第 6 章 可搬性小型システムを使ったネット ワークシステムの構築手法ワークシステムの構築手法
6.3 実装
前章で示した授業モデルに従って,可搬性のある議論支援システムを構築した.
まず,サーバはRaspberry Pi[53]を用いて構築した.これにUSBアダプタ型無線LAN を接続し,無線LANアクセスポイント機能,インターネット接続機能を持たせた.OSに はRaspbian を用いて,OS上にDHCPサーバおよびDNSサーバを構築した.これによ り,タブレット端末の接続を受け付けることができる.仕様を表6.1にまた実際に構築し たServer(edutab box)を図 6.2に示す.
表6.1: 可搬性のある議論支援システムにおける機器の仕様
機器 仕様
サーバ Raspberry Pi ModelB
CPU ARM 700MHz RAM 512MB
Wi-Fi USB adaptor Buffalo WLI-UC-GNM
OS Raspbian
DHCPサーバ isc-dhcpd 4.2.2
DNSサーバ BIND 9.8.4
次に議論支援機能について説明する.我々はこれまでにHTML5技術を用いて,遠隔授 業を支援する仕組みとしてedutabシステム[48][54]を開発している.edutabシステムは Webサーバ上にJavaScriptを用いて作成したシステムである.ブラウザからWebサーバへ 接続を行った後は,websocketを用いてリアルタイム通信を行う.この通信の中では描画 等に関するメッセージがブラウザからサーバへ送られる.サーバはこのメッセージを必要 に応じて適切なブラウザに送る.メッセージを受け取ったブラウザはメッセージに従って 描画を行う.これによりリアルタイムでの描画を実現している(図6.3).
本論文では,このedutabに議論を支援する仕組みとして,下記の機能を加えてedutab box上に実装した(edutab discussion).これによりタブレット端末上のブラウザからサー
第6 章 可搬性小型システムを使ったネットワークシステムの構築手法
図6.2: サーバ(edutab box)
図6.3: 可搬性のある議論支援システムedutab boxを用いたメッセージ通信
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図6.4: 利用者画面個別表示機能
バにアクセスすることによりedutabシステムで実装した機能に加えて,下記の機能を利用 できる.
(1) 利用者画面個別表示機能 (2) 利用者画面一覧機能 (3) 意見選択機能 下記に詳細を述べる.
(1)利用者画面個別表示機能
利用者はブラウザを起動し,指定されたURLを開くことにより,システムに接続でき る.ここでブラウザ内に表示されるスクリーンはホワイトボード機能となっているので,
指やタッチペンを使って自由に文字や図を描くことができる.ペンの色を変えて文字を書 くこともできる.画面例を図6.4に示す.
(2)利用者画面一覧機能
個別の学習者の画面だけでなく,全員の画面を表示し,比較をしたい場合がある.教師 の画面では,図6.5の画面がデフォルトで表示される.そして,学習者がプロットしている 状態をリアルタイムでモニタリングすることができる.この様子をプロジェクタで表示す ることにより,教室内の全員が書き込む内容を共有することができる.それぞれの学習者 の画面をタッチすると,個別の学習者の画面が表示でき,図6.4で示す画面が表示される.
(3)意見選択機能
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図 6.5: 利用者画面一覧機能
参加者の賛成・反対などの様子を観測したい場合がある.この機能を利用することによ り,全体の意見把握や移り変わりなどの変化を観測することができる.
本システムでは画面の背景色を変化させる機能をつけている.これにより,賛成(青色)
を背景色にして,賛成の理由を書いてもらうことができる.さらに,反対や賛成の数が集 計できるようにした.この様子を図 6.6に示す.