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第7 章 結論

第5章では,前章の応用技術として仮想通信網を用いて構築したネットワーク上に,ス キャナーと印刷のためのアプリケーションを構築し,リアルタイム通信が実現できること を示した.提案したモデルに基づいて行った実装を示し,実装したシステムの評価を行っ た.機能評価では十分に実用的な速度で印刷が実現できることが示された.定性的評価で は遠隔からの制御機能,監視機能に違いがあることを示した.また,実現可能性の評価と して実験授業を行った結果 からは,ネットワーク負荷,印字品質に大きな問題はなく,円 滑な交流活動を行うことが でき,本システムの実現可能性を示すことができた.

第6章では,通信基盤が未整備な環境でネットワークを利用するため自立的なモバイル ネットワークを構築し,問題解決する手法について提案を行った.具体的には可搬性のあ る小型PCに無線LANのアクセスポイント機能とネットワークサーバ機能を持たせ,自 立した無線 LAN環境を構築し,必要に応じてバックボーンと接続させることで問題解決 を行った.実装したシステムをネットワーク環境のない公立図書館でのパネルディスカッ ションで利用し,利用状況を評価した.測定した結果から,パネラが5名程度のパネルディ スカッションであればまったく問題のない速度で,議論を行うことができることを確認す ることができた.

edutab システムはタブレット端末上で,多くの現代的なブラウザに搭載されて普及の

進ん でいるHTML5 技術を用いている.HTML5canvasの機能を使った描画を始めと するアプリケーションの有効性を示し,Web の技術であるHTTP(Hyper Text Transfer Protocol)を基に拡張されWebSocketを使用し,アプリケーションレベルでVPNのような 仮想通信(edutabネットワーク)を可能にした.仮想通信網としてのedutabネットワー クは, アプリケーションレベルで実装しているので新たな装置やネットワーク設定の変更 は必要ない.さらに WebSocket に対応していないプロキシサーバ等が間にあった場合で あっても XHRXML Http Request)にフォールバックすることにより仮想通信の接続 性を高める工夫を行っている.また,edutabネットワークでは,接続されている機器を操 作するための新たな仮想通信をオーバーレイする形で実装し,プリンタやスキャナのよう な周辺機器も制御できるようになっている.このシームレスに拠点間を接続できるedutab ネットワークを基盤としてedutabシステムは動作している.edutabサーバはクラウドモ デルとしてデータセンタに設置し,複数の拠点からの利用を図ることができる.

これらの技術を用いて可搬性のあるICT 教育サーバとしてedutab boxを構築した.

edutab boxは周辺のネットワーク環境に依存せず, 普通教室内での教育支援システムとし

て利用が可能なことを示した.協調学習を行う際に,edutab boxは必要なアプリケーショ ンやデータを USBメモリから活用することが可能となっている.これにより利用者が作 成したコンテンツを共有することができる.さらにインターネットに接続できる環境があ れば,コンテンツの共有を図ることもできる.

多様な環境に対応可能なICT教育サーバとして,edutab boxは実用性の高い教育支援 システムになっており,教育現場で利用できることを示した.edutab boxは,タブレット 端末の機種やOSを選ばないWebブラウザで動作する可搬型の教育支援システムで,遠隔 教育や会議だけでなく,福祉分野を支援するツールなどへの広い波及効果が期待される.

地域の情報通信基盤を整備することと,ネットワーク応用技術としてのアプリケーショ ンを開発することは連続性を持った研究と考える.地域情報化の定義は広いが,情報通信

第7章 結論

基盤を活用し運用できるようにした本研究の技術が,これからも地域社会に貢献できるこ とと考える.

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