5 中小製造業向けインターネットEDIシステムの考察
5.8 今後の課題( まとめ)
5.8.1 中小製造業共通 EDI フレームワーク実現のために
(1) ebXMLを補完する標準化
l 中小製造業共通EDIフレームワークの共通取引合意(CPA)の標準化 通信プロトコル,セキュリティ,リライアビリティなどの標準化
l Pull型EDI方式の標準化
通信プロトコル,リライアビリティ,データダウンロード方式などの標準化 l 中小製造業向け企業間商取引ビジネスプロセスのモデル化と標準化
国際標準UBLの中小製造業向け商取引への適用可能性評価
l 業務アプリケーションとの間のデータ渡し方式に対応するインタフェースの標準化 l 簡易受発注システムについてのインタフェース方式の標準化
(2) EDI-HUBサービスの提供方法検証
l EDI-HUBビジネスの成立可能性検証
中小製造業が対応可能な運用コストでサービスを提供できるEDI-HUBビジネスモデル の成立可能性の検証とEDI-HUBサービス提供事業者の発掘・組織化
l 中小製造業へebMS準拠のクライアントソフトの安価な提供方法検証 l 中小製造業へ安価なEDI導入支援サービス提供のための方法検証 (3) 中小製造業向け共通EDIフレームワークの開発と実証実験実施
l EDI-HUBサーバーの開発
l Push型およびPull型クライアント向けMSHモジュールの開発 l 簡易標準受発注アプリケーションの開発
l 中小製造業向け共通EDIフレームワークの実証実験実施 (4) 中小製造業向け共通EDIフレームワーク普及のための仕組み構築
l 共通EDIフレームワーク開発と維持・普及のための組織創設
l 中小製造業向けディジタル認証局サービスと統一企業コードサービスの提供 l 共通EDIフレームワーク普及のための行政による政策的支援
5.8.2 他の中小企業業界 EDI への展開
(1) 大企業から小規模中小企業までを包含する業界EDI
中小製造業向け共通 EDI フレームワークは大企業から小規模中小製造業までの広範囲な 企業を統一的なEDIネットワークで接続することを想定して提案されている。ネットワーク への参加企業が製造業と同様の構成であれば共通EDIフレームワークはそのまま利用できる 可能性が高い。
UBLでカバーできない業界固有のメッセージがある場合には,この部分を補強した業界メ ッセージ標準を導入すればよく,プラットフォームはそのまま利用できる。全国的なネット ワーク展開が必要な業界などは共通EDIフレームワークを利用することにより大きなメリッ トが得られると予想される。
(2) 地域的なネットワークの中小企業業界EDI
中小企業が地域的なローカルEDIネットワークを構築しようとする場合は,インターネッ ト・プロバイダのメールサービスを利用するメール型EDI方式が取り扱いの容易さ,手ごろ な価格などの条件を満たしている。
メール型EDIの弱点をカバーするためにメール型EDIにebXML標準を組み込む方式も 可能であるが,この場合には共通EDIフレームワークを利用する選択肢との利害得失を評価 しておく必要がある。
中小企業全体をカバーする EDI のあるべき姿全体像を描くことは今後の最も重要な課題 である。