てい
るこ
とを
指摘
して
いる
︒
それでは︑浄土宗総合研究所の﹁檀信徒アンケート﹂では︑﹁自
分のお葬式を行いたいか﹂ということについてどのような結果が出
ているだろうか︒全教区の数値︑各教化センターの数値︑および参
考として東京・神奈川教区の数値を比較してみよう︒
Q
あなたは︑ご自分が亡くなった際には︑お葬式をしてほしいと
思いますか︒
全教区では︑﹁1.
必ず
して
ほし
い﹂
日%
︑﹁
2 .
できればしてほ
しい﹂泊
%で
あり
︑あ
わせ
ると
∞∞
%の
人が
﹁お
葬式
をし
てほ
しい
﹂
と考えていることがわかる︒この﹁お葬式をしてほしい﹂という数
値が高いのが︑東北(但%)︑九州(引%)
であ
る
︒
一方
やや
低い
のが︑北海道(位%)
であ
る
︒このように教化センターごとにやや
数値に違いがみられるものの︑およそ9割という多くの人が﹁お葬
式をしてほしい﹂と考えていることが明らかになった︒
しかしながら︑﹁してほしいとは思わない﹂との回答に注目して
みると︑全教区では3%であるが︑北海道︑関東では5%︑東京・
神奈川では8%にも上っている︒この東京・神奈川の8%という数
値は︑読売新聞のアンケートで﹁葬式はしなくてよい﹂と回答した
シリ
ーズ
激変する檀信徒の宗教観
崩れ
ゆく
葬祭
のと
ころ
1.必ずし 2!.;fできれし て ほ 3し い と は. し て ほ 4 ま だ わ 5.その他 複数回答 無回答
てほしい しい 思わない からない
北海道 32% 50% 5 % 11% 0 % 0% 2 % 東北 65% 29% 0 % 5 % 0 % 0 % 1 % 北陸 54% 36% 2 % 6 % 0 % 0 % 2 % 関東 50% 36% 5 % 7 % 1 % 0% 1 % 東 海 48% 39% 3 % 7 % 1 % 1 % 1% 近畿 56% 31 % 4 % 7 % 1 % 0% 1 % 中四国 56% 33% 2 % 7 % 1 % 0 % 1 % 九州 59% 32% 2 % 4 % 0 % 1 % 2 % 東京 ・
44% 39% 8 % 8 % 1 % 0 % 0% 神奈川
全教区 54% 34% 3 % 7 % 1 % 0.3% 1 %
8・
1%
とほ
ぼ同
じ数
値であった︒
しか
し︑
読売新聞のアンケl
トが不特定多数の
般のアンケートであ
るのに対し︑本調査
は﹁平成に入ってか
らお葬式の喪主を務
めた浄土宗の檀信徒
に対
する
アン
ケー
ト﹂
であ
り︑
アンケート
用紙は﹁住職が手渡
しで配布した﹂とい
うことを考えると︑
同じ
8%
であ
って
も︑
この数値が持つ意味
に大きな違いがある
ことは明らかである︒
どのような形式のお葬式を望みますか
9しい﹂もしくは﹁2 先に見た﹁お葬式をしてほしいか﹂の質問で︑﹁1.必ずしてほ
できればしてほしい﹂と回答した人に︑﹁あ
なたは︑どのような形式のお葬式を望みますか﹂と質問をした︒
1.僧侶を 2.自分 3.宗教 招いた家 の希望 4.遺 族 の宗旨で する宗色のな
にまか5.その他 6.まだわ 複数 無回答 ある浄土教によ いお別
せる からない 回答
宗の葬式 る葬式 れ会
北 海 道 81% 2 % 0 % 15% 0 % 0 % 0 % 2 % 東 北 84% 1 % 1 % 13% 0 % 1 % 0% 0 % 北 陸 77% 1 % 1 % 19% 0 % 0 % 1 % 1 % 関 東 73% 2 % 1 % 21% 0 % 1 % 1 % 1 % 東 海 73% 0 % 0 % 24% 0 % 1 % 1 % 1 % 近 畿 80% 1 % 1 % 16% 1 % 0 % 0% 1 % 中 四 国 81 % 1 % 0 % 15% 0 % 1 % 0 % 2 % 九 州 78% 1 % 1 % 18% 0 % 0% 0 % 2 % 東京・ 73% 3 % 0 % 21% 0 % 1 % 1 % 1 % 神 奈 川
全 教 区 77% 1 % 1 % 18% 0 % 0% 1 % 1 %
この回答では全国的
に大きな差異は見られ
ず︑
ほぽ
8割
近く
が﹁
僧
侶を招いた家の宗旨で
ある浄土宗のお葬式﹂
を望んでいる︒
方
﹁自分の希望する宗教
によるお葬式﹂や﹁宗
教色のないお別れ会を
希望する﹂は113%
と少数である︒前述の
読売新聞のアンケ
ート
では︑﹁形式にとらわ
れない無宗教の葬式に
してほしい﹂と回答し た人が約4割いたことと較べると対照的であるといえよう︒
﹁3.遺族にまかせる﹂という回答は︑全教区では国%と約2割
の人が︑自分のお葬式を遺族に任せると考えている︒この割合がや
や高
いの
が東
海(
M%
)︑
関東
(剖
%)
であ
り︑
低い
のが
東北
(日
%)
であ
った
︒この﹁自分のお葬式は遺族に任せる﹂と考える理由につ
いては一概にいうことはできないだろう︒
しか
し︑
﹁お
葬式
は亡
く
なる人があれこれ考えるものではない﹂という伝統的な考え方︑ま
た﹁自分のお葬式についてあれこれ言うと遺族に迷惑を掛けてしま
う﹂
とい
う家
族に
対す
る遠
慮︑
この
両方
の理
由が
ある
のか
もし
れな
い︒
どの範囲の会葬者を望みますか
9近年﹁家族葬﹂という言葉が頻繁にメディア等に登場するように
なってきた︒首都圏では﹁家族葬﹂専門を標梼する葬儀社のフラン
チャイズチェーンができるなどさまざまな動きがある︒
﹁家
族葬
﹂
とは第2回でも触れたように︑家族親族等の血縁︑および少数の友
人といった小規模の﹁お葬式﹂を指すようであり︑﹁家族葬﹂とい
う言葉はおそらく葬祭業者が︑営業上作り上げた言葉だと思われる︒
このような﹁家族葬﹂が増加した理由のひとつとして︑高齢での死
者が増えたこと︑また近隣などでの人間関係が希薄化したことなど
が挙げられよう︒
浄土宗総合研究所の﹁檀信徒アンケート﹂では︑自分のお葬式に
呼びたい人の範囲を次のように尋ねた︒
Q
あなたのお葬式の会葬は︑どの範囲の人々に来て欲しいと思い
ますか︒
6.家族・
5家族・親戚・友 3.家族・ 4家族・ 親戚・友人‑地域
l家族2.家族・
親戚・友親戚・友人‑地域 の人々・
7その他 複数 のみ 親戚 人 人‑地域の人々 ・仕事関係 回答 無回答
の人々 仕事関係 の人キ ・ の人キ 遺族の関
係の人々
北 海 道 4% 9% 24% 35% 7% 17% 0% 0% 4%
東 北 2% 7% 16% 31% 12% 25% 0% 0% 5%
北 陸 1% 12% 16% 26% 19% 24% 1% 0% 1%
関 東 3% 10% 21% 22% 18% 23% 1% 0% 2%
東 海 1% 8% 20% 30% 12% 24% 1% 1% 3%
近 畿 3% 8% 14% 32% 18% 21% 1% 1% 3%
中四国 4% 8% 13% 31% 12% 23% 2% 0% 6%
九州 3% 9% 26% 31% 8% 17% 1% 0% 5%
東京・ 4% 12% 26% 20% 16% 20% 1% 0% 1%
神 奈 川
全教区 3% 9% 18% 29% 15% 22% 1% 0% 3%
シ リ
ーズ
激変 する 檀信 徒の 宗教 観
崩れ
ゆく
葬祭
のこ
とろ
どの教化センターでも︑﹁
4 .
家族・親戚・友人・地域の人﹂と
いう回答が一番多いようである︒
なお
︑回
答の
﹁ 1 .
家族
のみ
﹂﹁
2 .
家族
・親
戚﹂
﹁3 .
家族・親戚・友人﹂までが︑地域の人々︑仕事
の関係などを含まない﹁狭い範囲での参列者﹂と考えることができ
ょう︒
この
113までの合計をみると次のようになる︒
1~3 の合計 北 海 道 37%
東 北 25% 北 陸 29%
関 東 34%
東 海 29%
近 畿 25%
中四国 25%
九州 38%
東京・神奈川 42%
全教区 30%
全教区では3割が家族・親戚・友人までの﹁
狭い 範囲 での お葬 式﹂
を望んでいることが分かる︒
この
﹁狭い範囲でのお葬式﹂の数値が
高いのが九州(お%)︑北海道(訂%)
であ
る
︒また︑東京・神奈
川も必%と高くなっている︒逆に東北︑近畿︑中四国ではあ%と低
い数値を示しており︑﹁広い範囲でのお葬式﹂を望む人が多いこと
が分かる︒
なお
︑東
京都
生活
文化
局の
﹃葬儀に関わる費用等調査報告書﹂(平
成凶年
3月)での︑﹁あなたはご自分の葬儀の規模についてどのよ
うに思いますか︒
一つ あげ て下 さい
︒﹂との質問では︑次の通りで
ある
︒
考 そ f丁‑
親し多少 金お
え の つ'
た 他 て、、 の を
、
事ーー ほ 人 お か と し と 金 け カf く ,、
lま て
、ー
な な ぢ か
iもL
¥
ハ 、し ん台、 家族
ま て〉 派 とりても し
だ し人 て 17 て 並 ほ で ほ み し 埋 し U、
葬、し し
て ほ
"し
、
8 3 13 59 12
。
叩 30 加 10
ω
却% % % % % %
この質問では﹁自分のお葬式﹂を﹁親しい人とこぢんまりとして
ほしい﹂と考えている人が約6割となっている︒この東京都生活文
化局の質問は︑﹁金銭的問題での質問﹂となっているため︑浄土宗
総合研究所の﹁檀信徒アンケート﹂とは質問内容が異なるものでは
ある
が︑
やはり﹁お葬式の規模を小さくしたい﹂という意識は共通
しているようである︒
お葬式の意味は何だと思いますか
9
最後に︑﹁自分のお葬式﹂にはどのような意味があると考えてい
るかについて見てみよう︒
全教 区で は︑
﹁ 1 .
家族や友人との別れ﹂が叫%と最も多く︑次
いで﹁極楽浄土に送ってもらう﹂がお%と多くなっている︒
この
2
つの回答が多いことは︑どの教化センターでも同じであるが︑北海
1.家族や 2.自分の
3.遺族の 4.極 楽 浄5.家 の 先 友 人 な ど冥 福 を 祈
心 を 慰 め 土 へ 送 っ 祖になる 6.その他 複 数 回 答 無 回 答 との別れ ってもら る てもらう 儀 式
つ
北 海 道 39% 7 % 4 % 46% 0 % 2 % 2 % 0 % 東 北 41 % 10% 2 % 41% 4 % 0 % 0 % 1%
北 陸 47% 11% 5 % 33% 1 % 1 % 0 % 2 % 関 東 43% 10% 4 % 36% 4 % 1 % 1 % 1 % 東 海 47% 12% 6 % 27% 6 % 1 % 1 % 1 % 近畿 44% 12% 3% 34% 5 % 1 % 0 % 1 % 中四国 37% 9 % 2 % 41% 7 % 3 % 0 % 1 % 九州 48% 8 % 1 % 37% 4 % 1 % 0 % 1 % 東 京 ・ 48% 9 % 6 % 32% 3 % 1 % 1 % 1 % 神奈川
全 教 区 44% 11% 3 % 35% 5 % 1 % 0 % 1 % 道と
中四 国で は﹁ 家族 友人 との 別れ
﹂( 告別 )よ りも
﹁極 楽浄 土へ 送つ
てもらう﹂との数値が若干多くなっているのが特徴である︒
また
︑﹁
5 .
家の先祖になる儀式﹂との回答した人は︑中四国で
は7%
いるが︑北陸では
1%
︑北海
道で
は0
%とな
って いる
︒
概
にはいえないだろうが︑地域による宗教観や先祖観の違いが反映さ
れているのかもしれない︒
これまで﹁自分のお葬式﹂について︑特に﹁お葬式をしてほしい
か﹂﹁どのような形式のお葬式がよいか﹂﹁会葬者の範囲﹂﹁自分の
お葬式の意味﹂について︑教化センターごとの比較をすることによ
り考察をしてきた︒第5回に掲載したように﹁喪主としてどのよう
なお葬式を行ったか﹂ということに関しては︑教化センターにより
大きな違いが見られた︒しかし︑今回見たように︑﹁自分のお葬式
をどのようにしたいか﹂ということに関しては︑地域による大きな
違いは見られないようである︒
一般の調査や新聞報道などにより︑お葬式を否定する意見や︑﹁家
族葬﹂などの小規模の﹁お葬式﹂を望む人が多くいることが伝えら
れ︑﹁もはや伝統的なお葬式がすべてではない﹂ことが指摘されて
いる
︒今回の浄土宗総合研究所の﹁檀信徒アンケ
ート
﹂では︑菩提
寺の住職にお葬式を依頼し浄土宗の﹁お葬式﹂を喪主として経験し
た人 であ って も︑
﹁自分のお葬式﹂の場合は︑﹁まだ分からない﹂と
態度を決めかねている人︑また浄土宗以外の﹁お葬式﹂を望む人も
少なからずいることが明らかとなった︒このことを重く受けとめな
シリ ーズ
激変 する 檀信 徒の 宗教 観 崩れ ゆく 葬祭 のと ころ
くてはならないだろう︒
(大
蔵健
司)