資生堂は、「お客さまのお役に 立ち、美しさを通じて世 の 中に 貢 献する」という創 業の 精 神の もと、肌だけでなく心まで含めた
「 最 高 の 美 」の 実 現 に 向 け て、
お客さまとの絆を築き上げてきま した。この「おもてなし」の心を、
世 界 中 のお 客 さまとの 接 点 で 実 践 してい るのが、全 世界で約
22,000
名のビューティーコンサル タント(BC
)です。お客さまお一人 おひとりの肌や 好みにあわせた 美容法を紹 介し、高い安 全 性や 高機能といった商品の価値を伝 えるなど、資生堂のブランド力を 体現することで、資生堂のカウン セリング領域の競争力向上に大 きく貢献しています。これからも、世界中のお客さま に美しく、心までも豊かになって いただくために、
BC
のカウンセ リングを通じ、商品をお求めいた だき、使い続けていただけるよう 取り組んでいきます。
2014
年、BC
の前身となる「ミス・シセイドウ」誕生から
80
周年を迎 えますが、この長い歴史の中で継 承されてきた「おもてなし」の心や 美容の知識・技術をさらに深化さ せていくとともに、世界中に広げ ていくべく、国内外でのトレーニング の強化やIT
を駆使した応対レベル の向上に注力し、お客さまの「最高 の美」を実現していきます。日本の宣伝・広告、デザイン界を 牽引してきました。また、ニュー ヨークやパリなどのコレクション のバックステージや、日本政府主 導の「クールジャパン」支援を目的 としたファッション・ショーでのヘ ア・メークを担当するトップアー ティスト集団の存在も、「最高の美」
の創造における大きな価値となっ ています。
一方、
Web
やIT
デバイスの 進 展やグローバル化など、クリエー ション分 野を取り巻く環 境は急 速な変化を遂げています。資生堂 では、こうした変化のさらに先を 行く独自のクリエイティブに 磨 きをかけ、世界中での「最高の美」の実現をめざしていきます。
資生堂の強み 3
エー クリ ション
おもて なし
価値創造フローマップ
強み
2013年6月より、タブレット型の 携 帯 情 報 端 末「ビューティー・タブレット」を 使 用した カウンセリングを店頭で実施しています。
さらに輝きを放つブランドへ。
国内化粧品事業で最大規模の売上を占める資生堂の最 高級ブランド「クレ・ド・ポー ボーテ(
CPB
)」。2011
年に最 先端の美容理論に基づき、グローバルでラグジュアリーな ブランドに刷新しました。そこですべての指針となったのは、CPB
独自のブランドのコアバリュー「Radiance of joy
(光」 り輝く歓喜)。すでに持っている強みや、今後培っていく強 み、グローバル調査などをもとにつくり上げたもので、お客 さまの肌、心、そしてブランドそのものが「Radiance of joy
」をまとう、輝きのあるブランドとなるという意味を込め ました。そして、研究、商品(開発)、宣伝、店頭応対といった価値 創造プロセスが一 体となった取り組みを重 視しました。
CPB
の価値を店頭からお客さまにお届けするために、月に1
度、各プロセスの責任者を集めた会議体を実施するほか、開発担当が自ら店頭のお客さまの声を聞く機会を設けた り、国内外のビューティーコンサルタント(
BC
)にブランド 価値の理解を深める研修を実施するといった、国内外で価 値の伝達・浸透をめざしてきました。クレ・ド・ポー ボーテ研究所
世界トップレベルの肌細胞研究などを通じて、高い安全 性や機能性、心地よい使用性を実現しています。
Webサイト
ブランドの世界観に浸っていただくブランドサイトや ラウンジのような会話が楽しめるFacebookでの情報 発信。
ラディアンスカウンター
ブランドと商品の輝きを強く表現した販売カウンター。
お客さま視点の設計により居心地のよさも創出。
クレ・ド・ポー ボーテにおける価値
価値創造セクション
新たな価値創造に向け、ブランド価 値の向上に 積 極 的に 取り組む 資生堂。ここでは、資生堂の 数あるブランドの中でも最高級のブランドである
「クレ・ド・ポー ボーテ」における、強みを活かし たブランド価 値の再構築・向上事例をご紹介し ます。
肌の根本細胞※に着目。
予想を超えた新しい輝きに出会う、
ル・セラム(2013年9月発売)
※肌の美しさの根本である「角層」のこと。角層のうるおいケアに着目。
強みの掛け合わせによって、
価値を伝えていく。
ブランド刷新に向けた具体的な取り組みとしては、まず、
2011
年から2013
年の3
年間の計画を描きました。ブランド の強みを活かしスキンケア領域から改革に着手し、その後 メーキャップ領域へと価値を広げていくプランとして、商品 の独自価値の発信のみならず、ブランドの世界観(ブランド のストーリー)まであわせてお届けすることに注力しました。そして、これらの価値が
CPB
に関わる全社員に浸透するよう ブランドブックを作成、配付しました。「技術」においては、細胞レベルで肌を研究し続けてきた 結果、肌が脳と同様に情報を処理する能力があることを発 見し、そこから独自の「ブレインスキン理論」を確立。クレ・ド・
ポー ボーテ研究所から
CPB
の機能性の高さと独自性を発 信してきました。商品開発でも、お客さまの潜在ニーズ(イン サイト)に徹底的にこだわり、新発想の価値を提案する商 品をつくり上げ、新たな美しさの提案を開始しました。「クリエーション」という面では、これまで出会っていない 顧客層を開拓すべく、国内外で実施した大規模なプレス発表 会を皮切りに新たなコミュニケーションを展開。特に、ブラン ドイメージを強力に訴求する広告に加え、体感型のイベント 開催や
Web
を駆使した取り組みが大きな反響を呼びました。「おもてなし」では、お客さまをお迎えするカウンターにおいて、
来店いただいた瞬間に「ときめき」を感じていただける「ラディ アンスカウンター」を導入しました。また、新たなお客さまとの出 会いを広げることを狙いに、短時間で行えるレッスン「プティット・
エコール」もプロモーションとあわせて実施。さらに
2012
年には、美意識の高いお客さまに満足いただくために
BC
の心持ちから 所作、提案までを「ときめき応対」として構築し、国内外で徹底 した研修・セミナーを実施することで、CPB
の価値の伝道師と してBC
の価値をも高める取り組みに努めました。ブランド価値の浸透は、
確かな成果を生む。
約
3
年にわたって実施したこれらの取り組みは大きな成 果を生みました。例えば、2013
年10
月に発売した美容液「ル・セラム」は
CPB
歴代新製品の中で最大の初月売上を記録し、多くの新しいお客さまを獲得。
CPB
は、現在では20
代から60
代まで幅広い年代の方の支持をいただくブランドとなり ました。こうした成果のもと、
CPB
の価値創造・伝達はさらなる加 速をめざします。2015
年3
月期からは、より一層CPB
の独自 性を高めるため、新製品の発売や、「ル・セラム」をはじめ既 存品育成(高額品だからこそ使い続けてファンになっていた だくための活動)の強化などに取り組んでいます。CPB
を ハイプレステージ市場におけるNo.1
ブランドに育てあげると ともに、グローバル展開を進めます。また、この好事例を他 のブランドでも活かしていきます。創造事例
価値創造フローマップ 全体に 関わる 事例
基本方針
資生堂の研究開発は、お客さまの 求める「美」の実現に向け、幅広い技 術・知識を積み上げ、店頭から商品開 発マーケティングなどを含めて統合し ていくことにより、「最高の価値と品 質」の創出をめざしています。さらに、
ますます高度化・多様化する「美」へ のニーズに応えるべく、新たな価値づ くりとして、従来のお客さま起点の「モ ノづくり」を超える、お客さまの心に 共鳴する「コトづくり」にも取り組んで います。具体的には、商品やサービス の機能・効能の強化はもとより、その 先にあるお客さまの心の満足を見つめ、
お客さまの心が何に共鳴するのかを
「知ること」、その実現に向けて「つく ること」、そしてその価値を「伝えるこ
① 研究
と」の3
つの 観 点を重 視した研 究 活 動を進めています。特に、高い研究開 発力と安全性が強みとなっています。革新的な研究開発の推進
技術力強化に向けて、技術基盤の 強化にも取り組んでいます。基礎から 応用までの一貫した研究を可能とする ため、
2013
年9
月には、リサーチセン ター(RC
)金沢八景の機能をRC
新横 浜に統合する一方、2014
年5
月には、兵庫県神戸市に資生堂細胞加工培養 センター(
SPEC
)を開設しました。こ れにより研究開発拠点は、日本を含む5
カ国、計9
カ所となりました。また、研究開発力の最大化に向け、
約
1,000
名の研究者を配置し、グロー バルレベルでの研究開発体制の構築 にも取り組んでいます。具体的には、日本のリサーチセンターをハブ(中枢)
とし、海外の研究開発拠点へ技術を 移行しながら、現地ブランドの商品開
発力を高めて、現地のお客さまへの最 適な価値提供を実現していきます。
美白と抗老化分野の牽引
重点研究領域としては、資生堂の得 意分野である「美白」、「抗老化」に効果 の高い化粧品成分の開発、皮膚の働 きや加齢などの複雑なメカニズムの解 明、化粧品の重要な技術である乳化技 術の開発などがあげられます。例えば、
美白有効成分の研究においては、現 在、日本の厚生労働省認可済みの美白 有効成分約
20
種のうち4
種を資生堂 が開発するなど、日本そして、世界の美 白領域をリードしており、資生堂が開 発し美白成分の代名詞的な存在であっ たアルブチンを超える、「4-
メトキシサリ チル酸カリウム塩(4MSK
)」を開発しま した。さらに、新たな研究領域として、再生医療領域への本格参入や心理学、
行動学などの人文科学領域に取り組 み、技術力向上に努めています。
当期の主な実績
● IFSCC(国際化粧品技術者会)世界大会において、
口頭発表とポスター発表の両部門における 「最優 秀 賞」 を独占。優 秀 賞を含む受 賞は通 算22回目
(世界最多)
● 研究開発費13,540百万円(前期比0.9%減)
●売上高対研究開発費比率1.8%(前期比0.2ポイント減)
● 安全で有効な毛髪再生医療の事業化に向けて、毛髪な どの再生医療研究を専門に行う、カナダのレプリセル ライフサイエンス社と、日本を含むアジアを対象とした 技術提携契約を締結
価値 創造プロセス
価値創造セクション
2014 2013 2012 2011 2010
(億円) (%)
50
0 100 150
1
0 2 3
200 4
145 2.2 145
2.2
147 2.2
135
1.8 137
2.0
研究開発費 売上高対研究開発費比率 研究開発費・売上高対研究開発費比率