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ブライトチャンネルを導入した本手法の霞除去結果画像は、従来手法と同じく式(19)で生成さ れる。ここで、Iは原画像、J は結果画像、Aは大気光、tは透過係数、xは注目画素位置、max は最大値、t0は0除算を防ぐための係数であり、t0を「0.1」とした。

降雪画像に適用した結果を図50に示す。図50(a)は原画像、図50(b)は手法 [14]の結果、図

50(c)は本手法の結果画像である。但し、図50(b)の手法[14]の結果は、マッティング処理の代わ

りに手法[42]を行った。霞除去により、(a)に比べて(b)も(c)も吹雪で見えなかった対象物が見 える様になっている。(b)は(c)よりも鮮明化効果は高いが、雪原や空等大きな白い対象物に赤や 緑等無数の偽色が発生している。一方、(c)は鮮明化をしていると同時に、白画素に対する偽色の 発生も少ない。これは、ブライトチャンネルを導入した事により、画像中の高明度の画素で過強調 を防いだ結果である。

J(x) = I(x)−A

max(t(x), t0)+A (19)

図50: ブライトチャンネルの導入結果1

降雪の無い画像に適用した結果を図51に示す。図51(a)は原画像、図51(b)は手法[14]の結果、

図51(c)は本手法の結果画像である。(b)は鮮明画像に対しても鮮明化をしてしまうため、色の過

強調をしてしまう。一方、(c)は画像の不鮮明さを判定して霞除去の効果を調節する事が出来るた め、鮮明な画像に過剰な霞除去は行わない。(b)では、雲や積雪の様な白い箇所で赤や水色の偽色 がある。しかし、(c)には偽色は無く、雲は白く山頂や屋根の上の積雪も鮮明な白にしている。ま た、(b)に比べて(c)は、霞除去の効果を調節しているため、空や壁の色等の白色以外の色の過剰 な発色も抑えている。

本研究で提案した1つ目の鮮明化手法は、ブライトチャンネルを導入する事によって、従来手法 で問題となっていた白い対象物に発生する偽色を抑制した。また、霞除去の効果を調節する事で過 強調を防ぐ事も出来る。さらに、大気光の推定を改良する事によって、後処理に必要だった明度補 正も不要とした。

図51: ブライトチャンネルの導入結果2

4 領域分割と霞除去の組み合わせ

4.1 霞除去の課題

従来の霞除去は、大気光を最も霞む色と仮定し、画像から1つの「大気光」を推定していた。し かし、照明条件により暗く映る箇所や明るく映る箇所など、高ダイナミックレンジ画像の様に数種 類の明るさが霞画像中に存在する場合、従来手法は最も霞む色を1つしか推定しないため、画像を 十分に鮮明化出来ない。

図52に、数種類の明るさで構成される画像を鮮明化した例を示す。図52(a)は原画像、図52(b) は手法[14]の結果、図52(c)はここで提案する領域毎に鮮明化する手法の結果である。図52(b)に

比べて図52(c)では、明るい箇所と暗い箇所で効果的に鮮明化されている事が分かる。特に、図52

下段(a)の画像中央部の暗い箇所に注目すると、図52(b)では雪粒も暗くなって不鮮明であるが、

図52(c)では雪粒が白く鮮明になっている。これは、従来手法は大気光を1つしか推定しないため、

画像中の1つの特定の明るさの領域しか鮮明化出来ないためである。画像の各場所で明るさが異な る場合、その場所に適した鮮明化をする必要がある。

本研究では、高ダイナミックレンジ画像の鮮明化を行うために、画像を領域分割をして各領域で 霞除去を行い、コントラスト改善効果をより高める。

図52: 各領域で霞除去を行った例

従来の霞除去は、一様に霞む画像を前提にしている。しかし実際には、撮影場所の対象物や照明 条件により、一部は鮮明に見えていたり、霞んでも霞む色が異なって撮影される場合もある。様々 な明るさで構成される、高ダイナミックレンジの画像に対して、従来の霞除去は画像全体を十分鮮 明化する事は出来ない。それは、霞と仮定した色(大気光)は1つと仮定しているからである。

図53に、高ダイナミックレンジ画像の霞除去例を示す。図53(a)は原画像、図53(b)は手法[14]

による画像、図53(c)は本論文で上述したブライトチャンネルを導入した手法による霞除去画像、

図53(d)は本節で説明する提案手法による霞除去画像である。図53(b)や(c)では、暗く不鮮明に

なる箇所や明るく不鮮明になる箇所があり、画像全体を十分に鮮明化していない。これは、推定し た大気光の明るさ以外の明るさのコントラストを改善出来ないからである。しかし図53(d)では、

様々な明るさのコントラストを同時に改善している。これは、画像を領域分割し、各領域で大気光 を推定して霞除去を行ったためである。

図 53: 高ダイナミックレンジ画像の霞除去