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結 論

ドキュメント内 九州大学学術情報リポジトリ (ページ 117-127)

本研究では、 ITERと同程度の炉パラメータ(大半径R=6.0mぅ小半径α=2.1m

惰同度κ=2.0,温度 T=10keV)を持つ自己点火の D‑Tプラズ、マを想定し、半径変 動を考慮した上で垂直磁場制御による熱的不安定性の抑制が可能であるかについて、

幾つかのモデルを用いて解析した。とれらの結果を比較検討するととで、垂直磁場制 御による熱的不安定性の抑制の可能性を調べた。エネノレギー閉じ込め時間の比例則に は、 Lモードの ITER89パワー則 (ITER89P則)及び ITER89オフセットリニア則 (ITER890L則)を用いた。線形安定解析と動特性シミュレーション法により解析を行 なった。以下に本研究で得られた結果を要約する。

(1)  垂直磁場を基本変数とした l点近似のプラズ、マモデノレによれば、 ITER89PJTE の比例則に対し、垂直磁場滅衰係数 mが1.2‑‑1.3程度以上であれば、プラズ、マは制 御を施さなくても熱的に安定となる。しかし、大電流化の要請から、楕同度が2程 度 の縦長断面プラズ、マが計画されており、との場合のm値は負となる。例えばん=1.0 の時 Zakharovの式にしたがえば m = ‑2.3となる。との場合、プラズ、マが受動的に 安定となるためには ITER89P則,ITER890L則に対して、各々 14keV21keV程 度 以上の定常プラズマ温度が必要で、ある。よって、制御が必要である。

(2)  (1)のモデノレによれ 0.05T /s程度の垂直磁場の変化率があれば良好走制御 性が得られるととが示された。との程度の磁場変化の操作は、十分可能である。制御 時の過渡応答における半径変動量は、磁場変化率にあまり依存せずほ I~一定であると

とが示された。また、 ITER89Pの比例則の場合、ムT/Toの大きさの温度摂動を安定 化するのに少なくともムR/Ro‑‑O.4ムT/To程度のプラズ、マの半径変動が必要である。

とれは INTOR‑Alcator則に対して従来得られている結果(ム

R /

Ro‑‑0.23ム

T /

九)に 較べてかなり大きい。

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(3)  プラズマ,導電シェノレ,ポロイダル制御コイルからなる系の磁気的相互作用 を考慮した、より実際的なモデノレによれば、磁気的相互作用を無視した (1)のモデルの 場合に較べ、プラズマは熱的により不安定に在るととがわかった。とれは、磁気的相 互作用を考慮にいれると実効的なリングの蝉性が低下し、半径変動の安定化効果が弱 められるためである。しかし、との場合でもコイノレ印加電圧の制御によって、数 10V 程度の印加電圧によりプラズ、マの熱的不安定性は抑制されるととが示された。制御時 の半径変動量は、 (1)の解析モデノレの場合に較べて概して小さかった。シェノレ抵抗値 Rsが小さく在ると変動磁場の遮蔽効果が強くなる結果、制御性が劣化しパラメータ

振動が起とれ半径変動量も大きくなる。しかし、 Rsが30μQ程度以上あれば、良 好走制御が可能であるととがわかった。 (1)‑‑‑(3)の結果は、プラズ、マ密度,温度の空 間分布を一様と仮定して得られたものである。

(4)  密度,温度の小半径方向の空間分布を考慮した 1点近似のプラズ、マモデルを 用いた場合、プラズマの熱的不安定性は一様分布の場合 K較べてか走り弱まる。との 傾向は分布が急峻となるほど強まる。しかし、制御を施さねばプラズマは依然として熱 的に不安定である。動特性解析によれば、制御時の安定化に必要在半径変動量ムR/Ro は、一様分布の場合と比較して、約10%小さい値ですむととがわかった。

(5)  (4)の解析モデルを用いて、半径変動量の減少を期待して α粒子のリップ ル損失を考慮した解析を行なった。仮に α粒子のりップノレ損失率が 10‑‑‑20%とある 程度大きい場合、半径変動量はリップル損失がない場合に較べ20%‑‑‑30%ほど小さく なる。しかし、比円型度の大きいITERで採用されるよう在プラズマの場合、実際の

リッフ・ノレ損失率はたかだか2‑‑‑3%であるとされており、リップノレ損失の効果による半 径変動の減少はあまり期待できないと考えられる。

(6)  体積変動の効果を考慮できる l次元輸送モデノレを用いて解析を行なった。系

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の熱的な安定性は(4)の密度,温度の空間分布を考慮した 1点近似モデノレに基く線形 安定解析の結果とほぼ一致した。しかし、動特性で比較した場合、 1次元輸送モデノレ によるプラズ、マパラメータの応答は、 1点近似モデノレの応答に較べかなり速いととが わかった。また、 1点近似モデルの場合、パラメータの按舞いは採用される制御ゲイ

ンにかなり依存するのに対し、 1次元輸送モデノレの場合との差異は小さく、低ゲイン でも良好走制御性が得られた。ただし、最大半径変動の観点、からは、両モデル問に顕 著な差はみられなかった。

以上、 ITER級の自己点火のプラズ、マを想定し、半径変動を考慮した上での垂直 磁場制御による熱的不安定性の抑制の可能性を幾つかの解析モデノレを用いて調べた。

プラズマ密度,温度の空間分布,及びプラズ、マと導体構造物との磁気的相互作用を考 慮し念い最も簡単なモデルから得られた結果も、それらを考慮したより実際的なモデ ノレの結果と比較して、最大半径変動の観点からは、それほど大きな差異は与えをいと いえる。また、計算モデノレの違いによれ結果に若干の差異はあるが、次のととがい える。すなわち、とのクラスのプラズマは熱的に不安定であるものの、その熱的不安 定性は垂直磁場の制御により抑制するととが可能である。との際、ムTjToの大きさ の温度摂動を安定化するのに、少なくともムRjRo‑‑O.3ムTjTo程度の半径変動を必 然的に伴う。例えばムTjTo=+5%の場合、半径変動はムR= 9 C111 K達する。 ITER の装置において?との大きさの半径変動は許容でき在いであろう。仮に、との大きさ の半径変動が起きたら、プラズ、マ閉じ込めにか走りの悪影響を与えると考えられる。

第 1牽でも述べたように、垂直磁場制御は、必要な正味パワーが比較的小さい,応 答が速い,プラズ、マの閉じ込めの性質は変らない,既存の水平位置制御技術をそのま ま利用できる,等の長所を持っている。しかし、実際にとれを ITER則のプラズ、マに 適用するに際しては、 INTOR‑Alcator則の場合と同様に、その閉じ込め装置におけ る許容される空間との整合性が最も大きな問題となると考えられる。よって、垂直磁 場は他の燃焼制御法を補完する意味で捉らえるべきであろう。すなわち、水平方向の

ある程度の有限な位置変動(例えば:t3cm)は許されるであろうから、との範囲で垂 直磁場制御を最大限に利用するととにより、他の制御法に対する工学的制約条件を軽 減する方向で利用されるべきといえよう。例えば、実際のITERプラズ、マは電流駆動 等の観点から、あるレベルのパワーが入射されているので自己点火ではなく有限の

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値を持っている。との入射パワーを燃焼制御に利用するに際し、垂直磁場制御の併用 によりパワー制御系への制約条件を緩和しようとする概念は検討に値しよう。

また、本研究では考慮していないが、磁場の Yップノレを能動的に変動させるとと で半径変動量を減らす手法も検討の価値がある。とのような解析を行なうためには、

小断面内の非同型度,及びダイパータやヌノレ点の存在を矛盾なく考慮できる 2次元モ デノレを用いた解析が必要であろう。将来的には、そのようなコードの開発も望まれる。

議 込 ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ‑ ー ー ー ー ー ー ‑ ー ー ー ‑ ー ー ー ー ー ー ー ー で

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謝 辞

本研究の遂行に際し、終始多大在る御指導,御鞭擦を賜りました九州大学工学部 工藤和彦教授に深厚なる謝意を表します。

あわせて、本論文をまとめるにあたり御指導,御教示を裁きました九州大学工学 部西川正史教授,九州大学工学部渡辺征夫教授に謝意を表します。

本研究を通じ、たゆまぬ御討論,御助言,御激励を裁きました九州大学工学部の 中尾安幸助教授に感謝の意を表します。

本研究を進めるにあたり協力を裁いた新留聡君,東島智君,甲斐公一郎君を始 め原子炉工学講座の学生諸氏,及び職員の方々に心から感謝いたします。

最後になりましたが、九州大学名誉教授(現九州帝京短期大学教授・学長)の大 田正男先生には九州大学御在任中から貴重な御指導,御助言を裁き心から感謝の意を 表します。

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