• 検索結果がありません。

第 2 章 研 究

3. 結 果

回 収 結 果 を Table 2-1 に 示 す 。

調 査 用 紙 を 411 人 に 配 布 し 、 358 人 か ら 回 収 し た 。 回 収 率 は 87.1%で あ っ た 。 そ の う ち 、 少 な く と も 1 項 目 へ の 回 答 が 記 入 さ れ た 348 件 を 有 効 回 答 と し た 。 有 効 回 答 率 は 84.7%で あ っ た 。

Table 2-1 調 査 用 紙 の 回 収 結 果 調 査 用 紙 配 布 数 411 調 査 用 紙 回 収 数 358

回 収 率 87.1%

有 効 回 答 数 348

有 効 回 答 率 84.7%

3.2 有 効 回 答 者 の 背 景

有 効 回 答 者 ( 以 下 、 回 答 者 ) の 背 景 を Table 2-2 に 示 す 。

女 性 が 70.1%で あ っ た 。年 齢( 平 均 ±標 準 偏 差 )は 19.2±1.5 歳 で あ り 、最 少 年 齢 は 18 歳 、 最 高 年 齢 は 29 歳 で あ っ た 。 回 答 時 の 学 年 は 、 大 学 1 年 が 最 も 多 く 246 人 、 2 年 が 13 人 、 3 年 が 66 人 、 4 年 が 23 人 で あ っ た 。 所 属 は 心 理 系 が 275 人 、 そ の 他 が 49 人 、 不 明 が 24 人 で あ っ た 。

48 Table 2-2 回 答 者 背 景

回 答 者 数 3 4 8

性 別 ,n(%)

男 1 0 4(29.9 )

女 2 4 4(70.1 )

年 齢

平 均 年 齢 ( ± 標 準 偏 差 ) 19.2 (± 1.5)

最 小 値 1 8

最 大 値 2 9

学 年 ,n(%)

大 学 1 年 246(70.7)

大 学 2 年 1 3(3. 7)

大 学 3 年 6 6 (19.0 )

大 学 4 年 2 3(6. 6)

所 属 ,n(%)

心 理 系 2 7 5(79.0 )

そ の 他 4 9(14.1 )

不 明 2 4(6. 9)

3.3 分 析 結 果 1) 主 要 評 価 項 目 (1) 双 極 性 障 害 の 認 知 度

各 疾 患 の 認 知 度 を Figure 2-1 に 示 す 。

双 極 性 障 害 に つ い て 、「 聞 い た こ と が な い 、知 ら な い 」と 回 答 し た 人 は 58.2%

に の ぼ り 、 過 半 数 が 疾 患 名 を 認 知 し て い な か っ た 。

今 回 調 査 し た 他 の 精 神 疾 患 の う ち 、 う つ 病 と 認 知 症 に つ い て 「 聞 い た こ と が な い 、 知 ら な い 」 と 回 答 し た 割 合 は 1%未 満 で あ り 、 認 知 度 は 極 め て 高 か っ た 。 統 合 失 調 症 で は 18.4%、ADHD( 注 意 欠 陥・多 動 性 障 害 )で は 27.3%で あ り 、う つ 病 や 認 知 症 よ り 劣 る も の の 、 双 極 性 障 害 よ り 認 知 度 は 高 か っ た 。

一 般 的 な 内 科 疾 患 で あ る 糖 尿 病 に つ い て 、「 聞 い た こ と が な い 、知 ら な い 」と 回 答 し た 人 は い な か っ た 。 高 血 圧 、 胃 が ん 、 ド ラ イ ア イ 、 骨 粗 し ょ う 症 、 白 内

49

障 、 ア ト ピ ー 性 皮 膚 炎 に つ い て も 「 聞 い た こ と が な い 、 知 ら な い 」 と 回 答 し た 割 合 は 5%以 下 で あ っ た 。一 方 、 IBS( 過 敏 性 腸 症 候 群 )、 COPD( 慢 性 閉 塞 性 肺 疾 患 ) を 「 聞 い た こ と が な い 、 知 ら な い 」 と 回 答 し た 割 合 は 60%を 超 え て い た 。

ま た 、 躁 う つ 病 に つ い て は 「 聞 い た こ と が な い 、 知 ら な い 」 と 回 答 し た 人 は 41.2%で あ り 、双 極 性 障 害 よ り 認 知 さ れ て い る も の の 他 の 精 神 疾 患 と 比 較 す る と 認 知 度 は 低 か っ た 。

以 上 よ り 、 本 調 査 で は 双 極 性 障 害 は 過 半 数 で 認 知 さ れ て お ら ず 、 調 査 し た 疾 患 の 中 で は 認 知 度 が 低 い 疾 患 で あ っ た 。

Figure 2-1 各 疾 患 の 認 知 度 76.7%

64.1%

58.2%

41.2%

27.3%

18.4%

4.6%

2.9%

2.9%

2.3%

1.4%

0.6%

0.3%

0.0%

0.0%

18.1%

23.6%

18.7%

20.7%

27.6%

38.6%

23.3%

43.1%

22.8%

15.5%

29.9%

6.6%

18.7%

13.2%

6.9%

4.6%

8.9%

15.9%

28.8%

36.8%

35.4%

48.3%

45.1%

66.6%

63.5%

57.2%

78.3%

68.7%

60.6%

63.5%

0.6%

3.4%

7.2%

9.2%

8.3%

7.5%

23.9%

8.9%

7.8%

18.7%

11.5%

14.5%

12.4%

26.1%

29.6%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

COPD(慢性閉塞性肺疾患)

IBS(過敏性腸症候群)

双極性障害(双極感情障害)

そううつ病 ADHD(注意欠陥・多動性障害)

統合失調症 アトピー性皮膚炎 白内障 骨粗しょう症 ドライアイ 胃がん 認知症 高血圧 糖尿病 うつ病

1.聞いたことがない、

知らない

2.名前だけは 聞いたことがある

3.およそどんな 病気か知っている

4.どんな治療法が あるか知っている 躁 う つ 病

50

(2) 双 極 性 障 害 に 関 す る 認 知 の 内 容 ( 疾 患 へ の イ メ ー ジ )

各 疾 患 に 関 す る 認 知 の 内 容 を Table 2-3、 Figure 2-2 に 示 す 。

双 極 性 障 害 に 関 し て 、半 数 以 上 が 該 当 す る と 回 答 し た 質 問 項 目 は 、「 な か な か 治 ら な い 」、「 本 人 が 病 気 だ と 気 づ か な い 」、「 生 活 に 破 綻 を き た す 」、「 周 り も つ ら い 思 い を す る 」の 4 項 目 で あ っ た 。一 方 、「 再 発 し や す い 」、「 薬 を 飲 み 続 け る 必 要 が あ る 」、「 自 殺 す る か も し れ な い 」に つ い て は 半 数 に と ど か ず 、「 若 い 人 が な り や す い 」 と し た 割 合 も 40.4%に と ど ま っ た 。

双 極 性 障 害 に 関 す る 認 知 の 内 容 を う つ 病 と 比 較 し た と こ ろ 、 い く つ か の 項 目 で 違 い が 見 ら れ た 。 例 え ば 、 双 極 性 障 害 に つ い て 「 患 者 数 が 多 い 」 と 回 答 し た 割 合 は 9.9%で あ っ た の に 対 し 、う つ 病 で は 81.8%で あ っ た 。ま た 、「 自 殺 す る か し れ な い 」 と し た 割 合 は 双 極 性 障 害 で 41.0% で あ っ た の に 対 し 、 う つ 病 で は 93.3%で あ っ た 。一 方 、「 病 気 が 見 つ か り づ ら い 」、「 治 す 薬 が あ る 」に つ い て は 、 両 疾 患 と も 30%前 後 に と ど ま っ た 。

双 極 性 障 害 と 躁 う つ 病 を 比 較 し た 場 合 、全 般 的 に 同 様 の 結 果 で あ っ た 。た だ 、

「 ス ト レ ス が 原 因 」 と し た 割 合 は 双 極 性 障 害 で 49.7%で あ っ た の に 対 し 、 躁 う つ 病 で は 72.0%、「 自 殺 す る か も し れ な い 」と し た 割 合 も 、双 極 性 障 害 で は 41.0%

で 、躁 う つ 病 で は 63.1%と な り 、両 者 に 違 い が 見 ら れ た 。ま た 、「 患 者 の 数 が 少 な い 」と 回 答 し た 割 合 に つ い て も 、双 極 性 障 害 で は 42.9%、躁 う つ 病 で は 20.6%

で あ り 、 双 極 性 障 害 は 躁 う つ 病 と 比 較 し て 患 者 数 は 少 な い と 考 え ら れ る 傾 向 が 強 か っ た 。

51 Table 2-3

疾 患 に 関 す る 認 知 の 内 容 ( 疾 患 へ の イ メ ー ジ )

質 問 項 目

「 該 当 す る 」 と 回 答 し た 件 数 と 割 合 双 極 性 障 害

(N=161)

躁 う つ 病 (N=214)

う つ 病 (N=341)

n % N % n %

若 い 人 が な り や す い 65 40.4 105 49.1 164 48.1 高 齢 者 が な り や す い 20 12.4 54 25.2 121 35.5

遺 伝 す る 52 32.3 28 13.1 42 12.3

ス ト レ ス が 原 因 80 49.7 154 72.0 324 95.0 生 活 習 慣 が 原 因 47 29.2 80 37.4 153 44.9 性 格 が 原 因 54 33.5 97 45.3 228 66.9 患 者 の 数 が 多 い 16 9.9 66 30.8 279 81.8 患 者 の 数 が 少 な い 69 42.9 44 20.6 9 2.6 慢 性 的 な 病 気 で あ る 48 29.8 61 28.5 115 33.7 治 す 薬 が あ る 52 32.3 65 30.4 105 30.8 病 気 が 見 つ か り づ ら い 55 34.2 82 38.3 103 30.2

簡 単 に 治 る 17 10.6 23 10.7 5 1.5

な か な か 治 ら な い 100 62.1 142 66.4 282 82.7 再 発 し や す い 62 38.5 107 50.0 178 52.2 薬 を 飲 み 続 け る 必 要 が あ る 59 36.6 87 40.7 140 41.1 症 状 が 治 ま っ た ら 薬 を や め て も

よ い 17 10.6 39 18.2 51 15.0

命 に 関 わ る 54 33.5 73 34.1 139 40.8 自 殺 す る か も し れ な い 66 41.0 135 63.1 318 93.3 本 人 が 病 気 だ と 気 づ か な い 81 50.3 138 64.5 223 65.4 生 活 に 破 綻 を き た す 97 60.2 153 71.5 283 83.0 周 り も つ ら い 思 い を す る 110 68.3 159 74.3 273 80.1

52

Figure 2-2 疾 患 に 関 す る 認 知 の 内 容 ( 疾 患 へ の イ メ ー ジ )

(3) 双 極 性 障 害 へ の 社 会 的 距 離

双 極 性 障 害 に 対 す る 社 会 的 距 離 の 結 果 を Table 2-4、 Figure 2-3 に 示 す 。 全 体 的 に は 「 ど ち ら で も な い 」 と い う 中 立 的 な 回 答 が 多 か っ た 。 項 目 別 に み る と 、「 あ な た の 職 場 の 近 く で 仕 事 を し 始 め て も い い 」に 対 し て は「 確 か に そ う 思 う 」 ま た は 「 そ う 思 う 」 と 答 え た 割 合 が 47.9%で あ り 、 半 数 近 く が 肯 定 的 で あ っ た 。「 親 し く な っ て も い い 」 に つ い て も 同 様 の 傾 向 で あ っ た 。 一 方 、「 結 婚 し て あ な た の 家 族 の 一 員 に な っ て も い い 」 に つ い て は 肯 定 的 な 回 答 が 13.7%、

0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0 70.0 80.0 90.0 100.0

双極性障害 そううつ病 うつ病

該 当 す る と 回 答 し た 割 合(%)

53

「 そ う は 思 わ な い 」ま た は「 全 く そ う は 思 わ な い 」と い う 否 定 的 な 回 答 が 43.2%

で あ り 、 否 定 的 な 回 答 が 肯 定 的 な 回 答 を 上 回 っ た 。 Table 2-4

双 極 性 障 害 に 対 す る 社 会 的 距 離

質 問 項 目

回 答 数 、 n(%) 確 か に

そ う 思 う そ う 思 う ど ち ら で も な い

そ う は 思 わ な い

全 く そ う は 思 わ な い 隣 に 引 っ 越 し て も い い

(N=292) 29(9.9) 79(27.1 ) 111( 38.0 ) 5 6(19.2 ) 17 (5. 8) 一 晩 を 付 き 合 っ て も い い

(N=292) 2 9 (9.9) 54(18.5) 109(37.3) 7 2(24.7) 28 (9.6) 親 し く な っ て も い い

(N=291) 3 4(11.7) 96(33.0) 106(36.4) 3 9(13.4) 1 68(5.5) あ な た の 職 場 の 近 く で

仕 事 を し 始 め て も い い (N=292)

3 2(11.0) 10 8(37.0) 9 6 (32.9) 3 8(13.0) 18 (6.2) 結 婚 し て あ な た の 家 族 の

一 員 に な っ て も い い (N=292)

9 (3.1) 31(10.6) 126(43.2) 7 7(26.4) 4 9(16.8)

Figure 2-3 双 極 性 障 害 に 対 す る 社 会 的 距 離

9.9 9.9 11.7 11.0

3.1 27.1

18.5

33.0

37.0

10.6

38.0 37.3 36.4

32.9

43.2

19.2

24.7

13.4 13.0

26.4

5.8

9.6

5.5 6.2

16.8

隣に引っ越してもいい 一晩を付き合ってもいい 親しくなってもいい あなたの職場の近くで 仕事をし始めてもいい

結婚してあなたの家族の 一員になってもいい

確かにそう思う そう思う どちらでもない そうは思わない 全くそうは思わない

回 答 率 (%)

54

(4) 双 極 性 障 害 の 各 気 分 エ ピ ソ ー ド に 対 す る 認 識 と 治 療 の 必 要 性

双 極 性 障 害 の 各 気 分 エ ピ ソ ー ド に 対 す る 認 識 と 治 療 の 必 要 に つ い て の 結 果 を Table 2-5、 Figure 2-4 に 示 す 。

病 前 性 格 の 場 面 で は 、「 健 康 に 問 題 が あ る が 、病 院 に 行 か な く て も 自 分 の 努 力 し だ い で 治 せ る 」 と の 回 答 が 34.1%と 最 も 多 か っ た 。 う つ 傾 向 、 大 う つ 病 エ ピ ソ ー ド 、 躁 病 エ ピ ソ ー ド の 場 面 で は 、 い ず れ も 「 健 康 に 問 題 が あ り 、 病 院 に 行 っ て 治 療 す る 必 要 が あ る 」 と の 回 答 が 最 も 多 か っ た 。 し か し 、 そ の 割 合 に は 違 い が あ り 、 大 う つ 病 エ ピ ソ ー ド で は 68.7%が 病 院 で 治 療 の 必 要 が あ る と 回 答 し た が 、躁 病 エ ピ ソ ー ド で は 38.9%に と ど ま り 、う つ 傾 向 の 45.7%よ り も 低 い 結 果 と な っ た 。

Table 2-5

双 極 性 障 害 の 各 エ ピ ソ ー ド に 対 す る 認 識 と 治 療 の 必 要 性 病 前 性 格

(N=343)

う つ 傾 向 (N=311)

大 う つ 病 エ ピ ソ ー ド

(N=342)

躁 病 エ ピ ソ ー ド

(N=342)

n % n % n % n %

全 く 問 題 は な い 39 11.4 7 2.3 2 0.6 12 3.5 少 し 健 康 に 問 題 は あ る が

自 然 に 回 復 す る 80 23.3 0 0.0 3 0.9 3 0.9 健 康 に 問 題 が あ る が 、

病 院 に 行 か な く て も 自 分 の 努 力 し だ い で 治 せ る

117 34.1 92 29.6 7 2.0 7 2.0 健 康 に 問 題 が あ り 、

病 院 に 行 っ て 治 療 す る 必 要 が あ る

23 6.7 142 45.7 235 68.7 133 38.9 健 康 の 問 題 で は な く 、

性 格 や 気 分 に 問 題 が あ る 42 12.2 42 13.5 62 18.1 101 29.5 健 康 、 性 格 、 気 分 以 外 の

問 題 で あ る 10 2.9 13 4.2 19 5.6 46 13.5 そ の 他 の 問 題 11 3.2 3 1.0 3 0.9 14 4.1 わ か ら な い 21 6.1 12 3.9 11 3.2 26 7.6

55

Figure 2-4 双 極 性 障 害 の 各 気 分 エ ピ ソ ー ド に 対 す る 認 識 と 治 療 の 必 要 性

11.4

2.3 0.6

3.5 23.3

0.0 0.9 0.9

34.1

29.6

2.0 2.0

6.7

45.7

68.7

38.9

12.2 13.5

18.1

29.5

2.9 4.2 5.6

13.5

3.2 1.0 0.9

6.1 4.1

3.9 3.2

7.6

病前性格 うつ傾向 大うつ病エピソード 躁病エピソード

全く問題はない

少し健康に問題はあるが自然に回復する

健康に問題があるが、病院に行かなくても自分の努力しだいで治せる 健康に問題があり、病院に行って治療する必要がある

健康の問題ではなく、性格や気分に問題がある 健康、性格、気分以外の問題である

その他の問題

わからない 回 答 率(%)

56

2) 副 次 的 評 価 項 目 : 治 療 の 必 要 性 の 認 識 に つ な が る 因 子 の 特 定 (1)回 答 者 の 分 類

回 答 者 を 、 双 極 性 障 害 に 関 す る 認 知 の 内 容 と 社 会 的 距 離 の 回 答 に 基 づ い て ク ラ ス タ ー 分 析 を 行 っ た 。そ の 結 果 、Figure 2-5 の よ う な デ ン ド ロ グ ラ ム が 得 ら れ 、 2 つ の ク ラ ス タ ー に 分 類 す る こ と が ふ さ わ し い と 判 断 し た 。

Figure 2-5 双 極 性 障 害 に 関 す る 認 知 の 内 容 ( 疾 患 へ の イ メ ー ジ ) と 社 会 的 距 離 の 回 答 に 基 づ い た ク ラ ス タ ー 分 析 に よ る 回 答 者 の 分 類

第 二 ク ラ ス タ ー n=48(35.6% )

第 一 ク ラ ス タ ー n=87(64.4%)

0 5 10 15 20 25

関連したドキュメント