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結 論

ドキュメント内 叩 : 撫 卿<“ (ページ 62-66)

本研究では、CdCl2の長期投与による腎・肝障害及びCd-MTによる急性腎障害に対 するBGDの防護及び治療効果を検討した。また、Cdによる精巣障害に対するDDrrC,

BGD及びPBGDの防護効果を比較検討し、さらに、Cdの精巣障害に対するDDrCと DSFの防護効果を比較検討するとともにDSFを経口投与したときの防護効果について

も検討した。以下に本研究において得られた主な知見を総括する。

1.CdCl2の長期投与による腎・肝障害に対するBGDの治療効果

1)Cdを長期間皮下投与すると尿中の蛋白質量及びAST活性は著しく増加したが、

BGD投与によりこれらの増加は減少し、BGDの有効性が認められた。

2)腎皮質によるパラアミノ馬尿酸取り込みは、Cdの長期投与によりコントロール の約50%まで減少したが、BGD投与により60%まで回復した。

3)Cd投与により近位尿細管上皮細胞の浮腫性膨化並びに変性と崩壊が見られたが、

BGD投与では組織障害はほとんど観察されなかった。

4)Cdの長期投与により血中AST活性はコントロール値の約4倍に増加したが、

BGD投与により著しく減少し、肝障害に対して治療効果が認められた。

5)Cd投与後Cdは主として肝臓と腎臓に蓄積したが、BGD投与により減少した。

また、腎細胞の細胞質画分のCdは主にMTに結合しており、BGDはMTに結合した Cd量を減少させることが明らかとなった。

6)Cdの長期投与により肝臓のZn,Fe濃度、腎臓のZn濃度が増加した。BGDは

肝臓,腎臓,脳のFe,Zn,Cu,Mn濃度に影響しなかった。

2.Cd-MT投与による腎障害に対するBGDの防護効果

1)Cd-MT投与(腹腔内)により尿中の蛋白質量,AST活性及び尿量は早期に著しく

増加し、糖量及びアミノ酸量は遅れて増加した。これらの増加はCd-MT投与6時間後

にBGD投与を開始すると抑制されたが、BGDの投与開始が12時間,24時間と遅くな る程BGDの防護効果は小さかった。

2)Cd-MT投与後尿量及び腎重量は増加し、体重増加は抑制された。これらの変化 はCd-MT投与6時間後のBGD投与により有意に抑制されたが、BGD投与開始時間が

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12時間又は24時間の場合は抑制効果は小さかった。

3)組織病理学的検討により、Cd-MT投与後近位尿細管上皮細胞の変性脱落による 崩壊像が多く見られたが、Cd-MT投与6時間後にBGDを投与すると変化はほとんど 見られなかった。しかし、BGDの投与開始が12時間又は24時間と遅くなる程変性細胞 が多く見られた。

4)Cd-MT投与後の腎臓中Cd濃度は肝臓より約5.5倍高かったが、BGD投与によ り腎臓中Cd濃度は約50%に減少し、肝臓中Cd濃度も著明に減少した。

3.Cdによる精巣障害に対するDDTC,BGD及びPBGDの防護効果

l)Cd(3mg/kg)皮下投与により精巣の脂質過酸化,ヘモグロビン濃度,Ca及びFe 濃度の増加並びに非蛋白質‘性SH濃度と精巣重量の減少が見られた。

2)精巣の脂質過酸化とCa及びFe濃度の増加並びに精巣重量及び非蛋白質性SH濃 度の減少に対しBGD及びPBGDは抑制効果を示さなかったが、DDrTC,DDTC+BGD

及びDDI、C+PBGDは抑制効果を示した。精巣中ヘモグロビン濃度の増加はPBGD及 びDDTCにより抑制されたが、BGDでは抑制されなかった。

3)精巣,肝臓及び心臓のCd濃度は、DDI℃,DDrrC+BGD又はDDr1℃+PBGDに

より有意に減少したが、BGD又はPBGDでは有意に減少しなかった。DDI℃は腎臓及 び脳中へのCdの再分布を起こしたが、BGD又はPBGDの併用により抑制された。

4)Cd投与後の血中Cd濃度はDDI℃,D、1℃+BGD又はDDI℃+PBGDにより著

しく増加し、血液中Cdの大部分は赤血球に分布した。BGD及びPBGDでは血中Cd 濃度はほとんど変化なく、Cdの大部分は血蕊中に分布した。

5)ラットの生殖能力はCd投与により完全に消失し、この生殖障害はDDTC,

DDrrC+BGD又はDDrl,C+PBGDによりほぼ完全に抑制されたが、BGD又はPBGDで は抑制されなかった。

4°Cdによる精巣障害に対するDDrTC及びDSFの防護効果 1)DDTC及びDSF腹腔内投与時の効果

(1)Cd皮下投与30分後にDDTC又はDSFを投与したとき、7日後における精巣の 脂質過酸化の増加及び精巣重量の減少は、DDTC(0.2-1,mol/kg),DSF

(0.1-0.5,mol/kg)の投与により完全に抑制された。Cd投与59日後には、生殖能力の

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あるラットではDDrTC及びDSFともすべての投与量で脂質過酸化の増加及び精巣重量 の減少を抑制したが、生殖能力のないラットでは精巣重量は著しく減少した。

(2)Cd投与7日後における精巣中Cd及びCa濃度の増加は、DDrrC(0.2-1

,mol/kg)又はDSF(0.1-0.5,mol/kg)投与により減少した。Cd投与59日後のCd濃

度は、生殖能力の有無にかかわらずDDTC又はDSFにより減少したが、Ca濃度の増 加は生殖能力のあるラットでのみ抑制された。Cd投与7日後において心臓中のCd濃 度はDDrl,C及びDSFのすべての投与量で減少し、肝臓中のCd濃度はDDrC(0.5,1

,mol/kg)又はDSF(0.1-0.5,mol/kg)投与により減少したが、腎臓及び脳中のCd濃

度はDDI℃及びDSF投与により増加した。また、精巣中Fe濃度の増加は、DDI℃

(0.5,1,mol/kg)又はDSF(0.5,mol/kg)においてのみ抑制された。

(3)Cdによる生殖障害はDDrrC(1,mol/kg)及びDSF(0.5,mol/kg)投与により 完全に抑制された。

2)DSF経口投与時の効果

(1)Cd投与後の初期における精巣障害を組織病理学的に検討した結果、Cd投与3 時間後では精細管には変化は認められなかったが、Cd投与6時間後では間質の毛細血 管拡張と浮腫が見られ、精細管内において細胞間隙の拡がりが見られた。Cd投与24時 間後では、間質における広範な細胞間基質と線維細胞が見られ、精細管では生殖細胞の 脱落、核濃縮や核崩壊が見られ、不可逆的な細胞の壊死が認められた。

(2)Cd投与後種々の時間間隔でDSFを経口投与したとき、Cd投与7日後における 精巣の脂質過酸化の増加は、DSF(0.5,mol/kg)30分及び1時間後,DSF(1,mol/kg)

3時間後及びDSF(2,mol/kg)3時間後の経口投与により抑制された。また、精巣重 量の著しい減少は、DSF(0.5,mol/kg)30分後,DSF(1,mol/kg)3時間後及びDSF

(2,mol/kg)3時間後の経口投与により抑制されたが、Cd投与59日後では、生殖能力 のあるラットのみに抑制効果が見られた。

(3)Cd投与7日後の精巣中Cd及びCa濃度の増加は、DSF(0.5,mol/kg)30分及

び1時間後,DSF(1,mol/kg)3時間後及びDSF(2,mol/kg)3時間後の経口投与に

より減少した。Cd投与59日後では、生殖能力のあるラットにおいてCd濃度は減少し

た。また、Cd投与7日後の精巣中Fe濃度の増加は、DSF(0.5,mol/kg)30分後の経

口投与においてのみ抑制効果が見られた。

(4)Cdによる生殖能力の消失は、DSF(lmmol/kg)30分及び3時間後とDSF(2

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mmol/kg)30分及び3時間後の経口投与により完全に抑制された。

以上の結果より、BGDはCdCl2長期投与又はCd-MT投与後体内に蓄積したCdを

速やかに排池し、Cdによる腎障害及び肝障害に対して優れた治療又は防護効果を有す ることが認められた。また、DDrrCとBGD又はDDrrCとPBGDの併用は、Cdの組織

再分布を起こすことなくCdによる精巣障害に対して優れた防護効果を示すことが分かっ た。さらに、DSFはDDrrCの1/2量の腹腔内投与でCdの精巣障害に対してほぼ同等

の防護効果を有すること、またCdによる生殖障害はCd投与後3時間以内にDSF 1,mol/kg以上を経口投与することにより防護されることが明らかになった。

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実験の部

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