経営の基本方針
事 業 報 告 当社グループは、グローバルにhhc理念を日常業務の中で具現化するため、各部門・組織 においてhhc活動に取り組んでおります。以下に、代表的なhhc活動への取り組みについて ご紹介いたします。
「てんかんとともに生きる」
スウェーデンの販売会社であるEisai ABは、てんかんに対する幅広い 疾患啓発活動を実施しております。てんかんは、疾患や病態が正しく理 解されていない実態から、患者様は、疾患治療だけでなく日常生活にお いても様々な苦しみを持っておられます。このため、Eisai ABは、専門 医と連携し「てんかんとともに生きる」(右写真参照)を出版いたしました。
その他、ご自身がてんかんで苦しんでいる著名人によるPR活動や、患者 様とそのご家族が患者様団体、医療従事者、地域住民と病気について話 し合う場を提供するなどの活動を通して、疾患に対する正しい理解と認 知度を高めることで患者様の苦しみを軽減する活動に取り組みました。
「病気になっても安心して暮らせるまちづくりをめざして」
国内における当社の事業活動の大きな目標として、病気になっても安心して暮らせるまち づくりがあります。当社の考える「まちづくり」とは、医療・介護の専門家や行政・自治体、そし て地域住民の方々が連携し、患者様がその人らしく住み慣れた地域で暮らしつづけることが できる「まち」を実現することです。認知症の理解が深まり、認知症
の方と共に歩むことができる地域の実現をめざした「認知症フォー ラム」の開催やかかりつけ医と専門医の医療連携を目的とした「画像 診断システム」の開発と普及への取り組みなどの活動を通して、患者 様を取り巻く社会や生活環境の整備に貢献しております。
「患者様の真実を知るために」
川島工園では、社員一人ひとりが患者様の真実を知るための活動のひとつとして、患者様 とそのご家族をご招待して工場見学会を開催いたしました。川島工園に勤務する社員が、患 者様とそのご家族とともにくすり博物館の見学、包装工程の見学、化学実験の体験、薬草園 の薬草を使ったジュース作りなどを体験し、「患者様が製薬会社に期待されること」、「エーザ イがhhc活動として日々取り組んでいること」などの意見交換を行い
ました。このような体験を通して、新たな気づきや患者様の思いを 知り、当社の事業活動に活かしていく取り組みを行っております。
「てんかんとともに生きる」
認知症フォーラム
医薬品産業は、革新的な治療薬の創出と質の高い情報・サービス・製品の提供を期待され ております。一方で、グローバルな医療費抑制策の推進や新薬開発コストが増大するなかで、
大型企業買収や企業再編も活発化するとともに、副作用や知的財産等のリスクが多様化する など、大きな環境変化を迎えております。あわせて、薬剤を手にすることのできない人々へ の医薬品提供もグローバルな課題として掲げられております。
当社グループでは、このような環境変化に対し、2011年度を最終年度とする第Ⅴ期中期 戦略計画「ドラマティック リープ プラン」を2006年度よりスタートさせ、グローバルな事 業展開において、あらゆることに柔軟かつ丁寧に取り組むことで効率性と生産性の一層の向 上をはかる企業体の構築をめざしてまいりました。
この4年間で、研究開発や事業技術基盤の整備、グローバルな事業強化のための積極的な 投資を行うなど、着実に成果をあげてまいりました。一方、主力品であるアルツハイマー型 認知症治療剤「アリセプト」に関しては、米国において2010年11月に物質特許満了を迎え ることになります。
当社グループとしては、重点領域として位置づけているがん・クリティカルケア、神経、血 管・免疫反応の各領域における開発品の充実、開発期間短縮と早期製品化に向けた取り組み、
世界の各リージョンにおける成長戦略などをしっかりと定めるなど中期的なロードマップを 描き、実行してまいります。そして、「アリセプト」の米国での物質特許満了による業績への 影響を極小化し、中長期的な成長を果たしてまいります。
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)第Ⅴ期中期戦略計画「ドラマティック リープ プラン」本計画が4年経過するなかで、当社グループでは、いくつかの新たなビジネスモデルを創 造してまいりました。
まず、日本、米国、欧州、中国、アジア・大洋州・中東の5リージョン体制を確立いたしまし た。高い成長性が見込まれる中国への取り組みを強化するために独立したリージョンとして マネジメントすることといたしました。日本では、医療用医薬品、一般用医薬品、診断薬、ジ ェネリック医薬品の4事業を統合した戦略を推進するための日本事業本部体制を構築し、欧 州においては、欧州各国の業務軽量化と欧州地域本部への集中を企図したEuropean Efficiency Modelへの転換をはかるなど、地域特性に応じたビジネスモデルの構築を進め てまいりました。
また、米国では、リンパ腫関連製品の製品買収をはじめとして、Morphotek,Inc.、MGI PHARMA,INC.およびAkaRx,Inc.を買収し、世界最大の医薬品市場である米国の事業基盤 を強化するとともに、がん関連領域への本格的な参入を果たしました。
あわせて、ベンチャーの生産性・スピードとグローバルファーマの知の融合をめざし、従 来の研究開発体制を「エーザイ・プロダクトクリエーション・システムズ(EPCS)」へと転換 いたしました。臨床研究においては、外部パートナーとリスクをシェアしながら戦略的に協
2 )経営戦略
事 業 報 告 働するという新たなビジネスモデルに取り組んでおります。
高品質な医薬品を安定的に供給するなかで、さらなる顧客満足の増大、顧客歓喜の創出を めざすために、生産物流活動においてデマンド・チェーン体制を構築いたしました。そして、
薬剤を手にすることのできない人々へ当社製品をお届けするためにグローバルなコスト削減 への取り組みを進めるとともに、企業理念に基づき患者様にとっての価値を創造するため、
間断なきバリュー・チェーンを構築してまいりました。
当社グループでは、これらの取り組みをさらに推し進め、「ドラマティック リープ プラン」
完了以降においても、中長期的な成長を果たしてまいります。
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2
)中長期的な成長を果たすための中期的ロードマップ当社グループは、主力品の「アリセプト」の米国での物質特許満了による業績への影響を極 小化し、中長期的な成長を果たすための中期的ロードマップを描いております。
①フランチャイズ ポートフォリオの変革
米国での主力品「アリセプト」の物質特許満了による業績への影響により、脳神経領域に おけるフランチャイズの規模は相対的に低下することが予想されます。当社グループでは、
従来確立してきた脳神経領域、消化器領域におけるフランチャイズを維持しつつ、先進国、
新興国の双方でアンメット・メディカル・ニーズが拡大しているがん・クリティカルケア領
エーザイの中期的ロードマップ
米国アリセプト物質特許満了を乗り越えて成長する
2011年度目標*
2009年度実績 2013年度推計
(単位:億円)
売上高
1,050 864
8,100 8,032
営業利益
*2010年3月発表数値
②最適なリージョナルバランスの追求
当社グループでは、5リージョン体制を確立し、各リージョンにおける疾患特性や市場構 造などに合致した戦略を推進しております。あわせて、米国での主力品「アリセプト」の物 質特許満了による業績への影響を日本や中国の成長で支え、米国が成長基調へ復した段階 でも新興国で成長を果たすなど、常に各リージョンの状況を踏まえた最適なリージョナル バランスを追求し、成長してまいります。(各リージョンにおける戦略は42頁から44頁ま でをご参照ください)
③中期的ロードマップを支える豊富な開発品
当社グループの2010年度、さらにその後の成長を支える主なフラッグシップ品目は、
抗がん剤「エリブリン(E7389)」、エンドトキシン拮抗剤「エリトラン(E5564)」の自社 創製による新薬候補化合物の2テーマに加え、アリセプトの高用量製剤「アリセプト23mg 徐放製剤」、プロトンポンプ阻害剤「アシフェックス」の長時間作用型製剤の合計4テーマが あります。
日本、米国、欧州で同時に承認申請を果たした「エリブリン(E7389)」については乳が ん治療の新しいゴールドスタンダードの確立を企図しており、「エリトラン(E5564)」に関 しては重症敗血症治療におけるファーストインクラスとして真のライフセービングドラッグ をめざしております。また、「アリセプト23mg 徐放製剤」については中等度から高度のア ルツハイマー型認知症における薬物療法のパラダイムシフトを起こすこと、「アシフェック ス」の長時間作用型製剤に関してはベストインクラスのプロトンポンプ阻害剤としての市場 導入をめざし、それぞれ、承認取得・発売に向けて、特に注力して取り組んでまいります。
また、重点領域であるがん・クリティカルケア、神経、血管・免疫反応の各領域において、
新薬候補化合物や新適応・剤形追加をめざした豊富な開発テーマを有しております。これ らは、中期的なロードマップを支える次期の主力品として取り組んでまいります。
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3
)エーザイ・プロダクトクリエーション・システムズ(EPCS)
当社グループでは、研究開発活動をプロダクトクリエーションと位置づけ、この活動を推 進するために、新しい組織体制として「エーザイ・プロダクトクリエーション・システムズ
(EPCS)」を構築いたしました。
EPCSのめざすところは、製品の創出活動において、より患者様志向を明確にすることに あります。患者様の喜怒哀楽を理解し、患者様が明示的に感じられている問題、暗黙的に持 たれている課題に対して、革新的な治療を提供することにより、患者様の生命・生活の質を 改善することを各々の活動目的としております。
EPCSでは、ベンチャーの生産性・スピードとグローバルファーマの知を融合したシステ ムにより、開発期間の短縮を実現することで、未だ十分な治療法が確立されていない疾病の 克服および患者様や介護者の皆様のQOLの向上に資する革新的な新薬を早期に創出してま いります。