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第3章 冒認商標が韓国で出願されたときに利用できる規定と手続き

第4節 周知性の立証はどのように行なうか?

4.1. 無効事由と引用商標に要求される周知性の程度

4.3.4. その他の周知性の証拠方法

140 ことを認めた例(2011.5.27言渡2010ホ7532判決)。

上記ような判例を総合してみると、売上高の絶対量が大きくないとしても、商品が 特定需要者に限定されていたり、市場が寡占されていて韓国内の特定地域におけるマ ーケットシェアが高い場合にはマーケットシェアを提示して「周知」であることが認 められたり、又は少なくても「特定人の商標として認識された」という認定を受ける 可能性があることが分かる。

マーケットシェアを立証する証拠方法は主に、以下のものが主に利用される。

1) 産業動向報告書や専門研究機関の研究報告書 2) 該当商品の専門雑誌が調査して発表した記事 3) マスコミを通じて発表された記事など

141 3) 新聞・雑誌、調査機関レポートなどの記事に掲載されたデータ

広告の回数と媒体を立証する際は、該当する広告媒体に掲載された広告自体の写し をすべて提出しなければならない。すなわち、以下のような点に注意が必要である。

1)広告中に商標が表示され、どのような商品に対する広告であるかが示されていな ければならない。

2)新聞や雑誌に掲載された広告の場合には、該当する新聞や雑誌の発行者と発行日 が表示されているページをともに提出しなければならない。

3)広告の効果を示すためには、該当する新聞や雑誌の発行部数を立証する資料をと もに提出することが望ましい。

4)テレビ広告の場合は、1回の広告キャプチャー画面とともに、広告が放送された テレビ番組の放送編成表および視聴率をともに提出する。

その他、以下の資料も宣伝量の立証に役立つ。

1)展示会への参加写真および当該展示会の著名性を示す資料 2)製品発表会の行事写真

3)販促行事および販促行事のために出費した費用資料

4)年度別カタログ、カタログ製作費用の立証書類(カタログを提出する時はカタロ グの製作時期、配布部数、製作費などを具体的に指摘し、これを立証する必要あり)

5)スポーツ選手又はスポーツ競技などへのスポンサー契約による宣伝活動資料(ス ポンサー契約書とともに当該選手が参加した運動競技の視聴率資料などをともに提出 する必要あり)

6)ニュースレターを長期間発刊している場合、該当するニュースレターの発行期間、

発行部数などを示す資料

142 7)Annual reportなどの公式会計資料上、「広告宣伝費」項目として出費された支 出内訳、「販促のために出費した項目」などの資料

(2)商標の使用開始時点、商標使用期間

商標の使用開始時点と商標の使用期間は、周知性立証のために必ず提出しなければ ならない。商標の使用開始時点を立証する主な方法は、次のとおりである。

1)製作時期が明確に表示されたカタログ

2)商号商標の場合は、該当商号の法人設立日(当該商標たる商号の開始時点の推定 資料)

3)ホームページに掲載されている会社の沿革ページ 4)マスコミに紹介されたブランドランキング記事 5)商標使用開始年度を含むannual report

6)いずれかの国における商標出願書類(商標使用開始時点の推定資料)

7)ブランドネーミングを専門デザイン会社に依頼した場合、当該デザイン会社との 契約書

(3)店舗、支社数

国内外の店舗数や支社数の資料も、周知性立証に役に立つ。店舗や支社の数の立証 資料としては、例えば、自社ホームページの掲載記事や、公表されている調査報告書 などが用いられる例が多い。

(4)商標登録

143 全世界的に該当する商標を出願又は登録した商標登録に関連する資料は、良い周知 性立証資料となる。各国の代理人が送ってきた商標登録を立証する書類、すなわち商 標登録証、又は商標登録原簿などの写しはすべて証拠として認められる。また、日本 の防護標章が役立つことは、上述のとおりである。

(5)ライセンス

自身の商標が「使用権許諾」の対象となっていることは、それだけ自身の商標が広 く知られているということを間接的に示す証拠となる。ライセンスは契約書を提出し て立証し、マスコミ記事を引用することもできる。

(6)有名商標リスト

韓国と日本は「有名商標集」を発刊している。過去資料としてもこの資料集に有名 商標として掲載されていれば、良い周知性立証資料となる。

(7)マスコミ記事

マスコミに自身の商標が紹介された回数は周知性を示す資料となる。

1) 主な記事について、その内容を翻訳したもの

2) 公式機関などにより、マスコミの記事などをデータベース化したインターネット サイト(ポータルサイトを除く)における検索マッチング数

3) 国立図書館や該当国を代表する図書館の記事検索ツールを活用して検索した結果

144 (8)各種受賞実績

商品の品質、顧客満足度、サービスなどの各種分野で受賞した実績は、周知性を立 証するのに役に立つ。

(9) インターネットのポータルサイトのマッチング数

ポータルサイトにおいて、該当する商標を入力した際に現われるマッチング数は、

頻繁に提出される周知性立証資料である。ポータルサイトの検索ツールによって関連 するウェブページの作成日を検索条件として設定できる場合があるので、このような 機能を提供するポータルサイトを利用することが望ましい。なお、自身が入力した検 索条件が直接表示される画面をともに提供し、該当条件で検索すれば該当商標と無関 係な他のウェブ文書が検索される確率が極めて低いという点も説明する必要がある。

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