4.3 眼鏡フレーム領域の抽出
4.3.1 眼鏡フレームの傾き推定
以下の処理により眼鏡顔画像の画像輪郭を求め,眼鏡フレーム構造を大局的にとらえるた めに低解像度輪郭画像を作成し,低解像度輪郭画像内の各物体の慣性主軸の傾きを求める.
(1) 原画像(図4.5)に対して次式により示されるRoberts オペレータを用いて原画像から
画像輪郭grad(x, y)を求め,閾値処理により輪郭画像を生成する.ここで,I(x, y) は,座
標(x, y)における輝度値を示す.
grad(x, y) =
Ix2(x, y) + Iy2(x, y) (4.15) Ix(x, y) =I(x, y) − I(x+ 1, y+ 1) (4.16) Iy(x, y) =I(x+ 1, y) − I(x, y+ 1) (4.17) 輪郭画像を図4.6 に示す.
図 4.5: 眼鏡顔画像
I(x, y) =
2π η=−3ξ=−3e I(x−η, y−ξ) (4.18) (3) 低解像度輪郭画像内の輪郭線毎に異なったラベルlabeli をつける.
(4) 各labeli毎に慣性主軸の傾きθi を式(4.19)により求める.ここで(xi,yi) はlabeli の 座標とする.
θi =
12 tan−1 2
Lixiyi
Lix2i−
Liy2i
(Lix2i =Liyi2)
0 (Lix2i =Liyi2)
(4.19)
図 4.7: 低解像度輪郭画像
図 4.8: 推定した傾きの例
• その周囲の鼻領域は輝度変化が滑らかなため,輪郭検出が行いやすい.
という特徴がある.そこで,眼鏡フレーム領域の抽出において,まず,眼鏡の中央部分の 位置を推定する.ここでは,ノイズの影響を抑えるため,低解像度輪郭画像を用いる.
ブリッジおよびプロップの位置推定
(1) 低解像度輪郭画像において各輪郭線labeli について前節で求めた慣性主軸の傾きθi に 平行な仮想線を引き,その直線とlabeli で囲まれる領域Ti の円形度C を式(4.20)により 求める(A :面積,γ:周囲長).
C = 4πA
γ2 (4.20)
C が閾値の範囲内ならばTi を眼鏡の中央部領域の候補として抽出する(図4.9).
(2) 全ての候補領域Ti のうち,その形状が対称となっているものを眼鏡の中央部の下方領 域Te と推定し(図4.10),Te を囲む輪郭線をlabele とする.
θ x x’
輪郭線
仮想線 label i
i
図 4.9: 眼鏡中央部の領域候補Ti
ブリッジおよびプロップの抽出処理
(1) 眼鏡フレームモデルのパラメータd1,d2,…,d8 に初期値を与え,ブリッジとプロッ プを生成する.
図 4.10: 推定した領域Te
(2) 生成したブリッジとプロップの画像BP(x, y)と輪郭線labele の画像LABELe(x, y)と のマッチング度ϕbp を式(4.21)(4.22)により求める.
ϕbp = 1 Hbp+He
corbp(x, y) (4.21)
corbp(x, y) =
1 (BP(x, y)∩LABELe(x, y) = 1) 0 (BP(x, y)∩LABELe(x, y) = 0)
(4.22) ここで,Hbp は生成したブリッジおよびプロップの合計画素数,He は輪郭線labele の画素 数を示す.
(3) パラメータd1,d2,…,d8 の値を変更して処理(2) を繰り返す.ここで,パラメータ d1,d2,…,d8 の値は,領域Teの縦の長さverと横の長さhol から大きく逸脱することが ないように,
|di−xe | ≤hol (i= 1,3,5,7) (4.23)
|di−ye | ≤ver (i= 2,4,6,8) (4.24) の範囲とする(図4.11).また,xe とye は,領域Te の最大および最小のx座標をxemax, xemin,最大および最小のy 座標をyemax, yemin とすると
xe = 1
2 (xemax + xemin) (4.25)
プ領域を眼鏡の中央部とする.
ここで,眼鏡フレームの太さについては,太い眼鏡フレームにも対応できるよう,最低
1,最高でブリッジ幅d2 までの範囲を採りうるものとする.ブリッジ,プロップの抽出結
果を図4.12 に示す.
hol 2 hol
ver 2 ver
領域 Te
パラメータを与えて生成するブリッジ,プロップ
図 4.11: ブリッジ・プロップのパラメータの値の範囲
4.3.3 リムの抽出
リムの有無の判定
眼鏡の中央部の抽出を行った後に,眼鏡にリムがあるかどうかを判定する.これは,リ ムなし眼鏡の場合は,リムを抽出する必要がないためである.
眉領域をリムの上部と誤判定する場合があるため,リムの上部を判定に用いることは適 切ではない.一方,リムの下部は,頬の輝度変化は滑らかであるので,輪郭検出しやすい.
そこで,リムの有無の判定は,リムの下部の有無で行う.
図 4.12: 抽出したブリッジ,プロップ
(1) 低解像度輪郭画像において,輪郭線labeleの左右のy座標が最大となる点を求め,各々 のx 座標をrimlx,rimrx とする.
(2) ブリッジの左右の端点のx 座標を各々d2l,d2r とし,
d2l−rimlx > hol (4.27)
rimrx−d2r > hol (4.28)
ならば,その部分はリムの下部と推定し,リムがあると判定する.ここで,hol は領域Te の横幅を表す.
リム抽出処理
眼鏡にリムがあると判定した場合は,リムの抽出を行う.
(1) ノードq1,q2,…,q8 の座標の初期値を設定する.
(2) 生成したリムの画素数をHrim とし,生成したリムの画像RI M(x, y)と輪郭画像内の輪 郭線labeli の画像LABELi(x, y)とのマッチング度ϕrim を式(4.29)(4.30)により求める.
ϕrim= 1 Hrim+Hi
corrim(x, y) (4.29)
corrim(x, y) =
1 (RI M(x, y)∩LABELi(x, y) = 1) 0 (RI M(x, y)∩LABELi(x, y) = 0)
(4.30)
きるよう,最低1,最高でブリッジ幅d2 までの範囲を採りうるものとする.
(4) 処理(2)で求めたマッチング度のうち,最大となる領域をリムと推定して抽出する(図 4.13).
図 4.13: 抽出したリム
4.3.4 エンドピースおよびテンプルの抽出
エンドピースとテンプルは接続しているので,これらを同時に抽出する.
(1) パラメータd10,d11,…,d14 の値を眼鏡フレームモデルに与え,エンドピースとテン プルを生成する.
(2) 生成したエンドピースおよびテンプルの合計画素数をHet とし,生成したエンドピー スおよびテンプルの画像ET(x, y)と,輪郭画像内の輪郭線labeli の画像LABELi(x, y)と のマッチング度ϕet を式(4.31)(4.32) により求める.
ϕet = 1 Het+Hi
coret(x, y) (4.31)