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自転車専用ハイウェイの評価方針

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3.2.1 コストとモーダルシフト効果

3.1.3項で述べた各メリット・デメリットについて、定量的に検討するために必要な

要素をまとめると表3.10、表3.11のようになる。表3.10、表3.11から、自転車専用ハ イウェイのメリット・デメリットは、方策実施にかかる費用、走行経費、交通事故、走 行時間、CO2排出量の5つの要素にまとめることができる。ここで、国土交通省の費 用便益分析マニュアル[14]によると、図3.12に示すように、交通事故および走行時間は 社会的費用として貨幣換算することができる。さらに、方策実施にかかる費用と走行 経費・社会的費用の和をコストとし、CO2削減量をモーダルシフト効果とすると、図 3.12に示すように、自転車専用ハイウェイのメリット・デメリットはモーダルシフト 効果とコストの関係で定量的に総括して考察できる。よって、本研究では、自転車専 用ハイウェイの設置によって発生するコスト1円あたりのCO2削減量(以下、コスト パフォーマンスと表記する)を算出し、定量的に検討する際の指標とする。

表 3.10: 自転車専用ハイウェイのメリットを定量的に評価するために必要な要素

メリット 要素

方策実施にかかる費用が安価 方策実施にかかる費用 モーダルシフトによって自動車に比べて走行経費が減少 走行経費

モーダルシフトによってCO2排出量が削減 CO2排出量

表 3.11: 自転車専用ハイウェイのデメリットを定量的に評価するために必要な要素

デメリット 要素

迂回によって自動車の走行距離が延び、走行経費が増加 走行経費 迂回によって自動車の走行距離が延び、交通事故が増加 交通事故 渋滞が悪化し、自動車の走行時間が増加 走行時間 モーダルシフトによって自動車に比べ走行時間が増加 走行時間 自転車で運動することによってCO2排出量が増加 CO2排出量

CO2削減量

方策実施にかかる費用 走行経費

交通事故 走行時間

コスト

モーダルシフト効果

社会的費用

図 3.12: 自転車専用ハイウェイのコストとモーダルシフト効果

3.2.2 エコカー減税・補助金のコストパフォーマンス

2.1節で述べたように、本研究ではエコカー減税・補助金と比較することで方策の有 効性を評価する。そこで、まずエコカー減税・補助金のコストパフォーマンスを算出 する。

比較の対象とするエコカーは、トヨタ自動車株式会社のPRIUS Sと本田技研工業株

式会社のCIVIC HYBRID MXBの2種類とした。エコカー減税・補助金に関連する値

をまとめたものが表3.12である。自動車取得税減税額、自動車重量税減税額、新車購 入の場合の補助金は国土交通省および経済産業省の告知[15],[16]から、自動車税減税額 は京都府のWebページ[17]から、LCAによる自動車のCO2排出量は松橋らの研究[18]

から、LCAによるCO2低減率は各メーカーのWebページ[19],[20]から、自動車の耐用 年数は財団法人自動車検査登録情報協会のWebページ[21]から、自家用車の平均年間 走行距離は国土交通省のWebページ[22]から引用した。

エコカー減税・補助金のコストパフォーマンス計算方法を表3.13に示す。エコカー 減税・補助金の場合、LCAによるCO2低減率とLCAによる自動車のCO2排出量、自 家用車の平均年間走行距離で計算される量がCO2削減量となる。

ここで、エコカー減税・補助金のコストには方策実施にかかる費用のみを扱ってお り、他の社会的費用などは検討していない。これは、エコカー減税・補助金は実際に 実施された方策である一方、自転車専用ハイウェイは構想段階の方策であることを考 慮したものである。比較対象であるエコカー減税・補助金のコストパフォーマンスが 高めに出るよう設定しておけば、自転車専用ハイウェイを厳しく評価でき、その場合 でも有効であると結論付けられれば、方策の有効性がより揺るぎ無いものとなるから である。

以上の値と式を用いて計算すると、PRIUS SとCIVIC HYBRID MXBのコストパ

表 3.12: エコカー減税・補助金実施にかかる費用・CO2排出量算出に関する値

項目 変数名 PRIUS S CIVIC HYBRID

の値 MXBの値 自動車取得税減税額(/) CTAcq 102,100 98,100 自動車重量税減税額(/) CTW ei 56,700 56,700 新車購入の場合の補助金(/) CCar 100,000 100,000 自動車税減税額(/) CTCar 17,000 17,000 LCAによる自動車のCO2排出量(g-CO2/台・km) LCACar 260

LCAによるCO2低減率 RLCA 0.43 0.34

自動車の耐用年数() YCar 11.68

自家用車の平均年間走行距離(km/) LCar 10,575

表 3.13: エコカー減税・補助金のコストパフォーマンス計算方法

項目 変数名 計算方法

方策実施にかかる費用(/年・台) Ceco (CTAcq+CTW ei+CCar+CTCar)/YCar 削減されるCO2排出量(g-CO2/年・台) Peco LCACar·RLCA·LCar

コストパフォーマンス(g-CO2/) CPeco Peco/Ceco

フォーマンス値は表3.14のようになった。

表 3.14: エコカー減税・補助金のコストパフォーマンス値

車種 コストパフォーマンス値(g-CO2/円)

PRIUS S 50

CIVIC HYBRID MXB 40

3.2.3 自転車専用ハイウェイのコストパフォーマンス算出方法

3.2.1項で述べたモーダルシフト効果の計算には、方策によるモーダルシフト割合の

調査と自動車からのCO2排出量の計算が必要となる。このうち、モーダルシフト割合 についてはこれまでの研究[23]で意識調査を行い、算出した。CO2排出量の計算および

イが設置された場合に経路をどのように変更するのかといった自動車・自転車の挙動 を詳しく知る必要があるが、社会実験は不可能であるため、本研究では交通流シミュ レータを用いて算出する。

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