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ドキュメント内 叩 : 撫 卿<“ (ページ 43-47)

第 3 項 カ ド ミ ウ ム の 血 液 中 分 布 に 対 す る 各 種 キ レ ー ト 剤 の 影 響

Cd投与による精巣障害に対するキレート剤の防護効果を検討するために、Cdとこれ らのキレート剤投与後の血液中のCd濃度と赤血球及び血紫中のCd分布割合を測定し た(Tablel2)。Cd投与後のCdの血中濃度はBGD又はPBGD投与ではほとんど変わ

らなかったが、DDTC,DDr1℃+BGD及びDDr1℃+PBGD投与では著しく増加した。血

液中Cdの赤血球と血紫中における分布率を比較すると、Cd単独投与では赤血球に約 600o,血紫中に約40%分布したが、DDrC,DDrC+BGD及びDDrrC+PBGD投与では

血液中Cdの大部分は赤血球に分布し、一方、BGD及びPBGD単独投与では、血液中 Cdの大部分は血築中に分布した。

Table12.EffectsofCheIatingAgentsonDistributionofCdinBloodofRats

afterCdAdministration

Treatment

Cd

Cd+BGD Cd+PBGD Cd+DDTC

Cd+DDTC+BGD Cd+DDTC+PBGD

BIoodconcn.

(

Control Cd

Cd+BGD Cd+PBGD Cd+DDTC

Cd+DDTC+BGD Cd+DDTC+PBGD に抑制された。

かつた。

TabIel3.

Effects◎fChelatingAgents◎nFerMIityofRatsafterCd

Administmti◎、

″″″″″″″ 7000677

Doseof

c h e I a t i n g agent ( mmoI)gk/

F e r t i l i t y r a t e

Treatment

方、BGD及びPBGD投与は生殖障害に対して全く抑制効果を示さな

本研究では、Cd投与後のラット精巣において脂質過酸化,ヘモグロビン濃度,Ca及び Fe濃度の著しい増加、非蛋白質性SH濃度の減少、精巣重量の減少、生殖能の消失など が見られたことから、Cdによる重篤な精巣障害が認められた。Cd投与による精巣の 脂質過酸化の増加は《Cdによる比較的初期に生じる障害発症過程での現象であり、精

巣内で生じる活性酸素が関与していると考えられている81,82)。Cd投与後の脂質過酸化

が肝臓や腎臓では増加せず精巣で増加したのは、活性酸素のスカベンジャーと考えられ るスーパーオキシドジスムターゼ,カタラーゼ,グルタチオンペルオキシターゼ,グルタ チオンレダクターゼ等の酵素活性が精巣では肝臓や腎臓よりも低いこと83)、また、Cd 投与後精巣中のスーパーオキシドジスムターゼ及びグルタチオンペルオキシターゼ活性 は減少するが、肝臓及び腎臓では変化しないこと”などによるものと考えられる。

WongとKlaassenは、Cdにより精巣の末梢血管が特異的に障害を受けて出血性の炎症

と壊死を起こすことを報告している85)。また、Setchell86)や佐二木ら87)は、Cd投与後か

なり早期に精巣の血管透過性が冗進していることを報告しており、本研究においてもデー

1.0 1.0 1.0 1.0+1.0 1.0+1.0

第 3 節 考 察 M

a l e r a t s w e r e i n j e c t e d i n t r a p e r i t o n e a l I y w i t h c h e l a t i n g a g e n t s (

1.0,mol)3/kg0terminaf subcutaneousinjectionofCdCI2(3mgC〔"kg).TheratwasmatedwithavirginfemaIerat fOr8days,starting52daysafterCdThefertiIityratewasexpressedasthenumberof femalesimpregnatedve『susthenumberofmalestested.

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夕には示していないが、Cd投与12時間後に精巣に出血性炎症が認められ、Cd投与後 比較的早期にFe濃度の増加が見られた。本研究において、Cd投与により精巣中のヘ モグロビン濃度やFe濃度が増加するのは、精巣の出血性炎症によるものと考えられる。

これらの結果は、出血と脂質過酸化との関連を示唆している。本研究における精巣の Ca濃度の著しい増加は、細胞膜の脂質過酸化の増加によって細胞損傷が起こり、細胞 外液中のCaが流入することによると考えられるが、その詳細な機構は明らかでない。

本実験では、Cd投与後精巣に出血性炎症が見られ、精巣の壊死と萎縮などの障害が起 こり、生殖能が減少することが明らかとなった。

Cd投与による精巣障害に対してBGD及びPBGDは抑制効果を示さなかった。

DDrCは、Cdによる精巣障害時に見られる脂質過酸化,ヘモグロビン濃度,Ca及びFe 濃度の増加や生殖能の消失などに対して抑制効果を示したが、腎臓及び脳へのCdの再 分布を起こした。しかし、DUrCとBGD又はPBGDの併用投与は、Cdの再分布を起 こすことなく精巣障害を抑制した。また、BGD及びPBGD単独投与では血液中Cdの 大部分は血蕊中に分布したが、DDrTC+BGD又はDDI,C+PBGD併用投与では血液中

Cdの大部分は赤血球に分布し、Cdの血中濃度も著しく増加した。これは、DDrCが

脂溶性の大きいCd-DDTCキレート化合物89)を形成して赤血球内に取り込まれ、精巣細

胞へのCd分布が阻害されるためと思われる。また、極性のグルカミン基を有する BGD及びPBGDは血液脳関門を介して脳へCdを透過しないものと考えられる。

これらの結果から、BGD又はPBGDはDDrTCと併用することにより、Cdの脳など への再分布を起こすことなくCdによる精巣障害に対し防護効果を有することが明らか

となり、Cdの精巣障害に対するDDTCの防護効果を改善することが分かった。

第 4 節 要 約

本章では、Cdによる精巣障害を脂質過酸化,必須金属濃度,精巣重量,生殖能などを 指標として調べ、その精巣障害に対するBGD,PBGD及びDDrCの防護効果を比較検

討した。それらの結果を以下に要約する。

1)Cd(3mg/kg)の皮下投与により、精巣の脂質過酸化の増加と精巣重量の減少 が見られた。また、Cd投与により精巣中のヘモグロビン濃度,Ca及びFe濃度の増加 及び非蛋白質性SH濃度の著しい減少が見られた。

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2)精巣の脂質過酸化とCa及びFe濃度の増加,精巣重量及び非蛋白質性SH濃度の 減少に対し、BGD及びPBGDは抑制効果を示さなかったが、DDI℃,DDr1℃+BGD及

びDDI、C+PBGDは抑制効果を示した。精巣中のヘモグロビン濃度の増加は、PBGD 及びDDTCにより抑制されたが、BGDでは抑制されなかった。

3)精巣,肝臓及び心臓のCd濃度は、DDI,C,DDTC+BGD又はDDrTC+PBGDに

より有意に減少したが、BGD又はPBGDでは有意に減少しなかった。DDTC投与では腎 臓及び脳中へのCdの再分布が見られたが、DDI、C+BGD又はDDTC+PBGD投与で

はCdの再分布は抑制された。

4)Cd投与後のCdの血中濃度は、BGD又はPBGD投与ではほとんど変化しなかっ たが、DDI℃,DDr1℃+BGD,DDI℃+PBGD投与では著しく増加した。Cd投与後Cd

は赤血球に約60%,血薬中に約40o6分布したが、DDTC,DDI℃+BGD及びDDI℃

+PBGD投与では血液中Cdの大部分は赤血球に分布し、BGD及びPBGD投与では血 液中Cdの大部分は血紫中に分布した。

5)ラットの生殖能力はCd投与により完全に消失した。Cdによる生殖障害は、

DDrrC,DDrC+BGD又はDDrrC+PBGDによりほぼ完全に抑制されたが、BGD又は PBGDでは抑制されなかった。

以上の結果より、Cdの精巣障害に対してBGD及びPBGDは抑制効果を示さなかっ たが、DDr1℃,DDr1℃+BGD及びDm、C+PBGDは防護効果を有することが認められた。

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