A Research of system design of to encourage voluntary quit for preventing replay desire loss in games
2. 第 6 回シリアスゲームジャムの実施報告
シリアスゲームジャムを開催するにあたっては,テ ーマの選定,適切な専門家及び実行委員による協力体 制の確立,会場選定,日程選定及び協力企業・組織等へ の支援依頼を行うことが重要である[4].また,ターゲッ トを明確にした参加者募集,チーム編成,事前に実施す る企画コンテスト(以下 ペラコン)等を実施する.以 下,各項目の検討過程を含めて実施内容を述べる.
2.1 テーマの設定
先述した通り,これまでのテーマは第1回から第3回 までは教育に関連するもの,第4,5回では社会問題に 対する啓蒙であった.第6回では,我が国における以下 の2つの課題を挙げることとした.
1. 2020年の学習指導要領改訂による小学校の英語学習
の導入に伴う,家庭における親子で行う英語学習の 機会の必要性向上
2. 核家族化が進み,両親の共働きによる親子のコミュ ニケーション時間の減少
これら 2 つの課題解決を目的としたシリアスゲーム 開発を目指し,~えいごでコミュニケーション English
Please!~をテーマとすることを決めた.また,参加告知
の際には開発するゲームの共通ユーザニーズとして以 下の内容を伝えた.
対象ユーザ:日本語しかわからない小学生(3年生)
子供とご両親
・児童に「英語は楽しい!」という気持ちを持たせる
・親子のコミュニケーションのきっかけづくりや、伸 長を目指す
テーマの内容について,情報とコラボレーションの 専門家である実行委員の髙澤氏による講義をビデオ収
録して YouTube 上にアップし,参加者にテーマの情報
提供を行った.更に,前述したユーザニーズの対象ユー ザである“日本語しかわからない小学生(3年生)の子供 とご両親”をイメージキャラクタとし,学生にキャラク タデザインを依頼した.その結果,日本人の父とオラン ダ人の母を持ち,小学校で英語を学習しはじめた小学 生のマリイ(Marie)とサラリーマンの父・哲也(Tetsuya)の 親子のポスターが完成した(図1).
図1 第6回シリアスゲームジャムポスター
2.2 専門家及び実行委員による協力体制の確立 シリアスゲームジャムは,ゲーム制作に興味のある 参加者と,テーマとして設定する社会問題の専門家が 協働でシリアスゲームを制作することを特徴とする.
これは,専門家の知識を開発者と共有することにより,
適切な内容をゲームで実現するためである.
前回の第 5 回シリアスゲームジャムの際,参加者が 制作の各段階で専門家の方に質問をし,設計に適時反 映していた点が良かったという経験から,今回のシリ アスゲームジャムでも同様の体制を実現した[4].
また,その他の実行委員としてはこれまでのシリア スゲームジャムを開催してきたゲーム教育 SIG メンバ の他,ゲームジャムの運営経験が豊富な方,シリアスゲ ームの教育への応用について研究している大学院生,
ジャーナリスト等に運営側に入っていただき,今後の 継続的な実施に向けて,様々なノウハウの共有ができ る体制を組んだ.更に,(株)SQOOLの加藤賢治氏に はメディアパートナーとしてシリアスゲームジャムの 活動内容を記事にしていただいた.
2.3 参加者の募集とチーム編成
参加者の募集にあたっては,これまでの経験等に基 づき,以下の日程で募集やコンテストなど事前イベン トを行い,シリアスゲームジャムを開催した.
2017年10月11日から教員の口コミ,ホーム・ペー
ジ及びSNS,DiGRA JAPANのHPとニューズレター上
で参加者募集を開始した.具体的には,各大学・専門学 校,ゲーム制作会社,社員研修に積極的なIT関連企業,
留学生のいる大学等を対象に募集告知をした結果,社 会人(日本人):7名,社会人(外国人):1名,学生(日本人):
13名学生(外国人): 2名の,計23名の参加者が11月3 日締切までに集まった.
また,並行してシリアスゲームの企画書コンテスト の受付を実施した結果,10月13日から11月6日まで に 7 作品が投稿された.この中から実行委員により審 査を実施して 5 作品を選考した.続いて参加者にはど の作品を制作したいか第 3 希望まで申告するアンケー トを実施し,希望の作品とスキルのバランスが合致す るようなチームを編成した(表1).各作品への希望人数
から,SGJ6では4作品を開発することになった.事後 作業も確実にやり遂げてもらうための配慮から,コア となる数名が同じ組織となるように編成した.
表1 参加者のスキルとチーム編成
チーム編成を発表した11 月16 日からジャム当日の
12月16,17日までの約1 ヶ月間,各チーム内のコミュ
ニケーション及び事前準備は自由とし,当日までには チーム形成の基本部分が完成しているようにした.こ の間に実行委員会からは,実施を義務としない 6 つの
課題(CHALLENGE#1チーム名の作成 #2FBページの公
開 #3レポート提出 #4ロゴの製作 #5使用データ一覧 表作成 #6会場設営者を選出)を出した.提出が確認さ れた内容には点数化し参加者へ提示した.
2.3 制作した5作品の紹介
(1) Discovery(Release & Support Award受賞)
本作品は脱出ゲームである.出題された英語に一致 する道具を親子で見つけだし小学校から脱出するとい うシナリオである.子供はコントローラーを利用して 教室の中を探索し,黒板に出題される英単語を保護者 と共に考えながら進行することを目的としている.リ アルな室内が疑似体験されたことが評価されRelease &
Support Awardを受賞した.
(2)
Englishクエストロールプレイングゲームを行いながら英語を学習す る作品である.ストーリーを進める中で敵と戦闘を行 い, 最後に最終ボスキャラクターである魔王を倒すこ とを目指す. 本チームは,親子のコミュニケーションは
「疑問点に対する対話」と定義した.そのため,親子の コミュニケーションとして「わからない単語問題を両 親に聞く」ことにより,コミュニケーションを図るシス テムを目指した.
(3) Where is the restroom?
(Grand Prix Award,Excellent Researcher Award受賞) 海外で誰もが尋ねるであろう「Where is the restroom?」 を疑似体験することを目的としている.プレイヤーの 親子は,トイレの位置を店員さんに尋ねると英語で教 えてもらえることを参考に,キャラクターをトイレま で誘導するゲームである.子供が機器の操作をし,親は 子供から聞かれた質問にボディーランゲージで教える ルールとなっている.誰でも海外で使う英単語を学習 するという着眼点とゲーム性が評価され,2つの賞を 受賞した.
(4) 探掘でディギン (Excellent Design Award受賞) 本チームは,探掘でディギンにおけるコミュニケー ションを,「言葉」と「認識」を伝達することと定義し ている.そのため本ゲームは,子供にVRの操作,親に モニター側のオペレーターの役を与えている.回答者 はVRを操作する子供となっており,オペレーターの役 割をもつ親の協力が必須である.VR とモニター側は,
異なる情報が表示されているため,お互いに「言葉」で
「情報」を伝達しなければならない.これらのゲーム性 や VR によるコミュニケーションシステムが評価され Excellent Design Award受賞した.
図2 試遊会の様子
2.4 Release & Support Awardについて
先述したように,第 6 回シリアスゲームジャムでは
「リリースサポート賞」を設けた.これは,過去のシリ アスゲームジャムにおいて,アイディアは素晴らしい のにイベント終了後に完成させてリリースしないソフ トが多くあるためである.本賞は,実行委員会がシリア スゲームジャム終了後も受賞チームに対してリリース
team 1 2 3 4
ディレクター 0 2 4 1 プランナ 1 0 4 1 プログラマ 4 4 3 2 デザイナー
デザイナー(2D) 1 0 0 1 3
3Dモデラ 1 0 0 0 サウンド 0 2 2 0 リサーチャー 0 2 4 1
日本人 3 4 3 3
外国人 0 0 0 2
3 2 4 1
6 6 7(1) 6 スキル
自己申告 重複あり
学生
社会人 人数(当日欠席人数)
に向けたサポートを行う新たな試みである.このよう な支援がきっかけとなり,イベント参加者が自ら制作 した作品を世の中に普及させるまでのプロセスを実践 的に学習する機会になることを期待している.
図4 表彰式後の集合写真
SGJ6では,Discoveryのリリースを目指す実行委員会
側のサポートを松尾が担当し,開発の状況確認及び技 術サポートを実施している.リリースまでの期間はシ リアスゲームジャム後 3 ヶ月間と考え,この期間内で の開発が進まない場合も想定し,その場合には実行委 員が開発を引き継ぐことを予定している.どちらの形
式によるリースの場合も,その後シリアスゲームジャ ムの成果として学会等での成果展示や宣伝等の協力を 実行委員会として実施する予定である.
5. おわりに
本稿では,第 6 回シリアスゲームジャムの開催概要 を報告した.これまで6回の開催経験を通し,効率的な 運営のために必要なノウハウを蓄積してきた.これら の成果は,今後マニュアル化することによって本イベ ントを今後も継続的に実施できるようにするとともに,
シリアスゲームの社会的認知度向上に向けて,ゲーム 教育 SIG として活動を続ける予定である.また,初め ての試みとして設けた「リリースサポート賞」について は,今後の推移と成果を期待したい.
文 献
[1] 藤本徹(2007),シリアスゲーム 教育・社会に役立つデジ
タルゲーム,東京電機大学出版局.
[2] 岸本好弘,古市昌一,“シリアスゲームジャム開催の歩み
-第1回から第5回シリアスゲームジャムまで-”, デ ジタルゲーム学研究 2017 Vol.9 No.2 (2017).
[3] 第6回シリアスゲームジャム実行委員会 (2017). 第6回 シリアスゲームジャム ~えいごでコミュニケーション English Please!~ 第 6 回 シ リ ア ス ゲ ー ム ジ ャ ム 2017//12/17 < http://www.mediadesignlabs.org/SGJ6/ >
(2018/01/15)
[4] 古市昌一,岸本好弘,藤原正仁, 粟飯原萌,“第5回シリ アスゲームジャム ~みんなのバリアフリー~第1回シ リアス&アプライドゲームサミット”,日本デジタルゲ ーム学会 2016年々時大会予稿集 (2017).
Game Education SIG Activity Report : Lessons Learned from the 6th Serious Game Jam
Megumi AIBARA
i, Yoshihiro KISHIMOTO
ii, Manabu MATSUO
ⅲ, Aiko TAKAZAWA
ⅵ, Kenji ONO
ⅴ, Koji MIKAMI
ii, Masahito FUJIHARA
ⅵ, Masakazu FURUICHI
ii Nihon University, Graduate School of Industrial Technology 1-2-1 Izumi-cho, Narashino, Chiba, Japan
iiTokyo University of Technology iii Matsusofto Limited Liability Company
ⅳThe University of Illinois at Urbana-Champaign ⅴNPO IGDA Japan ⅵSenshu University E-mail: [email protected] ,[email protected]
Abstract Digital gaming is one of the internationally renowned culture of Japan. However, in Japan, the awareness of serious games and its impact on not only individual but also on society as a whole are little known. For raising such national awareness and creating opportunities to tackle social problems through serious games, we started Serious Game Jam (SGJ) in 2011. In this paper, we report our ongoing effort, the 6th Serious Game Jam held on Dec. 16-17, 2017. The topic of this year was twofold: how serious games can facilitate the communication between children and parents and how to do so in English learning contexts. It was our first trial to having two themes.
Keywords Serious Game, Game Jam, Serious Game Jam, Learning for English, Communication