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6.2 各方法での特性比較

6.2.6 顔画像の正規化

model ベースによる方法であるパラメトリックな眼鏡フレームモデルおよびSnakes を

用いる方法ではmodel に基づいて自動的に位置を探索するので顔画像の正規化を要しない が,appearance ベースによる方法では,顔画像の正規化を要する.特に主成分分析では,

仮に1画素分だけ上下左右にシフトした画像であっても,その元の画像とは異なったもの として扱われるため,位置ずれに対して脆弱である.ここではappearance ベースによる 方法だけについて示す.

図6.3 に正規化誤りのある顔画像を用いた場合のappearanace ベースによる推定結果を 示す.x およびy 方向に最大で1〜7画素ずらすような乱数を与え,正規化誤りのある顔画 像を用いて基底ベクトルを求めて眼鏡なし顔画像を推定した.3画素程度までならば顔の 特徴が保存されているが,ずれがそれ以上になるとボケの度合が大きくなったり,顔の特 徴が失われてしまう.

以上より,正規化の誤差は少なくとも3画素以内に納めなければならない.

6画素のずれの場合は,他の場合と比較して傾向が異なっている.比較として,眼鏡顔画 像と,最大6画素のずれの場合および最大7画素のずれの場合の基底ベクトルとの内積値 を図6.4 に示す.最大6画素のずれの場合は,高次の主成分において高い内積値となって いる.低次の基底ベクトルは顔の大まかな特徴を表すため輝度変化の少ない領域が大きく,

高次の基底ベクトルは頬領域において輝度変化が大きくなる傾向にある.そのため,最大 6画素のずれの場合では,頬領域の輝度変化の大きな推定結果になったと考えられる.図

6.5 に内積値の大きな基底ベクトルの例を示す.ただし,これは乱数系列の影響があると 考えられ,数回の実験試行において,最大6画素のずれにおいても他の場合と同様な傾向 を得られた.逆に,最大5画素以上のずれの場合において,ここで示した6画素のずれの ように,頬領域の輝度変化が大きくなる場合があった.いずれにせよ,正規化の誤差は少 なくとも3画素以内に納める必要があると言える.

(1)眼鏡顔画像 (2)眼鏡なし顔画像

(3)正規化(ずれなし) (4)最大1画素のずれ

(5)最大2画素のずれ (6)最大3画素のずれ

(7)最大4画素のずれ (8)最大5画素のずれ

(9)最大6画素のずれ (10)最大7画素のずれ

図 6.3: 正規化誤差を含む顔画像集合から求めた基底ベクトルによる推定結果

0.00 100.00 200.00 300.00 400.00 500.00 600.00 700.00

0 50 100 150 200

基底ベクトル(第n主成分)

内積値(絶対値)

図 6.4: 眼鏡顔画像と基底ベクトルとの内積値の絶対値

第179主成分 第182主成分 第189主成分

図 6.5: 最大6画素のずれの場合における内積値の大きい基底ベクトルの例