営業概況
2014
年3
月期(当期)の国内経済は、政府の経済政策が下 支えとなって緩やかに回復し、化粧品市場においても持ち直し の動きが見られました。また2014
年に入ってからは、4
月から の消費税率引き上げを前に、需要が一時的に拡大する動きが 見られました。一方、海外の化粧品市場は各地域の経済動向にほぼ連動し ており、経済成長を持続した米州では化粧品市場も堅調な成 長を持続したものの、欧州は債務危機や高い失業率の影響に より弱い経済成長となり、化粧品市場は前年を若干上回る程度 の成長にとどまりました。アジアは、政治状況の影響などを受け た国もある中で、地域全体では緩やかな成長となりました。
資生堂は、
2012
年3
月期より 成長軌道に乗る をテーマとし た3
カ年計画を推進してきました。長引く欧州の金融危機や尖 閣諸島問題に端を発した中国での事業環境の悪化などを受け、2013
年3
月期中に 市場と同程度の売上成長でも着実に利益を 拡大できる高収益構造 をめざす方向に軌道修正を行いまし た。その中迎えた3
カ年計画の最終年度である2014
年3
月期は、成長の行く手を阻む経営課題の一掃に向けて徹底した選択と 集中を進め、持続的な成長への道筋をつける年 と位置付け、
コスト構造改革と事業構造改革の継続や店頭在庫水準の適正 化に向けた取り組みへの着手、不採算・低収益事業の健全化な どに注力しました。同時に国内外において強く・大きく・収益性 の高い領域に資源を集中して投入し、特に日本、中国、および ベアエッセンシャル社の
3
つの領域を重点強化しました。この結果、国内売上は前期比
1.1%
増となり、海外売上は前 期 比26.4%
増となりました。また、連 結 売 上 高 は 前 期 比12.4%
増となりました。営業利益は、売上増に伴う差益増や為替影響に加え、全 社をあげてのコスト構造改革や費用の効率運用を継続したこ と、国内において賞与および年金費用などの人件費が減少し たことなどにより、前期比
90.6%
増となりました。当期純利益は、店頭在庫水準の適正化に向けた生産終了 品の回収などの特別損失に加えて、移転価格調査に関して発生 する可能性が高いと予想される納税額の計上があったものの、
営業利益が大幅に増益となったことに加え、販売子会社の一 部社屋などの売却益を計上したことから、増益となりました。
2014 2013 2012 2011 2010
(億円) (%)
2,000
0 4,000 6,000
15
0 30 45
8,000 60
6,707 42.9 3,829 2,878 6,442
36.9 4,067 2,375
6,824 44.3 3,800 3,024
7,620 50.5 3,773 3,848 6,777
44.9 3,732 3,045 売上高
海外売上高比率 国内売上高 海外売上高
売上高・海外売上高比率
当期の概況と財務報告
価値創造セクション
経費
経費(その他の費用)の売上高に対する比率は、前期比0.7ポ イント減少し21.3%となりました。国内、海外ともにコスト構造 改革や費用の効率運用を推進したことが主な要因です。
M&A
関連償却費M& A関連償却費の売上高に対する比率は、前期比0.2ポ イント減少し1.2%となりました。
■営業利益
営業利益は、売上増に伴う差益増や為替影響に加え、全 社をあげてコスト構造改革や費用の効率運用を継続したこと、
国内において賞与および年金費用などの人件費が減少したこ となどから、前期比
90.6%
増益の49,644
百万円となりました。売上高営業利益率は
2.7
ポイント好転の6.5%
となりました。■その他の損益
前期の
32,488
百万円の純費用から783
百万円の純利益と なりました。前期は2010
年3
月に買収を完了し当社の子会社 とした米国の化粧品会社ベアエッセンシャル社に係る無形固 定資産の減損損失や生産・研究開発拠点の再編に伴う構造 改革費用を計上しましたが、当期は構造改革費用やのれんの 減損が減少したことに加え、固定資産売却益が増加したこと が主な要因です。■税金等調整前当期純利益(損失)
税金等調整前当期純利益(損失)は、前期の
6,442
百万円 の損失に対し50,427
百万円の利益となりました。■法人税等(法人税等調整額を含む)
法人税等は、当期において課税所得が前期より増加したこ とや、移転価格調査の更正見積もりを計上したことにより、前 期に比べ
246.0%
増加の21,691
百万円となりました。■少数株主利益
少数株主利益は、前期に比べ
31.1%
増加の2,587
百万円と なりました。■当期純利益(損失)
当期純利益(損失)は、前期の
14,685
百万円の当期純損失 に対し、26,149
百万円の当期純利益となりました。1
株当たり 当期純利益(損失)は前期の36.9
円の損失に対し、65.7
円の 利益となりました。なお、
ROE(
自己資本利益率)
については、前期のマイナス5.1%
に対し8.4%
となりました。2014 2013 2012 2011 2010
(億円) (%)
2.5
0 5.0 7.5 10.0
445 6.6 504
7.8
391 5.7
496 6.5 260
3.8 営業利益
売上高営業利益率
営業利益・売上高営業利益率
0 150 300 450 600
2014 2013 2012 2011 2010
(億円) (%)
0
-200 200
-10 0 10
400 20
128 3.9 337
9.8
145 4.9
261 8.4 (147)
(5.1) 当期純利益(損失)
ROE
当期純利益(損失)・ROE
売上原価率(%)
販売管理費率(%)
販売管理費(億円)
マーケティングコスト 人件費
経費
M&A関連償却費
マーケティングコスト 人件費
経費
2011
2010 2012 2013 2014
25.2 68.2 21.5 23.7 21.7 1.3 1,444 1,593 1,453 86 4,576 24.9 67.3 22.7 23.0 21.3 0.3 1,463 1,484 1,374 16 4,337
23.9 70.4 23.5 23.9 21.6 1.4 1,603 1,633 1,476 91 4,803
24.9 68.6 22.2 23.9 21.3 1.2 1,693 1,818 1,627 90 5,228 24.6 71.6 23.5 24.7 22.0 1.4 1,590 4,849 1,677 1,491 91 M&A関連償却費
売上原価率・販売管理費率・販売管理費
報告セグメント別の状況
報告セグメント別の業績は、次の通りです。
■国内化粧品事業
国内化粧品事業の売上高は
349,719
百万円(前期比1.1%
増 収)となりました。化粧品事業は店頭売上の拡大に集中した活 動に取り組み、特にプレステージ領域を強化しました。店頭在 庫水準の適 正化に向けた在 庫の回収を実 施しましたが、消 費税率引き上げ前の駆け込み需要の影響が想定以上に大き く、前期を上回る売上となりました。また、ヘルスケア事業も前 期を上回る実績となりました。(化粧品事業)
化粧品事業では、店頭売上の拡大をめざし、お客さまから高 い支持をいただける商品を厳選して発売するとともに、現行主 力品の育成を継続して実施いたしました。その結果、肌と向き あう至福をお届けするスキンケア・ベースメーキャップブランド
「エリクシール」やメーキャップ総合ブランド「マキアージュ」と いった中価格帯の中核ブランドが好調に推移しました。また、
プレステージ領域の強化の一環として、グローバルブランド
「 」や最高級ブランド「クレ・ド・ポー ボーテ」の テレビコマーシャルを放映するなど、コミュニケーション活動を 強化した結果、デパートチャネルを中心に売上成長を果たしま した。
昨年課題を残したシニア世代のお客さまへの対応について は、
Web
と既存の店舗を融合した次世代ビューティーソリュー ションサービスサイト「watashi+
」の中にシニアのお客さま専用 サイトを設けたほか、専用フリーダイヤルの設置や専用タブロイ ド紙「きらめきMs.
通信」の発行、自分らしい輝きを発見し、楽し く美容をマスターしていただくためのセミナー「きらめきマス ターサロン」の開催など、さまざまな活動を実施しました。さらに、成長の行く手を阻む経営課題の解決に向け、店頭在 庫水準の適正化に着手し、店頭売上を基点とした事業マネジ メント革新など、二度と在庫を溜めない仕組みの構築を進める とともに、生産終了品や在庫率の高い商品の回収など、在庫の 整理に取り組みました。
(ヘルスケア事業)
ヘルスケア事業では、主力商品の美容食品ブランド「ザ・コ ラーゲン」に注力した結果、店販市場が縮小を続ける中でも高 いシェアを維持しました。さらに、沖縄県与那国島の契約農園 で農薬を使わずに育てたボタンボウフウを原料とした美容食品
「長命草」の認知拡大・取扱店拡大に取り組んだほか、キレイを チャージする美容飲料「綺麗のススメ」より「つやつやぷるんゼ リー」を発売し、既存チャネルに加えコンビニエンスストアへの 配荷を開始するなど、お客さまとの接点拡大に努めました。
セグメント利益(営業利益)は、売上増に伴う差益増に加え、
コスト構造改革や費用の効率運用などにより、前期比
43.5%
増益の
39,461
百万円となりました。■グローバル事業
グローバル事業の売上高は
402,214
百万円(
前期比24.8%
増収)、現地通貨ベースでは前期比
1.4%
増収となり、化粧品 事業、プロフェッショナル事業ともに、前期を上回る実績とな りました。(化粧品事業)
化粧品事業では、プレステージ市場において、グローバルブランド
「 」やメーキャップアーティストブランド「
NARS
」 が米州を中心に好調を継続しました。さらに、「ナルシソ ロド リゲス」などの好調に加え、「フェラガモ」や「バーバリー」の取 り扱い開始による上乗せがあったデザイナーズフレグランスが 堅調な成長を果たしました。また、「ベアミネラル」などを展開 するベアエッセンシャル社では、2014
年3
月期から2015
年3
月 期を事業基盤再構築の年と位置付け、2015
年12
月期以降の成 長を見据えた準備に取り組みました。最重点市場である中国では、尖閣諸島問題に端を発した当 社製品の買い控えなど、厳しい事業環境からは徐々に回復し つつあるものの、店頭在庫水準の適正化のために出荷を調整 したことなどもあり、売上は現地通貨ベースで前期をわずかに 下回りましたが、円ベースでは為替影響により前期を上回る結 果となりました。
アジアマステージ市場においては、「