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2.3 基底ベクトルを用いた眼鏡なし顔画像推定実験

2.3.2 眼鏡なし顔画像推定実験結果

uj が求まる(以下,「顔画像集合Fk の基底ベクトル」をujk (k =1, 2, 3) と示す).基 底ベクトルの例として,各顔画像集合の上位3主成分を図2.5 に示す.可視化のために式

u11 u21 u31

u12 u22 u32

u13 u23 u33

図 2.5: 顔画像集合Fk の基底ベクトルujk

(2.15) によりバイアスを加えたu(l)j

k を新たに求め,見やすくするために輝度値についてヒ ストグラム平滑化[69]を施して図示している.ここで,u(l)jk は基底ベクトルujkl 番目 の要素の輝度値を示す.

u(l)jku(l)jk + 128 (2.15) 各基底ベクトルujk には,視覚的に眼鏡の成分を含んでいないことが判る.

差が生じないよう,いずれの場合も基底ベクトルujk を全て用いて推定した(累積寄与率 100%).なお,式(2.16)により推定結果nˆi|mi,ujkl番目の要素の輝度値ˆn(l)i |mi,ujk (l=1, 2,· · ·, D) が0〜255の範囲内に収まるようにした.

ˆ

n(l)i |mi,ujk

0 ( nˆ(l)i |mi,ujk 0)

ˆ

n(l)i |mi,ujk ( 0<nˆ(l)i |mi,ujk,

ˆ

n(l)i |mi,ujk <255) 255 ( nˆ(l)i |mi,ujk 255)

(2.16)

推定結果nˆi|mi,ujk は,いずれも対象人物の顔の特徴を有した忠実な眼鏡のない顔画像と なった.集合F3 には対象人物の顔画像が含まれていないので,F3 から求めた基底ベクト ルuj3 には,対象人物の顔の特徴が含まれていないはずである.しかしながら,対象人物 の顔の特徴は表出していることが判る.

もし仮に,基底ベクトルに「眼鏡のない顔の特徴」だけが含まれている場合,推定結果 には眼鏡の特徴は現れないであろう.しかしながら,その場合,推定結果に対象人物の顔 の特徴が表出するとは限らない.

顔画像集合内には「眼鏡のない顔の特徴」だけでなく,様々な人物の顔の特徴も含まれ ているため,画像集合の基底ベクトルにより様々な人物の顔を表現することができる.顔 画像集合に対象人物の眼鏡なし顔画像が含まれなくとも,式(2.5) によりuj 内に含まれる 対象人物の顔の特徴量が求まる.したがって,式(2.6) により推定した結果nˆi は,各基底 ベクトル内に含まれている対象人物の顔の特徴を総て結集したものと捉えることができる.

これにより,基底ベクトルuj3 を用いた場合も対象人物の顔の特徴を表現できたと考えら れる.

人物3の場合は,まぶた周辺に高輝度領域が残っているが,これは眼鏡フレーム上の反 射やレンズの影響によるものと考えられる.また,nˆ3|m3,uj1 だけでなくnˆ3|m3,uj2 にもほく ろを含んでおり,人物3の顔の特徴を良く現している.顔画像集合F2 には図2.7に示す撮 影2での眼鏡なし顔画像n32 が含まれているために,nˆ3|m3,uj2 は人物3 の顔の特徴をより 多く表現できたと言える.

眼鏡の影響が大きい場合(レンズの度が強い,レンズ上の照明反射領域が大きい,縁の 太い眼鏡)は,図2.8 のようにボケが生じる.図2.8 の人物4の場合,レンズに背景が映 り込んでいるだけでなく,レンズの屈折によって目の大きさが変化し,眼鏡顔画像と眼鏡 なし顔画像との目頭および目尻の位置が左右ともに2〜3画素ずれていた.PCA は位置ず れに弱いという特性があるため.度の強いレンズの場合,眼鏡なし顔画像の推定に対して

人物 1 人物 2 人物 3

m1 m2 m3

nˆ1|m1,uj1 nˆ2|m2,uj1 nˆ3|m3,uj1

nˆ1|m1,uj2 nˆ2|m2,uj2 nˆ3|m3,uj2

nˆ1|m1,uj3 nˆ2|m2,uj3 nˆ3|m3,uj3

n11 n21 n31

図 2.6: 眼鏡顔画像mi に対する推定結果nˆi|mi,ujk と眼鏡なし顔画像ni1

人物 1 人物 2 人物 3

n12 n22 n32 図 2.7: 撮影2 での眼鏡なし顔画像ni2