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簡単で安価な標準 EDI クライアントシステム

ドキュメント内 インターネットEDI促進調査研究報告書 (ページ 31-35)

4 インターネット EDI 促進に関する提言

4.4 インターネットEDI システムの企画・ 設計

4.4.2 簡単で安価な標準 EDI クライアントシステム

4.4.2.1 目的

中小企業にでも導入可能な,簡単で安価なEDIクライアントシステムを開発する。標準化 の問題,ユーザー体制・能力の問題,利便性の問題,及び費用の問題を解決する。

4.4.2.2 簡易 EDI クライアントシステムのシステム機能

システム機能は図4.3「簡易EDIシステムのシステム機能」を参照。

HTML 文書 

(EDI 交換データ+画 面フォーマット定義) 

EDI/Web サーバー 

従来の Web‑EDI 

(画面表示が Web サーバー毎に固 定) 

XML 文書 

(EDI 交換データ) 

XML 

EDI/Web サーバー 

XML,XSL を活用した Web‑EDI 

(標準メッセージの相互運用性を確保した ままで,画面のカスタマイズ可能) 

XML スタイルシート 

(画面フォーマット定 義) 

HTML 

図 4.3  簡易 EDI システムのシステム機能 

(1) EDIメッセージ送受信機能

EDI メッセージの送受信機能を司り,XML データを取り出す。実装方法として以下の方 法がある。

① Web-EDIのダウンロード機能を利用

Web-EDI のサーバーから提供されるファイルダウンロード機能を利用する方法が一番

簡単で安価な方法である。

l Web-EDI の標準のクライアント機能だけで実現できるので,Web ブラウザだけで

実現できる。特別な技術,ソフトウェア製品の実装などを必要としない。

l デメリットとして,高機能を付加できない。また,EDIメッセージの受信だけが可 能であり,発信が不可能。

② 簡易アプリケーションサーバー機能を実装

Webサーバー機能を持った簡易アプリケーションサーバー機能を実装する方法である。

l アプリケーションサーバー機能は,クライアント PCでも PCサーバーでも実装が 可能。

l 簡易アプリケーションサーバー機能として,Webサーバー機能,JAVA環境,通信 機能などを装備している。

l 高機能を付加することが可能になる。例:トランスレーション機能,複数の取引先 がある場合のハブ機能。

l EDIメッセージの受信だけでなく,発信も可能になる。ファイルのアップロード,

 

XML データ  インターネット 

EDI サーバー 

(Web‑EDI,ファイル転送型) 

ルータ 

EDI メッセージ  送受信機能  XML データ 

基幹 DB  ファイアウォール 

標準メッセージ  XML Schema  表示・帳票 

簡易 EDI システム 

(クライアント PC) 

標準メッセージ  処理機能 

社内バックエン

ドシステム  Schema  対応付け 

(HTTP,HTTPS,SMTP) 

ダウンロードが可能である。Windowsのコマンドでの処理など。

l 標準的な価格は約20〜50万円。

③ 高機能・高信頼性メッセージ搬送機能を実装

高機能で高信頼性のEDIメッセージ搬送機能標準としてebXML Message Service仕様

(略称:ebMS)がある。この機能を実装する方法がある。

l ebMSをサポートしているソフトウェアとして,香港の CECIDがオープンソース ソフトウェアとして提供しているebMailがある。オープンソースソフトなので,

保証・メンテナンスサービスが得られない。費用はゼロである。通信プロトコルは SMTPである。技術サポート,メンテナンスの課題がある。IT ベンダーなどのサ ポートが必要である。高信頼性メッセージ搬送機能を持っていない。

l ebMSをサポートしているソフトウェア製品として,大手ITベンダーから「アプリ ケーションサーバー」などの名称で販売されている。通信プロトコルはHTTP(又

はHTTPS)である。IT ベンダーからの保証・メンテナンスサポートが得られる。

市販価格は50万円〜100万円である。

(2) 標準メッセージ処理機能

標準メッセージ処理機能は,EDIメッセージ送受信機能で得られたXML/EDIデータの処 理を行う。EDI標準メッセージのXML Schemaをベースに標準メッセージの表示と帳票印 刷を行う。社内バックエンドシステムと連携する。

① 実現方法A:B2Bサーバーの利用

一般的にソフトウェア製品化されているB2Bサーバーの利用が出来る。標準メッセージ の各種処理機能を持っている。トランスレーション機能も持っている。但し100万円以上 と高価である。

② 実現方法B:MS Office Systemの利用

マイクロソフト社が2003年10月に発売開始したOffice System Infopath 2003を利用 できる。

l 業界などで開発・提供されたEDI標準メッセージのXML Schemaを利用して,EDI 処理用の画面をGUI(Graphic User Interface)方式で簡単・効率的に開発する。

画面を帳票としても利用する。この方法により,従来のEDI システムで必要だっ たトランスレーションの機能を不要としている。

l InfoPath 2003によるEDI画面は,個別に開発しても,業界又はグループで標準的

に開発して利用する方法が取れる。

l EDIメッセージ送受信機能で得られたXML/EDIデータをInfoPath 2003に取り込 んで,画面表示と設定入力をする。

l EDI標準メッセージデータ(XMLデータ)は,Schemaの対応付けをして,社内バ ックエンドシステムと連携する。

l InfoPath 2003の市販価格は1ユーザー当たり25,000円である。

(3) 通信プロトコル

通信プロトコルは,広く利用が進んでいるHTTP(又はHTTPS)の利用と,SMTPの利 用がある。

① HTTP(又はHTTPS)

最近のWeb処理,ファイル転送処理として最も多く利用されている通信プロトコルであ る。

l HTTPSはHTTPにSSLのセキュリティ機能を付加した通信プロトコルである。

l HTTP(又はHTTPS)は,Push型EDIとPull型EDIの両方の通信が可能である。

l HTTP(又はHTTPS)によりPush 型の通信をするには,固定IPアドレスが必要

になる。固定IPアドレスを持つことは,一般的には PCサーバーの位置付けにな る。PC サーバーとなるため,セキュリティ対策,運用管理が必要になる。中小企 業でもインターネット接続契約でISP(Internet Service provider)からIPアドレ スが割り当てられるので,利用が可能である。月額5,000円程度。サーバーの運 用管理には専門的な技術が必要となるため,中小企業では導入が困難な場合が多い。

l HTTP では,一般的にサーバー認証と SSL(HTTPS)でセキュリティ対応してい る。クライアント認証を取得・利用しなくてもセキュリティが保たれる。

② SMTP

e-mail送受信で使用されている通信プロトコルである。インターネットEDIの通信プロ

トコルとしても利用されている。

l インターネットに接続する場合に固定IPアドレスが不要であり,容易にインターネ ットで通信が出来る。

l SMTPでセキュリティを確保するには,一般的に,個々のユーザー毎にクライアン ト認証(電子証明書)の取得・利用が必要になる。

l 通常のe-mailの使い方ではPull型EDIの通信しか対応できない。

l インターネットEDIなどのB2Bシステムでは,余りSMTPは利用されていない。

理由:一般的に信頼性が低い。一般的に EDI 等の企業間通信に使用する場合は,

クライアント認証(電子証明書)の取得・利用が必要。

備考:

l SSL:Secure Sockets Layerの略。米ネットスケープ・コミュニケーションズ社が,

HTTPプロトコルにセキュリティ機能を組み込むことを目的に開発した。HTTP以 外にFTP(ファイル転送プロトコル)などのTCP/IPアプリケーションでも利用で き,現在ではグローバルスタンダードになっている。SSLには認証と暗号化の機能 があり,盗聴・改竄を防止できる。

l Push型EDI:受信者の所有(又は使用)するコンピュータに,送信者からEDIデ

ータを送り付ける方式。インターネットの固定IPアドレスが必要になる。一般的 にはサーバーが必要になる。

l Pull型EDI:受信者が,送信者の所有(又は使用)するコンピュータ(又は蓄積交

換のサーバー等に)にEDIデータを取りに行く方式。インターネットの固定IPア ドレスが不要である。一般的には,受信側システムはクライアントパソコンで構築

可能である。

(4) システム構成

中小企業でも導入可能な簡易EDIシステムとしてのハードウェア・OSは汎用パソコンレ ベルが望ましい。但し最近では,ITベンダー各社が中小企業向けPCサーバーを発売開始し ており,簡易EDIシステムコンピュータとしての採用も考えられる。

備考:中小企業向けPCサーバーは,マイクロソフト社「Windows Small Business Server

2003」を搭載し,10万円〜20万円で提供されている。(2004年1月)

4.4.2.3 条件

l EDIサーバー側から取引データ(標準メッセージ)のXMLデータを提供する。

l 既に業界としてXML/EDIを導入している業界(例:航空宇宙業界,塗料業界,化学業界の

ChemicalArc)があり,今後も拡大の方向である。これらのXML/EDIシステムでは,本方

法で,簡易に,標準化の問題,利便性の問題,及び費用の問題を解決できる。

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