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第 5 章 HTML5 技術を用いた仮想通信網上に 構築した応用システム構築手法構築した応用システム構築手法

5.5 評価

5.5.3 実験授業

実装したシステムを利用して遠隔印刷機能を実環境で利用した.山梨県北杜市のA小学 校と岩手県山田町のB小学校の間では一昨年度から交流活動を行っている.2012年度は Polycom社のTV会議システムとedutabシステムを利用した交流を行った.2012年度の

edutabシステムでは,遠隔印刷機能は実装されていなかったため,PCとiPadを使ってク

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イズのやりとりなどに利用していた.2013年度はこれに加えて遠隔印刷機能を実装するこ とができた.

そこで,両小学校の児童会長が今年度の交流活動を行うことを確認した確認書の交換に 本システムを用いた.具体的には,A校の児童会長が確認書にサインをし,それをA校の スキャナに挿入する.それをA校にいる教師がCore Serverと接続しているブラウザから 操作を行い,Core Server内に読み取り結果をPDFで格納する.次に,格納したPDFを B校のプリンタに遠隔印刷する.B校では印刷された確認書にB校の児童会長がサインを し,B校のスキャナに挿入する.A校にいる教師は挿入されたことをTV会議システムで 口頭確認し,A校からスキャナを操作し確認書をスキャンしてファイルをCore Serverへ 格納する.そして,Core Server内のファイルをA校のプリンタへ印字する.尚,本実験 授業では操作の省力化のために教師の操作1回でスキャンをし,対向の学校で印刷するこ とができるように実装した.確認書はA4,カラー,300dpiで行った.

この確認書の交換実験で,ネットワーク負荷および印字品質の評価を行った.

実験結果

2013719日に行った実験授業で用いた環境を図5.9に,また機器の仕様を表5.6 示す.A校,B校ともNTT東日本フレッツ回線のフレッツ光ネクストファミリー・ハイ スピードタイプを使って接続した.回線速度はベストエフォート上り最大100Mbps,下り 最大200Mbpsである.RouterRARB)はインターネットへの接続とNATを行うよう に設定した.各校のネットワークにはTV会議システム(TV Conference TVC ATVC B)とEdge Server(ES A,ES B)を配置した.Router(RA,RB)とTV会議システムは 10Mbps,RouterとEdge Serverは100Mbpsで接続した.A校には操作を行うTeacher s PCTPC)を配置した.Core ServerCS)は山梨県甲府市にあるData Centerに配置 した.

表5.6: 実験授業における機器の仕様

機器 仕様

Core Server (CS) Linux CentOS Core2Duo 3.4GHz Edge Server (ES A, ES B) Mac mini Corei7 2.3GHz 4GB Memory

Printer HP Photo Smart C310C

Scanner PFU Scan Snap S1500M

Router (R A, R B) Yamaha RT1000

TV Conference (TVC A, TVC B) Polycom ViewStation

実験授業は1015分から1035分まで行われた.実験授業開始前のテスト接続時か ら実験授業終了までのA校,B校のインターネットへ接続しているRouterにおけるネッ トワークトラフィックをそれぞれ図 5.10及び図 5.11に示す.またCore Server(CS)の ネットワークトラフィックを図 5.12に示す.ネットワークトラフィックは実験時に5分ご とに取得し測定したが,その後のデータ回収が遅くなり収集アプリケーションによる平滑 化が行われたためグラフは平滑化後の24分平均の値である.

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図5.9: システム環境

図5.10: A校のネットワークトラフィック

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図 5.11: B校のネットワークトラフィック

図 5.12: コアサーバのネットワークトラフィック

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図 5.13: 実験時のダイヤグラム

実験授業において各システムの動作ダイヤグラムを図5.13に示す.TV会議システムは 動作確認のために925分ごろより接続を開始した.その後,各Edge Serverと操作を行 う教師端末をCore Serverへ接続した.接続後は25秒毎のポーリングによりセッションが 維持され,実験授業終了まで維持され続けた.確認書の交換は交流開始前のテストで1回,

本番に1回行った.交換後にファイルのバックアップをEdge Server B(ES B)からEdge Server AES A)に対して行った.

また,実験授業で確認書の交換を行っている様子を図5.14に示す.

実験授業の考察

A校(図5.10),B校(図5.11)のネットワークトラフィックは,9:00から11:24までの活動 の様子を示している.9:24から11:00までの間において500Kbps程度のトラフィックが流 れているが,これはTV会議システムが消費するトラフィックである.実際にTV会議シス テムのトラフィックを測定するためにローカル環境で実験を行った.Polycom ViewStation を同一LAN上に2台配置し接続を行い,交流活動時に撮影した確認書交換部分の動画を繰 り返し流して一方のPolycom ViewStationのネットワークインターフェイスのトラフィッ クを1分ごとに測定した.測定したTV会議システムのネットワークトラフィックを図 5.15に示す.受信トラフィック(Inbound)は30分平均で546.87Kbpsであった.送信ト ラフィック(Outbound)は30分平均で560.10Kbpsであった.このことから交流活動時

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図5.14: 確認書の交換

に流れていた500Kbps程度のトラフィックがTV会議システムのトラフィックであると言 える.

交流開始前の確認書交換テストは9:48から10:12までの間に行い,本番は10:12から10:36 までの間に行われた.確認書の交換ではA校でスキャンしB校で印刷,サインした確認書 をB校でスキャンしA校で印刷するので1回の交換あたりCore Serverで2回ファイルの 転送が行われる.Core Serverのトラフィック(図5.12)において全体を通して2Kbps程度 のトラフィックが流れているがこれはDevice Managerの制御やTeacher s PCHTTP Clientからのポーリングのトラフィックである.Core Serverが受信したデータ(Inbound) はファイル2回の転送で約14Kbpsあった.送信(Outbound)が受信の2倍の約28Kbps なのは,別の端末で転送されたデータをモニタリングしていたためである.

10:12から10:36においてB校からA校へ確認書の交換後に40Mbyte程度のバックアッ プファイルを転送していたためA校のInbound(図 5.10)とB校のOutbound(図 5.11) が大きく上昇している.

実験時間中にTV会議システムを使いながら確認書の交換をし,バックグラウンドでは バックアップが行われていたが交流活動は問題なく行うことができた.このことから今回 使用したフレッツ回線と同等の回線であればTV会議システムを使いながら本システムを 使用することが十分出来ると言える.

今回の確認書はA4,カラー,300dpiで行った.確認書は文字と背景にイラストが入っ ているだけであるため,この解像度でまったく問題なく活字や手書き文字の識別が行えた.

一方で,写真などを教材とする場合には,より精細な解像度も要求されるかもしれず,こ れらについてはより詳細な評価が必要である.

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図5.15: TV会議システムのネットワークトラフィック

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