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本研究における限界の一つ目は,右上肢だけに限られた研究であることである.右 上肢の運動を計測することは,乳児の頭部の向き癖や利き手との関係性の高さから,

目と手の協調性や随意運動の出現をみるに有効な方法ではあるが,右上肢と左上肢と の違いはあるのか,上肢は正中指向に発達するが右上肢と左上肢の関係性はどのよう に変化するのか,自動歩行が消失してから歩行の獲得まで1年を要する下肢について

今回の知見がそのまま当てはまるかどうか,改めて調べる必要がある.

二つ目は,対象数およびデータ数が少ないことである.乳児の覚醒レベルは移ろい やすく欠損値が多く発生した.本研究の結果は欠損値を数学的な手法で補定して得ら れたものであるので,より完全なデータでの確認が必要である.また,本研究で得ら れたデータが示しているものが,先天的に定められたものの結果なのか,後天的に得 られた結果なのか不明である.先天的に定められているとするならば,今回の研究の ように修正月齢でそろえ比較すればよいが,後天的に得られたものによるならば,在 胎週数に関係なく対象の出生時期にそろえ比較する必要があるが,今回の研究では対 象数が少なく,後天的に得られた結果なのかの検討がなされていないので,今後の課 題の一つである.

三つ目は機器の問題である.今回の研究では体の小さな早期産児の負担にならない ようシリーズ最小最軽量のセンサを用いたが,用いたセンサは有線であり,また計測

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機器の計測時間に制限があり長時間の計測ができなかった.長時間の計測には有線で なく,本研究で用いたものよりも軽量で小さなマーカやセンサを用いたもの,または マーカやセンサを用いないシステムが有用であると考える.このようなシステムを用 いることができると,二つ目の課題の解決にもつながると考える.

四つ目が障害を持つ乳児のデータの取得についてである.本研究では,障害の疑い のない乳児を対象としたが,この結果が障害のない乳児特有のものなのか把握するた めに,障害を持つ乳児との比較が必要である.脳性麻痺や自閉症スペクトラムなどの 乳児の時期のデータと比較できれば,運動に表出されたものから障害の予測が可能に なるものと考える.

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