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最 近 さま ざ ま な 目的 で都 市 雨 水 貯 留施 設 が 計 画 ・築 造 され るよ うに な って き た 。 治 水 の補 助 手 段 を 目的 とす る も の の ほ か に,雨 天 時 に流 出す る非 点 源 汚 濁 負 荷 を 一 時 貯 留 し,徐 々 に処 理 して放 流 す る こ とに よ り,公 共用 水 域 に流 入 す る年 間 の 総 負 荷 量 を 削 減 す る こ とを 目的 とす る も の が作 られ,さ らに貯 め た 雨水 を水 資源 と して活 用 し よ

うとい う試 み も始 め られ て い る。

都 市 雨水 貯 留 施 設 の機 能 評 価 の方 法 と して は,降 雨 の 時 間 的変 化 パ タ ー ン を 固 定 し た検 討 方 法 が い ま だ に使 わ れ て い る。 実 際 の 雨 の降 り方 は,時 間 的 に も空 間 的 に も ラ ン ダ ム で あ る。 都 市 に お け る水 の総 合 管 理 シス テ ムが物 理 的 に も制 度 的 に も これ だ け 複 雑 化 し,か つ そ の 中 に あ っ て雨 水 貯 留施 設 群 の役 割 が ます ます 大 き く な っ て き た現 在,旧 来 の方 法 を,一 度 根 底 か ら全 面 的 に見 直 し,構 築 しな お す 必 要 が あ る。 本 論 文 で は,降 雨 の ラ ン ダ ム性 を考 慮 して,こ の よ うな都 市 雨水 貯 留施 設 の 治 水 ・利 水 機 能 を評 価 す る手 法 にっ い て 検 討 を行 った。

第2章 で は ま ず,貯 留 施 設 の機 能 評 価 を行 う前 に,「 大洪 水,大 渇 水 は どの 位 の頻 度 で起 こ るの で あ ろ うか?」 とい う疑 問 の も とに,大 雨 の 生 起頻 度 に っ い て検 討 を行

っ た。

大 き な 被 害 を もた ら した 洪 水,渇 水 時 の 雨 を,通 常 の確 率 評 価 手 法 で 評 価 す る と, 数 千 年 に一 回 の 大 雨,少 雨 と評 価 され る こ とは希 で は な い。 これ らが非 現 実 的 な数 字 で あ る こ とは誰 しも認 め る所 で あ る。 確 率 は水 工計 画 上 の 一 っ の 指 標 に す ぎ ず,計 画 が動 き 出す か ど うか は,一 に実 際 に 大洪 水 が 起 こるか,大 渇 水 が 生 じ るか に か か っ て い る とは い え,計 画 の 基 本 量 で あ る 大 雨 ・少 雨 の生起 確 率 に っ い て の この よ うな 大 き な問題 を,未 解 決 の ま ま に放 置 して お くわ け に はい か な い。 議 論 の 対 象 と して い る の は,数 十年 に1回 とい うよ うな非 常 に低 い確 率 の,異 常 とも言 え る よ うな 現 象 で あ る。

極値 を対 象 とす る分 布 関数 を用 い た と して も,さ らにそ の分 布 関数 の裾 付 近 の適 合 度 が 問題 とな る。 この よ うな観 点 か ら大 雨 の 生起 頻 度 につ い て検 討 を行 い,以 下 の よ う

な結 果 を得 た 。

① 一 雨 総 雨 量 の 年 最 大 値 の 確 率 分 布 と し て,「 平 方 根 指 数 型 最 大 値 分 布

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(SQRT‑ET‑max‐distribution)」 を提 案 した。

② 分 布 の裾 付 近 で の 適 合 性 の 良否 を 客観 的 に検 定 す る手 法 を 開発 した 。

③ これ らの 理 論 と手 法 を,大 阪管 区気 象 台観 測 の 時 間 雨 量 資 料(1900〜1983年), 年 最 大10分 雨 量 資 料(1933〜1967年),全 国56地 点 の 気 象 台 観 測 の年 最 大 日

雨 量 資 料(観 測 開 始 〜1980年)に 適 用 し,適 合 性 の 良否 を検 定 した。

④ 以 上 の 検 討 に よ り,全 般 的 な適 合 度,変 数 値 が大 き い 所 で の推 定 値 の安 定牲 ・ 妥 当性,理 論 的 な 背 景 の 有無 簡 便 性 の いず れ の面 か ら見 て も,一 雨 総 雨 量,あ

る い は 日単位 程 度 の 雨 量 の年 最 大 値 系列 に対 して,平 方 根 指 数 型 最 大 値 分 布 を あ て は め る こ とが妥 当 で あ る こ とが 明 らか に な っ た。

第3章 で は,貯 留 施 設 を持 つ治 水 シ ス テ ム にお い て,氾 濫 危 険 度 を与 え られ た一 定 の 水 準 に保 つ と い う条 件 下 に お け る貯 留 施 設 の容 量 と下 流 の 河 道 等 の排 水 施 設 の能 力 の 関係 を理 論 的 に導 い た 。 当 然貯 留容 量 が 大 き けれ ば排 水 容 量 は小 さ くて す む し,そ の 逆 も成 り立 っ。 この よ うな 関係 式 を 「等危 険 度 線 の式 」 と よぶ こ とに した。

河 道 ・ポ ン プ等 の排 水 型 治 水 施 設 のみ に よ り治 水 を行 う場 合 に は,所 与 の 治 水 安 全 度 に 対応 す る ピー ク流 量 を 求 めれ ば,こ れ が そ の ま ま必 要 な治 水 容 量(疎 通 能)と な る。 ダ ム ・遊 水 池 の よ うな貯 留施 設 を併 用す る場 合 に は,治 水 安 全度 と,排 水 容 量 お よび貯 留 容 量 の3者 の 関係 を知 る必 要 が あ る。 この場 合 は 降 雨 パ ター ン に よ り得 られ る結 果 が変 わ る の で,よ り面倒 な検 討 が 必 要 とな る。 す な わ ち,貯 留施 設 が な い 場 合 は,治 水 計 画 の 基 本 とな る安 全 度 の評 価 は,ピ ー ク流 量 の確 率 評 価 に基 づ い て な され る。 一 方,貯 留 施 設 と排 水 施 設 を併用 した 治水 計 画 に お い て は,そ の治 水 計 画 の安 全 度 評 価 は洪 水 ハ イ ドロ グ ラ フ(ハ イ エ トグ ラ フ)の,「 ピー ク値 お よび 総 量 の 結 合 確 率 分布 」 に基 づ い て 評 価 す る必 要 が あ る。 等 危 険度 線 の 式 は,こ の よ うな ピー ク値 と 総 量 の 結 合 確 率 分 布 に基 づ い た厳 密 な 理 論 解 析 に よ り導 か れ た 式 で あ る。 等 危 険 度 線

の 式 を 実 際 の 都 市 河 川 の 治 水 計 画 に適 用 し,そ の 実 用 性 を示 した。 結 果 を 以 下 に 示 す 。

① 等 危 険 度 線 の理 論 を実 際 の都 市 河 川 の 治水 計 画 に適 用 し,そ の有 効 性 を 示 した。

同 時 に,実 用 上 の 問題 点 とそ の解 決 策,よ り有 効 に利 用 す るた め の2〜3の 工 夫 等 を示 した 。

② 実 測 の 雨 量 資 料 を用 い て,等 危 険 度 線 理 論 の 検 証 を行 い,実 際 の貯 留 施 設 計 画 の 治 水 安 全 度 評 価 に適 用 した 。

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③ 以上を通 じて等危険度線 は,排 水施設 と貯留施設 を併用す る実際 の治水 計画 に おいて,極 めてわ か りや す く,か つ合理 的な安全度評価 の手段 で あ る ことを明 ら か に した。

④ 実務にお いて,特 に都 市河川 にお いては,各 治水施設 の計画 の都 度,あ るい は 防御 地点毎 に等 危険度線 を描 くこ とは面倒 な場合 があ る。 時間雨量 資料 を用 いた

「標 準等危 険度 線」 に よる方法 を提示 し,そ の実用性 を示 した。

第4章 では,貯 留雨水 の水 資源 としての利用 お よび 降雨初期 に流 出す る高濃 度 汚濁 水 を降雨終了後 に処理 して放 流す るこ とに よる公共用水域 の水質 改善効 果 の評 価法 に

ついて検 討 した。

水 質保 全 を 目的 とす る場合(雨 水滞 水池)に つ いて は,貯 留容量 が非 常 に大 きい, あるいは小 さい な どの特別 の条件 下で,流 域 か らの汚濁負荷 の流 出特性,降 雨流 出の 確 率特性 等が与 え られ た ときの,貯 留施設 容量 お よび水処理施設 の能力 に対す る,放 流水域 への流入負荷 量 の削減 率の関係 を表す式 が理論解析 に よ り導 かれ て い る。理 論 解析 で設 定 した条件 と,そ の各 々 に対 して得 られた負荷 削減 率の式 を検討 す る こ とに

よ り,以 下の よ うな結果 が得 られ た。

① これ らの式 を総合 し,実 流域 に対す るシ ミュ レー シ ョン結果 等 を参 考 に して修 正す ることによ り,実 用 的な放 流負 荷削減率の式 を提示 した。

② 放 流負 荷 削減 率 の式 中の洗 浄係 数 を0(無 限小)と し,除 去 率 を1に す る と, この式は利 水 を 目的 とした貯留施設 の雨水利 用率 の式 となる ことを示 した。

③ 式 中には降雨 の確 率変動特性 を代表す るパラメー タが入 ってい る。 アメ ダスの 降雨資料 を用 いて 日本全 土に対 して これ らのパ ラメー タの値 を推 定 し,等 値 線 を 日本地 図上 にプ ロッ トした。

④ 実 際の計 算例 に よ り,利 水効果(雨 水利 用率)を 簡便 に評 価す る こ とがで き る こ とを示 した。 また,そ の場合 の注意 すべ き点等 にっいて指摘 した。

第5章 では,雨 量予測誤 差 を考慮 した雨水滞水池の効果 的 なオ ンライ ン操 作手 法 の 開発 を 目的 として,レ ー ダー雨量計 に よる予測誤 差の特性 について検討 し,降 雨予測

シ ミュ レー シ ョン手法 を提 案 した。結果 を以下 に示 す。

① 雨水滞水 池のオ ン ライ ン操 作へ の適 用 を 目的 として,あ る時点 の 降雨予測 値 の まわ りに予測誤差 に従 って分布す る模擬降 雨系列 を発 生す るた めの手法 を示 した。

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② 予 測誤 差 σは,予 測 の リー ドタイ ム,予 測値 な どに 関係 す る。 予 測 誤 差 構 造 に っ い て,合 理 的 な 構 造 式 を与 えた 。

③ 予 測 値 ま わ りの 実績 降 雨 の バ ラ ツ キは,ガ ンマ 分 布 で よ く近 似 で き る こ と を示 した 。

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