5.3 Snakes による眼鏡フレーム領域抽出実験
5.3.2 眼鏡フレーム領域抽出特性の改善
リム部分の抽出処理
提案したSnakesの収束結果において,制御点はリムの上に乗っている.そこで,収束結
果の内側から膨張するようなSnakesを適用することにより,リム部分の制御点だけを滑ら かに接続するような収束結果が得られると考えられる.
まず,初期輪郭を以下の手順により求める.
1. Snakes1の重心(X1j, Y1j) を求める.
2. Snakes1の制御点のうちで最小・最大となるx およびy 座標をX1min, X1max,Y1min, Y1max として求める.
3. 重心(X1j, Y1j) の周囲に長軸半径14(X1max −X1min),単軸半径14(Y1max−Y1min)の楕 円弧状の初期輪郭を形成する.
先に得た収束結果を入力とし,この初期輪郭から膨張させて収束させる.Snakes2につい ても同様な処理を施す.図5.13 に本項で述べた方法を適用することにより得たリム部分の 抽出結果を示す.
図 5.13: リム部分の抽出結果
中央部分の抽出処理
前項のリム部分の抽出結果では,5.3.1項において求めた収束結果のうち,中央部分は処 理されずに残されたままになっている.そこで,中央部分の抽出を行う.
5.3.1 項で求めたSnakes の収束結果に前項のリム部分の抽出結果を重ね合わせると,図
5.14 のようになる.
図 5.14: 5.3.1 項で得られた収束結果にリム部分の抽出結果を重ね合わせた結果
前項の処理によりリム部分は抽出できているので,中央部分がリム部分と接続すれば良 い.この問題は,リム部分と中央部分が画像内に分布していると捉えることができ,これ らをひとまとまりの物体として扱えることができれば良い.したがって,この重ね合わせ た結果について外側からSnakesを収縮させることにより,リム部分と中央部分を囲むよう に収束すると考えられる.図5.15 に抽出結果を原画像に重ねて示す.
エンドピース・テンプル部分の抽出処理
エンドピースとテンプル部分は,前章で説明したパラメトリックな眼鏡フレームモデル のエンドピース・テンプル抽出方法を適用する.x 方向の探索範囲xl,xr は
xl ≤X1min (5.16)
xr ≥X2max (5.17)
とし,縦方向の探索範囲yは,
Y1min−(X2min−X1max)< y < 1
2 (Y1min+Y1max) (5.18)
眼鏡フレーム抽出改善結果と眼鏡フレーム領域除去結果を図5.16に示す.ここで,眼鏡 フレームの太さは,前章でのリムの太さの決定方法と同様,リム領域の両端X1max, X2min を用いて,
1
2(X2min−X1max) (5.19)
までの範囲,すなわち最大でブリッジ幅の半分までを採りうるものとした.中央部分周辺 のリムが良好に抽出できており,眼鏡フレーム領域の抽出が改善されていることが判る.
また,眼鏡フレーム領域内の輝度値の置換は,前章で述べた補間方法により行った.眼鏡 フレーム領域除去結果となっており,眼鏡なし顔画像に対する類似度は0.882 となり,同 様に他の人物の眼鏡フレーム除去結果と眼鏡なし顔画像との類似度は平均で0.852 となり,
眼鏡なし顔画像を良好に推定できた.