政府は、シンガポールを国際海事センターとして発展させる意図のもと、シ ンガポール籍船に対して税制上の優遇措置を導入し、また登録料を安価にする 等により、登録船舶の増加を図っている。シンガポール籍船の数は着実に増加
し、2011年には2,877隻となっている。ただし、シンガポールは便宜置籍国を
意図しているわけではなく、船舶検査なども国際的な水準に併せて行っている。
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<図Ⅰ-4>シンガポール籍船の数及び重量
(出典:シンガポール政府海事港湾庁 資料)
(1)登録可能主体
商船登録規則第3条で、シンガポール籍となる船舶の所有者は以下のもの に限定されている。
①シンガポール市民(シンガポール永住者を含む)
②シンガポールで組織された会社
ただし、下記のいずれかの場合に限る。
・当該会社の払込資本金が5万ドル以上の場合(商船登録規則第5条(1))
・当該会社が下記(ⅰ)から(ⅳ)のいずれかの船舶登録を完了している、申請 している、又は申請する予定だと登録権者に通知している場合(商船登録 規則第5条(4))
(ⅰ)合計の純トン数が4万トン以上の2隻
(ⅱ)合計の純トン数が3万トン以上の3隻
(ⅲ)合計の純トン数が2万トン以上の4隻
(ⅳ)合計の純トン数に関わらず5隻 (2)登録可能船舶
あらゆるタイプの船舶が登録可能である。ただし、外資系企業が所有する 場合は、1,600 総トン以上で、自走式であることが必要である。なお、船齢 が 17 年以上の船舶は、登録官がすべての面で満足な状態にあると判断しな い限り登録できない(商船登録規則第8条)
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(3)登録の費用 ①初期費用
登録料として、純トン数(NT)1 トンにつきS$2.50 、下限S$1,250 (500 NT)、上限S$50,000(20,000 NT)が課せられる。
なお、複数船舶又は大型船舶を登録しようとする場合に、割安の登録料 が 適 用 さ れ る ブ ロ ッ ク ・ ト ラ ン ス フ ァ ー ・ ス キ ー ム(Block Transfer Scheme)がある。具体的には、下記(ⅰ)から(ⅳ)のいずれかの船舶登録をし ようとする場合に、登録料は、純トン数(NT)1 トンにつきS$0.50 、1隻 につき下限S$1,250(2,500NT)、上限S$20,000(40,000NT) となる。
(ⅰ)純トン数が4万トン以上の1隻
(ⅱ)合計の純トン数が4万トン以上の2隻
(ⅲ)合計の純トン数が3万トン以上の3隻
(ⅳ)合計の純トン数が2万トン以上の4隻
(ⅴ)合計の純トン数に関わらず5隻
<図Ⅰ-5>登録料
②年間費用
年間トン税として、純トン数(NT)1 トンにつき S$0.20 、下限 S$100 (500 NT)、上限S$10,000(50,000 NT)が課税される。
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<図Ⅰ-6>年間トン税
③その他
所有者の変更があった場合、純トン数(NT)1 トンにつきS$1.25 、下限 S$1,250 (1,000 NT)、 上限S$6,000(4,800 NT)の再登録料が課せられる。
(4)登録のメリット
シンガポール籍船の運航により得られた収益については、シンガポール所 得税が課税されない。また、シンガポール籍船に乗船する船員の所得税につ いては、雇用が実質的にシンガポール域内でなされる場合には免税となる(所
得税法13(1)(w))。更に、シンガポール籍船の売却益については、課税対象外
となる。(税制の詳細については、3.参照)。
シンガポール籍船に乗船させる船員の国籍に制限はない。
(5)登録の現況
2011 年現在、シンガポール船籍は 2,877 隻である(シンガポール海事港湾 庁)。このうち、1、000総トン以上の船舶は、CIAの The World Fact Book によれば、1,599隻(2010 年)であり、その実質的な所有者を国籍別に分ける と、シンガポールが633隻(構成比39.6%)、以下、日本164隻、ノルウェー 153隻と続く。外国所有分の上位5ヵ国は下表の通り。
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国名 隻
数
構成比
1 日本 164 10.3%
2 ノルウェー 153 9.6%
3 デンマーク 149 9.3%
4 台湾 77 4.8%
5 インドネシア 60 3.8%
五ヵ国合計 603 37.7%