1970年後半まで行われていた伽vjvo中心のランダムスクリーニングに代わり、1980 年代には生化学、分子生物学の発展により、加v伽中心のターゲットオリエンテッドス クリーニングが主流を占めてきた。今回、著者が行ったアプローチもこのスクリーニン グ系に基づき、ターゲットを5-H1§受容体に絞り、抗悪性腫蕩剤投与時の悪心、喝吐に 有効な新規S-HL受容体桔抗薬の創製を目的として、metocloplamideをリード化合物に
選択し、独自の作業仮説に基づいて、一連の複素環力ルボキサマイド誘導体の合成を行っ た。合成した化合物は、S-HT3受容体への親和性およびBJrEflexに対する抑制作用を基
に構造活性相関を検証し、その結果から得られた知見を要約すると、
[考察1]
[考察6]
Cl>F,B
[考察7,8
[考察2]
CH3>H,Et>Pr>iso-Bu,Benzyl [考察3]
塩基性窒素>アミド窒素 H2>0
[考察4]
<
: 堂 : < >
H 3
>
<
:
[考察5]
O>S N H > 0
言〔言〕=Yc這命州
構造活性相関のまとめ
Chart28
1)複素環の変換
考察1:Meboclopramideの分子内水素結合に着目し、
考祭l:Meboclopramldeの分子内水素結合に着目し、2-methoxy基の自由回転をロック
し た 5 員 誘 d e i m a x o b r a 環 c 導 - 7 - m n U f o z n ( e b 体 o r d y h d i - 3 , 2 ) 、 6 員 環 息 H ( 2 - o d r y h i D - 4 , 3
1 , 4 -b e n z o x a z j n e -8 -c a r b o x a m i d e
誘導体)および7員環(dexamicarbon-8-inepioxaz-benz1,5
誘導体)の複素環をデザインし合成し、5員環、6員環では強力なS-HT3受容体桔抗 作用が認められた。しかしながら、7員環では複素環(ammaticpart)の平面性が崩れる
ため、活性は減弱した。
考察2:ベンズオキサジン環4位の置換基においてはメチル基が最適で、メチル基よ りも大きな置換基ほど活性が減弱することから、この部分には5-HT3受容体との間に立
体的な制限があることが示唆された。
考察3:ベンズオキサジン環4位の窒素原子の塩基性は、S-HT3受容体への親和性を
増強に重要なことがわかった。
考察4:複素環2位へのメチル基の導入は、S-HTも受容体への親和性を増強すること
がわかった。
考察5:ベンゾフラン環1位およびベンズオキサジン環1位の酸素原子と側鎖アミド の水素原子との間の分子内水素結合は、S-HL受容体への親和性を増強に寄与している
ことがわかった。
考察6:ベンゾフラン環5位およびベンズオキサジン環6位の置換基は、クロロ原子 が最適であることがわかった。
2)アミン部の変換
検証7:アミン部においてはmetoclopramideのアミン側鎖を伸びた構造でロックした、
嵩高ぃアミン(キヌクリジン、ホモトロパン)に高い親和性が認められた。
検証8:キヌクリジン光学活性体の合成によりS体がオイトマーであり、複素環の2 位のメチル基の導入で異性体間の活性比が小さくなることがわかった。
検証9:ホモトロパンヘの変換でS-Hr3受容体桔抗作用が持続的になった。
以上のように、新規5-H1も受容体桔抗薬を意図して、複素環ベンゾキサミド誘導体を
合成し、以下3つの成果を得ることができた。
1)安全性にも問題のない選択的5-HT3受容体桔抗薬塩酸アザセトロンを見出した。
塩酸アザセトロンは、臨床治験においても抗悪性腫癌剤で誘発される悪心、堰吐に対す る強力な制吐作用と安全性が確認され、1994年1月医薬品として承認され、現在抗悪性 腫癌剤投与に伴う消化器症状改善薬として使用されている。
2)さらに次候補品としては、強力で持続的なS-HT3受容体桔抗薬である ed-4,3伽-"orlohc-6
-i h y d l o -N -( 9 -m e t h y l -9 -a z a b i c y c l o [ 3 . 3 . 1 ] n o n -3 -y l ) -2 , 2 , 4 -面2-lyhlem H L 1 , 4
‐
benzoxazine-8-carboxamidelO7を見出し、現在抗不安薬として評価中である。
3)また、アミン部をピロリジンヘ変換することにより、D2,5-HT1Aおよび S-HT2受容体の3つ全てに高い親和性を示す、(R)-Ⅳ-(1-be、可l-2-pyrrolidinylmelhyl)-6‐
methylthio-3,4-dihydIo-2Bl,4-benzoxazine-8-carboxamide(R)-127を見出した。現在、化合
物(R)-127については、抗精神病薬として評価中である。
謝 辞
本研究を行なうに際し、終始御懇篤なるご指導と御鞭漣を賜りました熊本大学薬学部 古川潮教授に深甚なる感謝の意を表します。また、直接有益なる御助言を賜りました 熊本大学薬学部園枝武久教授、ならびに宮田健教授に心より御礼申し上げます。
本研究の機会を与えられた吉富製薬株式会社会社取締役小早川敬博医薬開発本 部長、吉富製薬株式会社会社取締役田原哲冶医薬企画本部長ならびに吉富製薬株 式会社会社取締役岡邦英医薬研究本部長に深謝致します。また、本研究において 直接有益なるご指導と御助言を賜りました吉富製薬株式会社創薬第二研究所川北武志 チームリーダー、さらに有益なる御助言を賜りました吉富製薬株式会社創薬第二研究所 研究推進部中尾達部長、吉富製薬株式会社創薬第二研究所所長有田雅文部長、な らびに吉富製薬株式会社創薬第二研究所横部哲朗部長に心より御礼申し上げます。
X線結晶解析ならびにNMR測定を行なっていただきました吉富製薬株式会社創薬第 二研究所丸林信洋修士に深く感謝いたします。さらに、本研究に御協力を賜りまし た当研究所の諸氏に感謝いたします。
最後に、本学位論文の作成にあたり、常に心の支えとなってくれた妻と子供たちに感 謝いたします。
実 験 の 部
融点は、BUCHI530微量融点測定器により測定した(値は全て未補正)。核磁気共鳴ス ペクトルは日本電子JEOLFX-100(100MHz)、および日本電子JEOLGSX-400(400MHz)
を使用し、ケミカルシフトはtetIamethylsilane(TMS)を内部標準とした6値(PPm)で示し
た。赤外線吸収スペクトルは日本分光IR-l80を使用し、比旋光度は日本分光 JMS-O1SG-2を、マススペクトルは日本電子JEOLDX-300を用いて測定した。
X線回折計には、グラファイトモノクロメータで単色化したCuKα線(入=1.5418A)を 装着した四軸型自動回折計EnmfNoniusCAD4を使用した。回折データは、⑳-2e走査
法('≦e≦60)で収集し、ローレンツおよび偏向因子の補正を行った。構造解析には、
強度が1≧2.33o(1)(o:標準偏差)の条件を満たす独立な回折データを供した。初期 位相の決定は解析用プログラムMUETAN82/11を使って直接法で行い、引き続いて差の
フーリエ合成とブロックマトリクス近似最小二乗法の組み合わせにより構造の精密化を
行った。
シリカゲルカラムクロマトグラフィーには、silicagel60(70-230mesh,Merck社)を用い
た。
以下では、溶媒は次のように略記する。
塩化メチレン→CHzCl2、N,N-ジメチルホルムアミド→DW,酢酸エチル→AcOEt、テ トラヒドロフラン→THF、ノルマルヘキサン→hexane、メタノール→MeOH、エタノー