第3章 冒認商標が韓国で出願されたときに利用できる規定と手続き
第2節 冒認商標の拒絶および無効に適用される規定および要件分析
2.3. 無効事由の要件および事例の検討
2.3.2. 著名商標に抵触する商標(第34条第1項第11号)
2.3.2.2. 著名商標を連想させる場合とは?
[事例24] 登録商標
(40-0706561) 模倣の元となった商標
商標
指定商品/使用商品 [第25類] Tシャツ、革靴他 靴、背広他
特許法院の判断(商 標法第34条第1項 第11号適用可否)
(2010ホ8344)
①標章としてはあまり使用されない足の裏を素材として足の 裏にインクをつけた後に紙に刷ったものと同一の足紋の形状を している点、②本件登録商標は、右足の裏1つで構成されている が、先登録商標は両足の裏から構成されている点においては異 なるが、足の指5本を含む黒い足紋、及び全体的に足の裏前部の 面積が広くてかかとの方がより細くなっている形状が類似する 点等を勘案すると、本件登録商標は、先登録商標とその構成や モチーフにおいて関連性があると認められる。
著名商標を連想させる場合とは?
66 結局、本件登録商標と先登録商標は、その標章の構成に密接 な関連性があり、その指定商品も履物類、衣類、かばん類、ス ポーツ用品等であって類似し、取引者や一般需要者に本件登録 商標から先登録商標又はその商標が使用された商品を容易く連 想させたり、これと密接な関連があるものと誤認させることに よって、商品の出所に誤認・混同を起こすおそれがあるといえ る。19
[事例25] 登録商標
(40-1020940) 引用商標
商標 先登録商標
先使用商標 SONY 指定商品/使用商品 [第5類] 薬剤、中枢神経系
用薬剤など
外皮用薬剤、医療用ホルモ ン剤など
特許法院の判断(商 標法第34条第1項 第11号適用可否)
(2014ホ9352)
本件登録商標の指定商品は「薬剤」であり、先使用商標の使 用商品である「医療機器」と、その需要者層が医師、薬剤師、
患者という点で共通して商品間に経済的関連性がある。さらにS ONYは、世界的な大手企業で、電子製品等の製造・販売のほ
19 上件において特許法院は、先登録商標が韓国内で著名な商標であることを認めた後、
本件登録商標の構成やモチーフが先登録商標と関連性があり、先登録商標を連想させ ると認めた。本件登録商標が先登録商標を連想させることは事実であるが、そうだと して「類似」と断定するのは難しいと思われる。足の裏を素材としたことは事実であ るが、足の裏の数に差異があり、また足の裏紋も一定の差異をみせており、本件登録 商標の場合、商標を構成する文字と足の裏の図形が互いに一体に結合されているとみ なされるためである。結局、特許法院は先登録商標が著名性を根拠として両商標間に 出所の誤認・混同の可能性を認めたものと理解される。
67 か、金融業、映画業、ゲーム娯楽産業等の様々な分野において 多様な商品を販売しているので、指定商品の需要者にSONY又は それと特殊な関係にある者によって提供される商品として認識 される可能性が高い。先使用商標の著名度は、本件登録商標と 先使用商標の標章の類似性、先使用商標の使用者であるSONYの 事業多角化の程度、両商標の需要者層の重複する程度等の事情 を総合してみると、本件登録商標は、指定商品の需要者がその 商標からSONYの著名商標を安易に連想して混乱を生じる恐れが ある。
[事例26] 登録商標
(40-0976345) 引用商標 商標
指定商品/使用商品
[第9類] 無線通信用アンテ ナ、ビデオフォンなど [第14類] 時計、貴金属製ア
クセサリーなど
時計ベルト、時計バンドな ど
特許法院の判断(商 標法第34条第1項 第11号適用可否)
(2014ホ7776)
商標先使用者が実施した商標の認知度調査の結果では、本登 録商標と先使用商標の呼称が類似して混乱する可能性があると 答えた回答者が38.2%、外観が似ていて混乱する可能性がある と答えた回答者が27.9%、時計の商標として本登録商標が使用 される場合、先使用商標に否定的な影響を与えると答えた回答 者が55.2%に達すること等に鑑み、たとえ本登録商標及び先使 用商標の観念を対比することができず、その各外観及び呼称に いくつか違いが存在するとしても、需要者は本登録商標から著 名な先使用商標や商品又は営業を連想するとみるのが相当であ る。
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