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磁気的相互作用を考慮した解析

ドキュメント内 九州大学学術情報リポジトリ (ページ 64-73)

前章では、垂直磁場を基本変数としたl点近似のプラズ、マモデルを用いて解析を行 在った。との垂直磁場はポロイダルコイノレ中を流れる電流により生成されるので、実 際には垂直磁場制御はコイノレ印加電圧を調整するととで行なわれる。プラズ マと制御 コイルの問には導電シェル等の導体構造物が存在し、とれは制御コイノレの変動磁場を 遮蔽する効果を有する。また、プラズ、マの位置変動に伴い導体上に誘起される電流が プラズマ中に垂直磁場を生成し、半径方向の圧力バランスに影響を及ぼす。より実際 的在プラズ、マの接舞いを調べるには、とれらの磁気的相互作用を考慮する必要がある。

本章では、プラズ、マ,導電シェル, ポロイダノレ制御コイノレからなる系の磁気的相 互作用を考慮した、より実際的在モデノレを設定して、垂直磁場制御による核燃焼の安 定化を検討する。制御に必要なコイノレ電圧や導電シェルの抵抗値が制御性に及ぼす影 響について言及し、さらに第3牽の垂直磁場を基本変数としたモデノレに基く結果と比 較する。表3‑2のパラメータを持つプラズマを主に対象に解析を行なう。

4.1  解析モデルと諸仮定

3.1節の諸仮定は本章でも用いる。それ以外の磁気的相互作用の考慮に関連した仮 定等を以下に挙げる。

回路方程式を考える際、プラズ、マリングの抵抗値は無視できるとする。プラズ、マの半 径変動により導電、ンェノレ上にき秀起される渦電流は、その線電流密度を isiso 

1:sCOSω  とフーリエ級数の 1次の項まで考慮する [33]。ただし、 ωは水平方向からのポロイダ ル角てeある[参: 図l‑l(h)]。、ンエノレの回路方程式を考える際、シェノレ上のーπ/2ω

π/2を流れる電流の積分値を、各々 1so1s1として用いる(す在わち、 1so

Ts1sO 

, 1s1 2Tsis1、ととで Tsはシェルの小半径)。制御コイノレは超伝導コイノレとし、プラ ズ、マ中心から Tcの距離

r c

2 Nv個が直列につながっているとする。体 系 の 概 略 を 図 41に示しておく。

4 . 2  

基礎式

基礎式は、パワーバランスの式,圧力バランスの式, プラズ、マ・導電シェノレの渦 電 流 の 0次モード・渦電流の1次モード・制御コイノレのそれぞれに対する回路方程式,

及び制御コイノレの印加電圧の式の 7個から在る。とのうち、パワーバランスの式,圧 力 バ ラ ン ス の 式 は(3.6),(2.1)式が各々用いられる。ただし、 (2.1)式中の Bextの項

には、シェル上の 1次モード渦電流に起因する垂直磁場が加わり

九 州 二 仲 川 ) J え ( r

m

+ 川 )

(t)

=山),

αν=

坐 ! と

l(t)= u:s11s1(t),O's1

二 去

(4.1 ) 

(4.2) 

( 4.3)  となる [3610ととで、んは制御コイル中の電流値である。ただし、シェノレの 0次モー

ド渦電流はシェノレ内に磁界をつくら左いとしている [36]0

プラズマリンク: シェノレの 0次モード渦電流, 1次モード渦電流,制御コイノレに対 する回路方程式は各々

4(LpI

山 ヱ

4(MpiIi)=

‑‑ t:手下一

( 4.4) 

n u   一 一

U

r i  

r i  

n u 

d一d

z w  

n u

 

r i  

d

一 白

n u 

r

lu

  ( 4.5) 

LslflIs1+

;fl(MSufi)+RsIsl=0 dt

1dt

Luflfu+

;JL(MutIt)=U

← ‑ '  

dt 

t+=v 

( 4.6) 

(4.7) 

となる。添え字の i= p

, 

sOs1

りは、各々プラズ、マ, シェノレ電流の O次モード, 1次 モード,制御コイノレの要素を示す。 1iは要素 a t"の代表電流値,Rsはシェノレの抵 抗 値,

u

は制御コイノレへの印加電圧である。

Liは要素 t"の自己インダクタンスであり、プラズ、マに対しては

Lp 

=

μ

1

子 + 2 ‑ 2 )

4.8) 

と在る。その他の要素に対してはそれぞれ

ω =

( l n ~子一 2)

4.9) 

ん = 州 千 三

L

iU

iA

s

︑ ︑

Lv=LNv (4.11) 

とする [33,36]。ととで、 んはシェルの大半径である。

また 1I1ij (しj= p

sOsl

v

, 

iヂj)は、要素 i"と j"問の相互インダ クタンスを示し

(̲  8R  ̲ ¥  Mpso 

=

μoR( ln

て一

2)

Mml=‑L2

全 主

7r  rs 

(4.12) 

(4.13)  2ムR

Mvv = ‑LNv::"'"一一

・ 7 rrc  (4.14) 

rl

u 

一 一 (4.15 ) 

とする [33,36]。ただし、 ムR R‑

R o

である。また、本解析では、シェルの O次 モード渦電流と制御コイノレの問,及びO次モード渦電流と 1次モード渦電流の問の磁 気的結合は弱いとし、それらの相互インダクタンスは Oとする。

最後に、制御コイノレの印加電圧の式は、 (3.11)式と同様に

U(t) = Uo 

U(t) =  U(t)  U  U . ̲   U+ ̲‑= 一 一 二 .p

π

TU 

(4.16) 

とする。ととで、 uは制御系の特徴的な時定数,U.は制御ゲイン(単位は

v

)で ある。 pは観測量の定常値からのずれを表わす量であり (3.12)を用いる。

次に基礎式の変形を行なうo ノぐワーバランスの式は、 (3.13)式となる。圧力バラ ンスの式は (2.1),(4.1)式より

ド x 去 ( f x 訪= 去 ( ) m ‑ 3 [ 5 0 + ; l n b d ( 去 r

1(

ち r

2]

一 [ 1 + 会 + 長 ( : o f l

((0 

ß~)

4.17) 

となる。

プラズマは半径変動を起とすから、回路方程式中のプラズ、マに関連した自己,相 互インダクタンスは時間依存量である。とれに注意して、プラズ、マ,導電シェルの渦 電流の 0次モード,渦電流の 1次モード,制御コイノレのそれぞれに対する回路方程式

は(4.4),(4.5)μ.6) ,(4.7)式より各々

(L~

+M~s01so+M;S11s1+M;v1v)R+Lp1p+Mps01so

Mps11s1 

Mpv1v 0 (4.18) 

MJso

R

Mpso1p 

Ls01soニ ‑Rs1so  (μ4.19) MJ

ん ム

sl

R+Mpsl

ん . J

.p

Ls11s1 

Mslt

1

MJんUι丘 +Mp仰vJ.ι~

Ms1v1s1 

+  ι

L

U =u

(μ4.21)

と念る。ただし X'は量X の大半径 R K関する偏微分を示す。

以下の節では、 (3.13),(4.17)(4.18)ぅ(4.19),(4.20) ,(4.21)式ぅ及び (4.16)式を用 いて解析を行念う。

4.3  線形安定解析

本解析モデルにおいて、基本変数は T

R

う ら う

1so1S1'ん

, u

の7個である。 3.4節と 同様な手法により (3.13),(4.17)(4.18),(4.19) ,(4.20) ,(4.21) ,(4.16)式を (3.21)式の 形にまとめる。ととでは、 X は7

1、 B,Cは7

7の行列である。得られた式の 両辺に、左側から行列 Bの逆行列を乗じ、その結果右辺にあらわれる Xの係数行列

(= 

B‑

1 . 

)の固有値実部を調べるととによって、系の安定判別を行なう。第 3牽の解析では基本変数が 3個と少在いため解析的手法Kよる安定判別が可能であっ た。しかし、ととでは解析的手法の適用は困難であり、数値解法による。また、解析

には表32の炉パラメータ,及びシェル大半径 Rb=6.0m,シェル小半径 Ts=2.65m,  制御コイノレ小半径 Tc=3.75m,制御コイル数 2Nv=4を用いる。

初めに、受動的安定性について調べる。 図42は、プラズ、マ温度ー磁場減衰係数 空間における受動的安定領域を示す。垂直磁場を基本変数としたモデノレの結果(破線)

と比較して安定領域がかなり狭い。すなわち、磁気的相互作用を考慮するととで安定 領域は狭くなる。とれは、磁気的相互作用の考慮により半径変動の持つ熱的不安定性 に対する安定化効果が弱まるためと考えられる。図中の実線は導電シェノレの抵抗値 Rs が 100μQの場合の安定・不安定の境界線であるが、この境界線は Rs値に殆ど依存

し在い。シェノレの存在を無視した解析も行なったが安定領域は全く変ら在かった。

次に、コイル印加電圧の制御による核燃焼の安定化を考える。 図4‑3は、磁場減 衰係数‑制御ゲイン空間における安定化領域を示す。制御系の時定数は、 アU=0.1 s, 

シェノレの抵抗値は Rs=100μQとしている。基本変数が異なるため図 3‑8の結果との 直接的在比較はできないが、傾向はほぼ一致している。磁場減衰係数が m= ‑2.3の 時、 ITER89P則では温度観測,核融合出力観測に対して安定化に要求される最小ゲ インは、各々約 190V,40Vである。 ITER890L則の場合、より大きな制御ゲインが必 要である。観測方式として、核融合出力観測が有利と予想される。シェノレの存在を考 慮しない場合の解析を行なったが、安定領域に殆ど違いはみられなかった。

導体シェル上に誘起される渦電流は、制御磁場を磁気遮蔽する効果を有する。と の渦電流はア's1‑‑‑LS1/ Rsの時定数で減衰する。これまでの解析では Rsは100μQと してきた。との場合アs1‑‑‑0.2秒となる。分布電流系の抵抗値は Rs"‑π2Rb/(2σsTsib) 

となる [3610 ただし、 ibはシェノレの厚さうのは材質の電導度である。シェルとして 10cm厚さの

s u s

を考えた場合、 Rs‑‑‑10jLnであり 100μQは楽観的すぎる値かもし れない。種々の要因で構造材が厚くなった場合、低抵抗シェルとなれある程度の抵 抗をかせぐために構造が複雑になろう。よって、どの程度の抵抗値まで安定化が可能 かを調べるためにシェノレ抵抗‑制御ゲイン空間における安定化領域を調べた。その結

果 を 図 441亡示す。ととで m

‑2.3 ,温度観測を仮定した。抵抗値が低いほどよ り大きな制御ゲインが必要であるが、 20‑‑‑30μQ程度以上のシェノレ抵抗値があれば安 定化に必要在制御ゲインはそれほど大きく変らないといえる。

4.4  勤特性シミュレーション

本節では (3.13),(4.17) ,(4.18) ,(4.19) ,(4.20) ,(4.21) ,(4.16)式を数値的に解くと とにより系の動的な振舞いを調べる。とれらの式を 3.5.1節で述べたように (3.41)式 の形にまとめた後、とれを Runge‑Kutta‑Gill

i

まで解く。制御に必要なコイノレ電圧や導 電シェノレの抵抗値が制御性や半径変動量に及ぼす影響についても調べる。解析には、

表3‑2のパラメータを持つプラズマを考え、 m値は ‑2.3ヲ電圧制御系の時定数は 0.1

秒とする。エネルギー閉じ込め時間の比例則KはITER89P則を主に用いる。また、

初期挿入摂動として定常燃焼状態のプラズ、マに時刻 t=0秒に+5%のプラズ、マ温度摂 動を与える。

初めに、制御を施さない場合の応答を調べる。 図4‑5Kは、シェノレ抵抗値 Rs

が10,100μQの場合の炉パラメータの挙動を示す。プラズ、マ温度 (T),大半径 (R),

R = 

R o

における垂直磁場 (Bv)は、各定常(直で規格化している。磁気的相互作用に よってコイノレ中やシェノレ上に誘起された電流によれ磁場制御を施していないにもか かわらず、 Bv値は変動する。シェノレ抵抗値が 100μQの場合、摂動挿入時に大半径 は定常値の約0.26% (‑‑‑1.6cm)大 き く な れ そ の 後 約 10秒で 1%に達する。比較の ため、垂直磁場を基本変数としたモデノレによる援舞いを、図中K破線で示している。

との場合、摂動挿入時の大半径変動は定常値の約0.48%(‑‑‑2.9cm)であり、磁気的 相互作用を考慮した場合に較べ、か走りの過大評価となっているととがわかる。

図46は、コイノレ印加電圧の制御を施した場合の応答を示す。ただし、 Pv(t)は 制御コイノレ系に必要なパワーとして、 Pv(t) U(t)・ん(t)で定義した。シェル抵抗値 は100μQとしている。より低いシェル抵抗値K対する応答は後で示す。温度観測の 場合、安定化は可能であるが制御性はあまり良好といえない。一方、核融合出力観測

の場合、 0.5kVの制御ゲインでもうまく安定化されている。制御ゲイ ンを1kVとした 場合、より速い応答がみられるが、過渡時の大半径変動の大きさは 0.5kVの場合より 若干大きい。最大の半径変動はム

R / R o  ' " ' ‑

2.7%に達する。全体的なパラメータの振 舞いは、図3‑13と比較して時定数が大きいものとなっており、より実際の応答に近い

と考えられる。

制御を施す場合、コイノレへの印加電圧 (U)

制御に必要なパワー (Pv)には工学 的観点、から制限値が存在しよう。図4‑6の計算では、とれらを考慮していない。図中 の実線の場合、過渡応答の過程で印加電圧 Uの絶対値は最大 100V K達する。前章 の解析では、垂直磁場が基本変数であったため、磁場変化率に制限を課したが、本解 析では制御コイルに超伝導コイノレを仮定しており、コイノレ防護の観点からその印加電 圧に上限を設定して以下では議論する。

図47は、コイノレ印加電圧 Uの絶対値の上限を 103050Vとして制御した場合 の応答を、制限を設け悲い場合とあわせて示す。 Uの上限は制御コイノレ電流値の時 間変化率を通して温度,大半径の張舞いに影響を与えており、図3‑14と問機な応答が みられる。本計算において、シェノレ抵抗値は 100μQとした。より小さな抵抗値に対 する動特性を、 図48に示す。参考のため、シェルがない場合の応答も示している。

印加電圧の上限値は 30Vとした。図よりシェルの抵抗値が 30μQ程度以上ならば良 好な制御が可能であるといえる。

図49(a)は、種々の電圧制御ゲイン U*のもと、核融合出力観測により制御を施 した時の、最大半径偏差量ムR/Roとそれに対応する時間をまとめたものを示す。基 本変数の遣いから第3章の結果との直接的在比較はでき在いが、 Bvを基本変数とし たモデノレに基く図 3‑15(a)と較べて、制御ゲインへのムR/Roの依存性はかなり異な る。また、制御時の半径変動量は概して小さい。とれは、磁気的相互作用の考慮によ れ 実 効 的 な プ ラ ズ、マ磁性値が低下するためと考えられる。 同図 (b)には、同様な量 を印加電圧の上限値の関数としてまとめている。EIJ加電圧の上限値は半径変動量には

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