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自宅でも管理できる治療/ケアを行う 6. 適切な栄養ケアを行う

発 熱

5. 自宅でも管理できる治療/ケアを行う 6. 適切な栄養ケアを行う

蘆野吉和 ターミナルケアー終末期にある褥瘡 患者の栄養ケアのポイント 臨床栄養(2008)

112:2752-756

【(がん)終末期における褥瘡管理の要点】

褥瘡周囲のスキンケア

褥瘡の周囲皮膚は弱酸性の洗浄剤を用いて洗浄する。(推奨 度C1)

尿・便失禁がある場合、皮膚洗浄後排泄物が付着する範囲に撥 水性皮盧保護剤を用いる(推奨度C1)

尿・便失禁があり褥瘡を汚染する場合、排泄物の水分吸収が 良いパッドまたはパッドへの吸収を促進するポリエステル繊 維綿を用いる。(推奨度C1)

創縁の浸軟防止に撥水性皮層保護剤を用いる(推奨度C1

在宅褥瘡予防・治療ガイドブック第2版 日本褥瘡学会(2012年)より

【褥瘡周囲のスキンケア】

領域 3-2-6 ファシリテーター用

悪性皮膚潰瘍

悪性皮膚潰瘍

悪性皮膚潰瘍

・皮下に生じたがんが発育して皮膚を破り創傷(潰瘍)を形成したもの

・Malignant wound , fungating wound(茸状創傷)とも呼ぶ

・皮膚がん、皮膚転移がん、乳がん局所再発等

・転移性がんの5~10%に皮膚転移あり

・特に乳がんの頻度が高い 25~69%

肺がん 7% 腎臓がん 5% 大腸がん 3% 卵巣がん 4%

頭頚部がん 2%

・その他 カポジ肉腫 悪性リンパ腫 白血病など

・発生部位の頻度

乳房(39~62%) 頭頸部(24~33.8%) 体幹(1~3%)

大腿部・腋窩(3~7.4%) 会陰部(3~5.1%)

松原康美、蘆野吉和 がん患者の創傷管理 照林社(2007)

【悪性皮膚潰瘍】

悪性皮膚潰瘍の臨床的特徴

進行性であり難治性である

浸出液、臭気、出血、痛み、かゆみなどの身体的苦痛 を伴う

臭いや容姿の変化による羞恥心、病状に対する不安な どの精神的苦痛、疎外感や生きがいの喪失などのスピ リチュアルな苦悩を伴う

がん性創傷そのものが物理的障害となり、あるいは体 動時痛を伴うことにより日常生活動作が低下する

松原康美、蘆野吉和 がん患者の創傷管理 照林社(2007)

【悪性皮膚潰瘍の臨床的特徴】

悪性皮膚潰瘍の発生機序

がんの発育(腫瘤形成)に伴う微細血管の損傷と支配領 域の虚血

腫瘍あるいは周囲皮膚の壊死

潰瘍病変

壊死組織の細菌(特に嫌気性菌が繁殖)感染による炎症 の発生

壊死した腫瘍からの浸出液による周囲健常皮膚の障害

松原康美、蘆野吉和 がん患者の創傷管理 照林社(2007)

【悪性皮膚潰瘍の発生機序】

領域 3-2-6 ファシリテーター用 悪性皮膚潰瘍の評価

現病歴の評価(これまで行われてきた治療内容等)

身体状況の評価(ADLの評価、日常生活動作に与える創傷の影 響:創傷の部位による影響、痛み、出血、臭気などによる影響等)

心理社会的状況の評価

栄養状態の評価

病状の把握

がんの進行度、予後、出血傾向の有無、糖尿病などの代謝系合併症 の有無、呼吸器系・循環器系の合併症の有無、感染症の有無等

・創傷の評価

松原康美、蘆野吉和 がん患者の創傷管理 照林社(2007)

【悪性皮膚潰瘍の評価】

心理社会的状況の評価

①創傷やその原因となるがんあるいは治療に対して患者や家族がどの ように受けてとめているか

②そのような不安ともっているのか、どのように対応したいと考えて いるのか

③創傷あるいは被覆剤による容姿の変化をどのように受けとめている のか

④創傷があることで生活がどのように変化したのか

⑤家族や友人関係の親密度

⑥経済的問題の有無

⑦患者や家族のニーズの具体的内容

⑧患者に対する精神的支援体制の有無

松原康美、蘆野吉和 がん患者の創傷管理 照林社(2007)

【心理社会的状況の評価】

創傷の評価

・創の部位、広がりの程度

・浸出液の有無とその性質 量/色調/臭気

・合併症状の有無とその程度 出血/臭気/痛み/かゆみ

・壊死の状況

松原康美、蘆野吉和 がん患者の創傷管理 照林社(2007)

・炎症の有無

・感染の有無

・感染起炎菌の種類

・創周囲健常皮膚 の障害の有無

・リンパ浮腫の有無

【創傷の評価】

悪性皮膚潰瘍に対する治療/ケア

・がんに対する治療

外科治療/抗がん剤治療/放射線治療

・創傷治療

・処置に伴う合併症の予防

・周囲健常皮膚の保護

・合併症状に対する治療/ケア 浸出液・痛み・出血・悪臭・かゆみ

・患者・家族に対する心理的ケアや心理社会的支援

【悪性皮膚潰瘍に対する治療/ケア】

領域 3-2-6 ファシリテーター用

合併症状に対する治療/ケア

■痛み

鎮痛剤の経口投与 モルヒネの局所投与

■悪臭 脱臭剤

感染(嫌気性菌感染症等)への対応

ヨードコート軟膏・カデックス・ロゼックスゲル 壊死組織の除去

■出血 止血剤の投与 局所止血剤の使用 局所止血材の使用

【合併症状に対する治療/ケア】

領域 3-2-7 ファシリテーター用

3-2-7 身体症状(緊急対応が必要な症状)

に対応する

3-2-7 身体症状(緊急対応が必要な症状)に対応する

緊急対応を要する症状・病態(がん疾患)

疼痛の急激な増強

心血管系

心タンポナーデ上大静脈症候群

呼吸器系

気道出血

気道閉塞

肺梗塞

急性呼吸不全気胸・血胸

消化器系

腸閉塞(絞扼性)

腸穿孔

消化管出血

婦人科系

性器出血

尿路系

尿路閉塞

尿路出血

神経系

脳浮腫

意識障害

痙攣発作

脊髄圧迫

整形外科系

病的骨折

感染症

肺炎・敗血症

血液系

DIC

代謝・内分泌系高Ca血症など

【緊急対応を要する症状・病態(がん疾患)】

対応における留意点

がんが進行した時点で、急性症状が予測される 場合には、あらかじめ患者や家族に説明し、そ の時の対応について事前に相談しておくことが 望ましい。

このような説明や事前の相談において、あるい は、急性症状が発現した時点での説明や治療の 相談においては、あくまでも患者や家族の安楽 を保証することを最終目標とする治療計画をた てることが必要不可欠である。

【対応における留意点】

対応において考慮すべき事項

• 症状を起こしている基礎疾患や病態

• 全身状態(PS)

• 治療による延命の可否

• 患者の意思(希望・意向)

• 家族の意思(希望・意向)

• 患者の心理的状況

• 家族の心理的状況

【対応において考慮すべき事項】

領域 3-2-7 ファシリテーター用

疼痛の急激な増強・出現(原因)

骨転移がん: 病的骨折

消化器がん:腸閉塞 腸穿孔に伴う腹膜炎 神経叢へのがん浸潤 静脈浸潤による急性門脈圧症候群 腸管膜静脈閉塞症 肝内出血がん性腹膜炎 脾梗塞 脾破裂 胆石発作 尿管結石発作 胸腔内がん:肺動脈浸潤による肺梗塞 気管胸膜ろう 食道破裂 タンポナーデ 胸壁浸潤

その他:肺梗塞 脊髄転移あるいは浸潤

疼痛の急激な増強・出現

急激な疼痛に対する対応

■原因・病態の検索

■予後の推測

■患者・家族への説明

■マネジメント:モルヒネ静注 5mgを静注し、

15分間後に効果判定 これを継続する

【急激な疼痛に対する対応】

タンポナーデ

■病態:心嚢腔に液体(心嚢水・血液など)が貯留し心 臓が圧迫され心不全となって引き起こされる病状

■原因:がんの心膜転移(乳がん・血管腫など)

■症状:血圧低下・頸静脈の怒脹・心音微弱(ベックの 三徴候)

■診断:胸部単純X線、超音波検査

■マネジメント:緊急の心嚢穿刺

心タンポナーデ

上大静脈症候群

■病態:上大静脈ががんの浸潤等で閉塞された時に、心臓に還 流する静脈血がうっ滞して引き起こされる症状

■原因

①上大静脈へのがん浸潤

②縦隔リンパ節転移を伴うがん腫による

③カテーテル等への塞栓

■症状:顔の浮腫 両腕の浮腫 頸静脈の怒張 喉頭浮腫 呼吸困難 咳

■診断:症状、胸部単純X線、造影CT

■頻度

非小細胞性肺がん 50%

小細胞性肺がん 25%

悪性リンパ腫 10%

転移性がん <10%

胚細胞腫瘍 <5%

胸腺腫 <5%

その他の腫瘍 <5%

上大静脈症候群

領域 3-2-7 ファシリテーター用 上大静脈症候群

上大静脈症候群のマネジメント

<緊急治療>

・放射線治療

・金属ステントの挿入

・抗がん剤治療(治療効果のあるがんが適応)

<対症療法>

上半身の挙上、

ステロイドの大量療法(デキサメタゾン16mg静注)、

利尿剤

【上大静脈症候群のマネジメント】

気道閉塞・窒息

• 肺門部肺がんの気管浸潤

• 甲状腺癌の気管浸潤

• 頭頚部がんの気管浸潤

• 縦隔リンパ節転移の気管浸潤

• 両側反回神経麻痺を伴う病態

• 誤嚥による

• 吐血や喀血時

• 嚥下機能低下を伴う各種病態

気道閉塞・窒息