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また、図65上段(b)では、1番不鮮明な画像中央部の道路の1番奥の箇所で、霞を除去しきれて いない。さらに、全画像で(b)には偽色が多数発生している。しかし提案手法では、領域分割をす る事により、各領域で適切に霞除去がされている。また、偽色も無く、図65の3段目の様に、鮮明 な画像を過強調しない。これは、彩度を過剰に強調せずに、霞除去の効果を調節するためである。

本節では、画像の各領域に適した鮮明化を行う手法を提案した。霞の色が画像の各箇所で異な る画像においても、提案手法は各箇所で適切に鮮明化をする事が出来た。また、画像全体が霞に 覆われた画像に限らず、晴天画像でも遠くてぼやけて映っている箇所のみを鮮明にする事も可能で ある。

図65: 霞除去の結果2

5 ヒストグラム拡張とクラスタリングの組み合わせ

5.1 夜間画像の課題

24時間動作する監視カメラアプリケーションにとって、昼間の画像だけでなく夜間の画像のコ ントラストも改善する必要がある。悪天候に関係無く、夜間は晴天時でも一面が暗く不鮮明で、画 像に何が映っているか認識しづらい。夜間画像のコントラストを改善する手法は幾つか提案されて

いるが( [11, 30])、ある程度各対象物が見えている画像を扱っており、暗闇画像に対しては辛うじ

て見え様になる程度にしかコントラストを改善せず、暗闇画像のコントラストを十分改善する結果 とはなっていない。時に、悪天候時の夜間画像を扱った手法はない。

本研究では、昼間の霞画像も夜間の画像も、同じ不鮮明な画像と捉える。昼間の霞画像は画像全 体が霞の色になるため不鮮明で、夜間の画像は画像全体が暗い色になるため不鮮明である。昼間の 霞画像と夜間の画像の違いは不鮮明になる色だけであり、その不鮮明になる色を鮮明にする手法が あれば、どちらの画像も鮮明に出来ると考える。

図66に、霞画像と夜間画像のヒストグラムを示す。図66(a)は霞画像、図66(b)は夜間画像、図 66(c)は(a)と(b)のヒストグラムである。図66(c)を見ると、(a)は霞の色にピークがあり、(b) は夜の暗い色にピークがある。(a)も(b)も、ヒストグラムのピークの位置が違うだけで、両ヒス トグラムはピークの幅が狭く、ピーク以外はヒストグラム値が少ないという似た特徴を持つ。そこ で本研究では、ヒストグラムピークの幅を広げる手法である、ヒストグラム拡張を基に、新たな鮮 明化アルゴリズムを提案する。

コントラスト改善アルゴリズムは幾つもあるが、それらの中でもヒストグラム拡張は、原画像の 色分布を崩さないため、明度整合と偽色抑制の効果が1番高い。しかし、ヒストグラム拡張は、極 端に暗い画素と明るい画素で構成された高ダイナミックレンジ画像に対応出来ない。これは、ヒス トグラム拡張はヒストグラム全体の幅を広げる事でコントラストを改善する手法であるため、原画 像のヒストグラム全体が広い場合には、不鮮明な画像であっても十分鮮明化が出来ない。よって本 研究では、ヒストグラムを分解して、各部分ヒストグラムを拡張する事によって、効果的に夜間画 像も鮮明化するアルゴリズムを提案する。これにより、原画像のヒストグラムのピーク位置に関係 無く、コントラストを改善する。

図66: 不鮮明画像のヒストグラム