、投与終了後の観察を受けた被験者において、投与終 了後6
日目から24
週間の観察期間終了までに得られたデータ。安全性の評 価に使用。(2)
有効性の解析1)
主要評価項目の解析bDNA
法による24
週目の血清HBV DNA
量が検出限界未満となった被験者の 割合について、エンテカビルの各用量群とラミブジン群との2
群間比較を実施し た。割合の差(エンテカビル群 – ラミブジン群)、その98.3%信頼区間及び P
値 は、二項分布の正規近似により算出した。P
値が0.0167
未満(多重比較を考慮し て調整したP
値、全体の有意水準は両側0.05)の場合は、エンテカビルのある用
量についてラミブジンに対する優越性が示されたものと判断した。2)
副次評価項目の解析分類変数(PCR法による
HBV DNA
量が検出限界未満となった被験者、HBe 抗原の陰性化、セロコンバージョン、ALTの正常化、CRなど)については、時 期(24週及び48
週)別に主要評価項目と同様の解析を行った。ただし、有意水 準は両側0.05
とした。投与前値と比較した24
及び48
週目のlog
10HBV DNA
量 の減少については、エンテカビルの各用量群とラミブジン群との比較を行った。有意水準は両側
0.05
とし、3
組の2
群間比較のそれぞれについて、投与前のHBV DNA
量で補正した異なる回帰モデルを適用した。24週目のlog
10HBV DNA
量を 指標としてエンテカビルの用量反応性を検討する場合にも、同様の解析を行っ た。3)
欠測値の取扱い欠測値の取扱いには
2
通りの方法、即ち不完全例を無効例として分母に加える 方法(不完全例 = 無効例)及び欠測として分母から除く方法(不完全例 = 欠 測)を用いた。(3)
安全性の解析二重盲検投与期間、無治療観察期間、投与終了後観察期間別に有害事象及び重 篤な有害事象、臨床検査値異常を集計した。非盲検投与期間についても別途集計 を行った。
計画被験者数 無作為化例数として
180
例(1群45
例)【設定根拠】
1
群の被験者数は、bDNA法による24
週目の血清HBV DNA
量が検出限界未 満となる被験者の割合(主要評価項目)の差に関する2
群間比較に基づいて算出 した。即ち、エンテカビルの3
用量群とラミブジン群との多重比較を考慮して調 整した全体の有意水準を0.05(両側)、主要評価項目に対する反応率をラミブジ
ン群で
20%、エンテカビルの各用量群で 60%と仮定すると、1
群の被験者数を45
例に設定することにより、エンテカビルのある用量群のラミブジン群に対す る優越性について、90%の検出力が確保される。報告書の日付 二重盲検投与期間及び投与終了後観察期間:20 年 月 日
非盲検投与期間及び投与終了後観察期間(Addendum 01):20 年 月 日