第4章 アルミニウム合金/鋼/鋼3枚重ね継手の摩擦アンカー接合
4.2 実験方法
4.2.1 供試材及び接合方法
本実験では,第3章で述べた,アルミニウム合金/鋼の 2枚重ね継手の接合と同様に,汎 用フライス盤の加工テーブル上にFig.4-1に示すエアシリンダを含めた治具を配置した.供 試材としては,板厚1.0mmのアルミニウム合金板(A5052)と板厚0.6mm及び1.0mmの冷 間圧延鋼板(SPCC)を用いた.Table 4-1にそれぞれの化学組成を示す.なお,SPCCにつ
いては,0.6mm材,1.0mm材ともに粒径20~40μmのフェライト組織を呈していた.供試体
の接合される表面を 500番の耐水研磨紙で研磨し,アセトンで脱脂した後,上から A5052
(1.0mm),SPCC(0.6mm),SPCC(1.0mm)の順に配置して治具によって固定した.実 験に用いた接合ツールは,第3章の実験で用いたものと全く同じであり,また,接合ツー ルの供試体への押し込み操作も第3章の実験と全く同様である.そのため,厳密には供試 体と接合ツールとの距離は設定する押し込み量によって変化し,接合ツールを供試体に押 し込み攪拌する時間は変わってくるが,本実験での最大値と最小値の差が0.003秒とわずか
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であるため考慮しないこととした.
Fig.4-1 Schematic illustration of the experimental setup.
Table 4-1 Chemical compositions of the materials (mass%)
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4.2.2 接合材の断面評価及び接合強度測定
本実験では,Table 4-2 に示すように,接合ツールの押し込み量をパラメータとした.な お,押し込み量を 2.5mm以上にすると接合痕の底部(最も薄い箇所)が剥がれ供試体に貫 通穴が形成されるため,押し込み量を 2.4mmまでとした.接合材の断面評価については,
切断,研磨後,マイクロスコープ,倒立型金属顕微鏡,走査電子顕微鏡(エネルギー分散 型X線分析(EDS)装置付属)及び電子線後方散乱回折装置(EBSD)を用いて行った.強 度試験については,JIS Z 3136にしたがって引張せん断試験を,JIS Z 3137にしたがって十 字引張試験を,それぞれ最上のA5052と最下の SPCCを引張って実施した.両引張試験は 万能引張圧縮試験機を用い,引張速度0.08mm/sで行った.なお,鋼/鋼部分の接合強度につ いては,SPCC2枚重ね継手の引張せん断強度についての報告22,23)を参照されたい.
4.2.3 接合時の温度,ツール押し込み及び垂直荷重挙動測定
接合時の供試体の温度,ツール押し込み及び垂直荷重挙動を把握するため,Fig.4-2 に示 すように所定の位置に 3本の熱電対をセットし,Fig.4-1に示したように,裏当て治具の下 面に接触式変位計を,裏当て治具とエアシリンダの間に荷重測定用ロードセルをセットし た.
Fig.4-2 Schematic illustration of the temperature measurement positions.
Table 4-2 Welding conditions.