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第 3 章 児童期における学力の発達的変化の検討

3.2 小学校 6 年間の学力変化の分析(1):平均パターンの分析

3.2.4 考察

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表3.2-5 尺度得点による算数と国語の相関係数 低学年 中学年 高学年 男子 .727** .807** .833**

女子 .751** .776** .809**

**p<.01

図3.2-6 尺度得点による算数と国語の相関の推移

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図3.2-7 算数における本研究とNakajima(1969)の比較

図3.2-8 国語における本研究とNakajima(1969)の比較

男女差については,どの学年時でも国語の成績が女子の方が男子よりも一貫して高いと いう点では,3つの研究で共通していた。このことから,児童期において国語の学力の性 差は,頑健な現象であると考えられる。一方,算数の成績については,本研究では4年生 以降,男子の方が女子よりも高くなったが,Nakajima(1969)や丹藤(1989)では女子の

50 55 60 65 70 75 80

1年 2年 3年 4年 5年 6年

偏 差 値

本研究: 男子 本研究: 女子

Nakajima(1969): 男子 Nakajima(1969): 女子

50 55 60 65 70 75 80

1年 2年 3年 4年 5年 6年

偏 差 値

本研究: 男子 本研究: 女子

Nakajima(1969): 男子 Nakajima(1969): 女子

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方が男子よりも高かった。数学の学力については,性差よりも別の要因が影響することが 考えられる。

平均値のパターンに潜在曲線モデルを当てはめてみると,教科,性別にかかわらず,適 合度は十分でなく,当てはまりはよくなかった。豊田(2003)によれば,今回のような 1 次のモデリングがうまくいかない例として,異なった成長曲線を持つ複数の潜在的な集団 が混在していることが考えられるという。図3.2-7,図3.2-8の通り,同じ首都圏の私立小 学校においてでさえ,まったく異なった変化パターンであったことに鑑みれば,こうした ケースに該当する可能性は高いと考えられる。この意味で,児童期の学力の発達的変化の 様相を明らかにするためには,混在する多様な変化パターンの類型を探索・発見すること が課題であろう。次節において,この課題を追及する。

ところで,偏差値の変化パターンは多様であったが,算数と国語の相関については,先 行研究(池上・金子,1974;角屋・蛯谷,1980;石川・比嘉,1988)と同様に,学年の進 行に伴い強くなる傾向にあった。この現象も頑健である可能性がある。おそらくは,高学 年になるにつれ抽象度が高まり,文章題も増える算数の課題の解決にとっては,二次的こ とばの熟達が不可欠であり,それは直接的に読解力等,国語の学力の基礎を形成するから ではないかと考えられる。つまり,二次的ことばの発達が,算数の学力と国語の学力との 関連性を強めるため,結果的に両者の相関も高まるのではないだろうか。本研究ではこれ 以上の追及は差し控えるが,少なくとも,学力として国語と算数の関連性が強まることも,

児童期の学力の特徴と考えられる。

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