治験実施医療 機関
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施設(中国)公表文献
Yao G-B, Xu D-Z, Wang B-E, et al. Hepatology 2003; 38(4): Suppl. 1, 711A
治験期間 最初の被験者を二重盲検投与期間に組み入れた日:20 年 月 日最後の被験者が非盲検投与終了後観察期間を完了した日:20 年 月 日 開発のフェーズ 第
2
相目的 二重盲検投与期間の目的は、慢性
HBV
感染の中国人成人患者に2
用量のエン テカビル(0.1 mg, 0.5 mg)又はプラセボを1
日1
回、28日間投与し、安全性及 び抗ウイルス作用を比較検討することであった。非盲検投与期間の目的は、エンテカビル
0.5 mg
を長期間(48週間)1日1
回投与した際の安全性及び抗ウイルス活性を検討することであった。
治験方法 本治験は、
B
型慢性肝炎患者を対象とした2
用量のエンテカビル(0.1及び0.5 mg、 1
日1
回)とプラセボを比較する無作為化二重盲検並行群試験、並びにそれ に引き続く非盲検投与(0.5 mg、1日1
回)試験であった。(1)
二重盲検投与期間二重盲検投与期間における無作為割付けは投与開始前の
HBe
抗原の状態及び 実施医療機関別に層別化した。各群の被験者にエンテカビル0.1
又は0.5 mg、若
しくはプラセボを投与した。投与期間は28
日間とし、1, 7, 14, 21及び28
日目にHBV DNA
量を測定した。1及び28
日目に血液を採取し、HBVの血清学的検査を実施した。有害事象及び臨床検査(血液学的検査、INR、血液生化学的検査及 び尿検査)を含む安全性評価を
1, 7, 14, 21
及び28
日に実施した。(2)
二重盲検投与終了後観察期間二重盲検投与期間を終了した被験者を
56
日間にわたって観察し、抗ウイルス 作用の持続及び安全性(有害事象象、血液学的検査、血液生化学的検査及び尿検 査)を評価した。(3)
非盲検投与期間二重盲検投与終了後観察期間を終了し、組入れに適格な被験者にエンテカビル を
0.5 mg
の用量で1
日1
回、48
週間まで投与した。4, 8, 16, 24, 32, 40
及び48
週 目に有害事象評価、血清学的検査、血液学的検査を実施した。HBV DNA量は、24
及び48
週目に測定した。(4)
非盲検投与終了後観察期間非盲検投与期間終了後、4週間ごとに
24
週目まで安全性(有害事象及び臨床 検査)を評価した。また、8, 16及び24
週目にHBV DNA
量の測定及び血清学的検査を実施した。
選択基準
(1) 16~65
歳のB
型慢性肝炎患者。(2)
無作為割付けの24
週間以上前に血清中HBs
抗原陽性が確認された患者。(3) HBe
抗原が陽性または陰性の患者。(4)
少なくとも2
週間あけて測定した2
回のHBV DNA
測定値がbDNA
法で ≥20 MEq/mL(70 pg/mL)であること。また、これらの測定値間の差が 1 log
10未 満の患者。(5) ALT
値が正常~基準値上限の10
倍以内の患者。(6)
血清総ビリルビン値が2.5 mg/dL(42.75 mmol/L)以下の患者。
(7)
プロトロンビン時間の延長が基準値から3
秒以下、又はINR
が2.23
以下の 患者。(8)
血清アルブミン値が3.0 g/dL(30 g/L)以上の患者。
(9)
血清クレアチニン値が基準値上限の1.5
倍未満の患者。その他:妊娠する可能性がある女性(WOCRP)は、治験薬投与開始前の
72
時間以内に実施した妊娠検査結果が陰性でなければならない。除外基準
(1)
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、C型肝炎ウイルス(HCV)又はD
型肝炎ウ イルス(HDV)に重複感染している患者。(2)
現在、腹水(穿刺が必要なもの)、肝性脳症又は出血性静脈瘤があるか、そ の既往歴を有する患者。(3)
アルコール性肝炎、自己免疫性肝炎及び胆道系疾患などの他の肝疾患に罹患 している患者。(4)
治験薬投与開始前に12
週間以上にわたってアデホビル、ラミブジン、famciclovir
又はlobucavir
が投与されていた患者。(5)
無作為割付け前の24
週間以内にインターフェロンα又はthymosin
α-1ある いはHBV
に対して活性がある抗ウイルス薬が投与されていた患者。(6)
ヘモグロビン値が10.0 g/dL(100 g/L)未満の患者。
(7)
血小板数が < 80,000/mm3の患者。(8)
絶対顆粒球数が < 1,500 cells/mm3の患者。(9)
治験薬の投与開始前24
週間以内に膵炎の既往歴がある患者。(10) ヌクレオシド類縁体によるアレルギーの既往が知られている患者。
(11) 血清
α-フェトプロテイン濃度が > 100 ng/mLの患者。α-フェトプロテイン濃度が
21~100 ng/mL
の場合は、再測定を実施すること。再測定でα-フェトプロテイン濃度の持続的上昇が認められず、治験薬の投与開始前の肝の超音波 検査又はコンピュータ断層撮影(CT)検査により癌を示唆する病巣が認め られない場合は、治験薬の投与可。
(12) 現在、アルコール又は非合法薬に対する依存症で、適切な服用ができないか、
肝毒性の危険性が高いと治験責任医師が判断した場合。
(13)
妊婦又は授乳婦。(14)
不妊手術を受けておらず、投与期間中及び治験薬投与終了後8
週間、適切な避妊法(既承認の経口、注射用又は埋込み型避妊薬、子宮内装具、殺精子薬 を添加したペッサリー又はコンドーム、性交渉を行わない)を実施する意思 のない妊娠可能な女性。
(15)
その他の重篤な病状により本治験を完了することが困難な患者。治験薬/用量 及び投与方法
(1)
二重盲検投与期間1)
治験薬治験薬 剤型 バッチ番号
エンテカビル0.1 mgカプセル N99047 エンテカビル0.5 mgカプセル N99049 プラセボカプセル
外観上相互に識別不能な灰色 の不透明な0号カプセル剤
N99060
2)
用量及び投与方法1
日1
回経口投与(28日間)。(2)
非盲検投与期間エンテカビル
0.5 mg
を1
日1
回経口投与(48週間)。エンテカビル0.5 mg
カ プセルのバッチ番号はN99049、N00242
及び2E55099
であった。投与期間:48 週間まで。評価項目/評価 基準
【有効性】
(1)
主要評価項目二重盲検投与期間の
28
日目において、bDNA法によるHBV DNA
量が2 log
10以上の減少又は検出限界未満(< 0.7 MEq/mL)、若しくは
PCR
法によるHBV DNA
量が2 log
10以上の減少(検出限界:400 copies/mL)を示した被験者の割合。更 に、28
日目におけるbDNA
法及びPCR
法によるHBV DNA
量が2 log
10以上の減 少を示した各エンテカビル投与群(0.1及び0.5 mg)の被験者の群別の割合。
(2)
副次評価項目[二重盲検投与期間及び
56
日間の投与終了後観察期間]1) 28
日目におけるPCR
法によるHBV DNA
量(log10copies/mL)の投与開始前
からの平均変化量。2) 28
日目に主要評価項目に関して反応例であった被験者について、bDNA 法 で測定した投与終了後56
日目のHBV DNA
量が投与前値以上に復した被験 者の割合。3)
投与開始前にHBe
抗原陽性であって、28
日目にHBe
抗原が陰性化、又はセ ロコンバージョン(HBe抗原の消失かつHBe
抗体発現)が見られた被験者 の割合。4)
投与開始前にHBe
抗原陽性であって、28
日目にHBe
抗原が検出されないか、又はセロコンバージョン(HBe抗原の消失かつ
HBe
抗体発現)が見られ、投与終了後
56
日目にそれが持続していた被験者の割合。5)
投与開始前に血清ALT
値が異常であって、28日目に正常化した被験者の割 合。6)
投与開始前に血清ALT
値が異常であって、28日目に正常化し、投与終了後56
日目にそれが持続していた被験者の割合。[非盲検投与期間及び
24
週間の投与終了後観察期間]7) 48
週間の非盲検投与期間終了時におけるbDNA
法によるHBV DNA
量が検 出限界(0.7 MEq/mL)未満であった被験者の割合。8) 48
週間の非盲検投与期間終了時におけるbDNA
法によるHBV DNA
量(log10MEq/mL)の投与前値からの平均変化量。
9)
投与開始前にHBe
抗原陽性であって、48週間の非盲検投与期間終了時にセ ロコンバージョン(HBe抗原の消失かつHBe
抗体発現)が見られた被験者 の割合。10)
投与開始前に血清ALT
値が異常であって、48週間の非盲検投与期間終了時 におけるALT
値が正常化した被験者の割合。【安全性】
(1)
主要評価項目有害事象又は臨床検査値異常のために投与を中止した被験者の割合。
(2)
副次評価項目投与期間中又は投与終了後観察期間中に血清
ALT
及び/又はAST
値が投与前 値から2
倍以上又は3
倍以上増加した被験者の割合。並びに、有害事象又は臨床 検査値異常が見られた被験者の割合。統計手法
(1)
解析対象集団有効性解析対象集団は、無作為割付けして投与を開始した全被験者とした。投 与
28
日目のデータがない場合、若しくは28
日以前に中止した被験者は主解析で は無効例とみなした。安全性解析対象集団は、治験薬を投与した全被験者とした。(2)
一般的な解析手法連続変数は記述統計量(平均値、中央値、標準偏差、最小値及び最大値)によ って要約し、比較に際しては投与群及び投与前値を共変量とする線形回帰に基づ い た
t
検 定 を 行 っ た 。 二 値 反 応 変 数 は 頻 度 及 び 割 合 (%) で 要 約 し 、Cochran-Mantel-Haenszel
検定で比較した。割合及び割合の差の信頼区間は二項分 布への正規近似に基づいて算出した。P 値はそれぞれの χ2検定に基づいて求め た。(3)
有効性の解析1)
主要評価項目の解析主要評価項目(上記参照)について、各エンテカビル群とプラセボ群との
2
群比較を実施し、投与群間差の97.5%信頼区間及び P
値を算出した。P 値が <0.025
の場合に、その用量のエンテカビルがプラセボに対して優越性があるものと判断した。
2)
副次評価項目の解析各副次評価項目(上記参照)について、主要評価項目と同様の解析を行った。
3)
欠測値の取扱い欠測値のある被験者、若しくは投与
28
日目以前の中止例は無効例とみなした。(4)
安全性の解析28
日間の二重盲検投与期間、56日間の投与終了後観察期間、48
週間の非盲検 投与期間、24 週間の投与終了後観察期間別に有害事象及び臨床検査値異常を集 計した。計画被験者数 計画症例数:合計
210
例、無作為割付け例数:216例。【設定根拠】
被験者数は、投与
28
日目にbDNA
法によるHBV DNA
量が2 log
10以上の減少 又は検出限界未満、若しくはPCR
法によるHBV DNA
量が2 log
10以上の減少を 示した被験者の割合の差に基づくものとした。プラセボ投与群での反応率を10%、各エンテカビル投与群での反応率を 60%とし(Study AI463-004
による)、有意水準を両側
2.5%とする 2
つの対応のある比較(エンテカビル対プラセボ)を考慮して調整した場合、被験者を
210
例(各群70
例ずつ)とすると、プラセ ボ投与群に対する各エンテカビル投与群の優越性について、90%以上の検出力が
確保される。報告書の日付 二重盲検投与期間及び投与終了後観察期間:20 年 月 日
非盲検投与期間及び投与終了後観察期間(Addendum 01):20 年 月 日
【結 果】
(1)
被験者の内訳1)
治験の完了状況a)
二重盲検投与期間及び投与終了後観察期間(表 2.25-1)本治験に組み入れた被験者は
347
例で、そのうち216
例を無作為割付けし、212例(エンテカ ビル0.1 mg
群:69例、0.5 mg群:72例、プラセボ群:71例)に盲検下で治験薬を投与した。無作為割付けした