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  前 頁 の 活 用 手 順 例 を 簡 略 化 す る と 、 下 図 の よ う に な る 。   活 用 手 順 を 以 下 に 記 す 。

   

② 印刷 少量手作業

シミュレーション

ビジュアル シミュレーション

階層図 手書き作業④ 大量 シミュレーション

⑤ G作業 リアルタイム個人

シミュレーション ラベル集め 傾向一覧

図 73  シミュレーション活 用 例 略 図    

 

  ①②③は、大 学 の大 講 義 室 で大 勢 の学 生 に90分 間 で実 習 するという設 定 にする。シミュレーション・スライドにあわせて、階 層 図 と照 合 しつつ解 説 (マイク はその意 )を交 えて進 める。視 聴 触 覚 効 果 を期 待 する。 

 

  用 意 するもの。 

      印 刷 シート(ラベル、格 段 の表 札 、シンボルマーク、4注 記 )  クリップ(小 ×25個 、元 ラベル数 が少 ないので輪 ゴムは不 要 )  スティックのり 

4色 ボールペン 

用 紙 (A3×1=図 解 化 用 、A4×1=図 解 化 初 段 階 の空 間 配 置 用 )   

  ①②③は同 じ元 ラベル。 

  1)①を、ラベルの動 きに注 目 させて最 後 まで見 る。 

  2)②の印 刷 されたラベル群 をはさみで裁 断 。元 ラベルを並 べ、表 札 もその横 に各 段 ごとに整 理 して並 べる。 

  3)①をスタートに戻 し、指 導 者 は学 生 にスライドを一 枚 ずつ見 せ、スライドに 表 示 されているラベル集 めを、学 生 の手 持 ちのラベル群 内 でラベル操 作 をするよう指 示 する。このとき③階 層 図 解 に同 じラベル集 まりのセット の印 を確 認 のためにつけさせる。表 札 の場 合 も同 様 。 

※階 層 図 によって、KJ 法 がボトムアップによって組 み上 げられることと、

表 札 があることによって階 層 性 が可 能 となることを解 説 する。階 層 図 以 下 繰 り返 す。 

一 セット目 ができれば、あとはスムーズに進 行 する。 

  4)表 札 は印 刷 されたものをそのまま使 う。スライドの順 に従 って作 業 を進 める。

※表 札 をつけたら、そのセットは一 枚 とみなすことを徹 底 する必 要 があ る。 

  5)図 解 化 第 一 ステップの空 間 配 置 は、個 人 作 業 かスライドと同 じ空 間 配 置 をさせるかは時 間 と の兼 ね 合 いで、 決 め る。可 能 なら、 学 生 に 空 間 配 置 をさせると後 々のためによい。A4 用 紙 に 

  6)図 解 化 は、スライドに従 って、最 上 位 の表 札 から展 開 する。以 下 スライドに 従 う。 

  7)輪 取 りは 4 色 ボールペンを使 って色 別 に階 層 を示 す。 

  8)タイトルとシンボルマークは手 書 する。 

4 注 記 はコピーを貼 る。時 間 が許 すなら、手 書 きが良 い。 

4 注 記 は、作 品 の存 在 意 味 を明 らかにする重 要 なマナーであるので、

解 説 を加 えると良 い。 

  9)関 係 線 は図 解 を読 み解 いてから最 後 に記 入 するとよい。学 生 の感 覚 に任 せる。 

以 上 。     

  次 のステップは、④⑤の二 つのコースに分 かれる。状 況 に応 じて選 択 する。 

 

④ のコース 

優 れた内 容 の大 量 ラベル個 人 作 業 シミュレーションを課 題 とし、全 て手 書 き で内 容 を味 わいながら作 業 をし、図 解 化 し、文 章 化 する。 

  文 章 化 によって、図 解 の意 味 がより鮮 明 に理 解 できる。文 章 化 によって、図 解 化 で分 かったような錯 覚 に陥 っていたことが自 覚 できる。さらに、ラベル集 め と表 札 づくりが厳 密 に行 われなくてはならないことを知 る。図 解 を作 っただけで は、半 分 以 下 の理 解 に過 ぎない。 

図 解 化 と文 章 化 をレポート課 題 とするとよい。 

本 コースで紹 介 している「現 場 取 材 の心 得 」は、KJ 法 創 始 者 川 喜 田 二 郎 の オリジナルである。著 作 権 の関 係 で紹 介 にとどめる。 

内 容 が 極 めて示 唆 に 富 み 、 啓 発 的 な ものであ る 。この ような作 品 が 大 学 で 取 り上 げられれば、学 生 には極 めて有 益 なものとなる。 

 

⑤ のコース 

KJ 法 をよく理 解 しているインストラクターの指 導 のもとに行 うのがよい。 

  上 記 のプロセスを経 た学 生 なら、筆 者 が提 案 したリアルタイム・シミュレーショ ンそのものは難 なくこなすことができる。 

しかし、ラベル集 めで陥 る誤 りを互 いにチェックしながらグループ作 業 が進 め られるかどうかはわからない。参 加 者 のそれぞれがもっている観 念 を否 定 するこ となくラベルの意 味 (志 )の相 対 的 近 さのピタリ感 にまでリードするのは、かなり 熟 練 を要 する。しかし、図 解 化 した後 、必 ず文 章 化 してみれば、ラベル集 めと 表 札 づくりが妥 当 かどうかは分 かるので、試 してみる価 値 はある。 

 

  ⑥リアルタイムシミュレーションにおいては、指 導 者 が参 加 者 のラベル集 めの 傾 向 を把 握 したければ、ラベル集 め傾 向 可 視 化 一 覧 をつくれば、参 加 者 と共 に客 観 的 にラベル集 めのあり方 について意 見 交 換 ができ、かつそれが知 識 科 学 の研 究 対 象 にもなる。 

   

  大 量 ラベルと少 量 ラベルの両 者 は、研 修 会 で試 すことによって、それぞれの 役 割 が異 なることを確 認 した。これらを別 のシミュレーションととらえれば、4つの シミュレーションが存 在 する。 

  活 用 手 順 例 で示 すように、それぞれの利 点 を活 用 することによって、全 てで はないが、少 なくともラベル操 作 にかかわるつまづきは一 掃 でき、KJ 法 学 習 の 効 果 を効 率 的 に高 められることが確 認 できている。 

  最 高 学 府 といわれる大 学 教 育 において、間 違 った方 法 論 を教 えることは、害 あって一 利 なしである。本 活 用 手 順 に従 って大 学 で実 施 されるなら、正 しいラ ベル操 作 と考 え方 を一 度 に大 勢 の学 生 に伝 えることができる。やり方 によって は、自 習 すら可 能 である。 

 

  誤 った KJ 法 を学 び使 っている人 たちに KJ 法 を教 えたり議 論 したとき、型 が あることすら自 覚 していないことを確 認 した。ラベルを使 いさえすれば KJ 法 であ るという認 識 であった。これは、平 面 空 間 配 置 図 解 と KJ 法 図 解 とがよく似 てい ることにもよる。この2つは、構 造 的 にも作 業 工 程 としても、まったく異 なってい る。ビジュアルおよび手 作 業 シミュレーション経 験 者 は、JAIST オープンセミナ ーの感 想 から、自 分 の誤 りに気 づきやすいことが分 かる。 

  関 連 研 究 でとりあげたひとたちは、KJ 法 を自 在 に駆 使 している。本 研 究 にお いて、彼 らの KJ 法 へのアプローチの仕 方 を追 跡 したとき、彼 らは例 外 なく KJ 法 の型 のもつ意 味 を捕 え、ラベル(データ)との対 話 が最 も重 要 であることを自

覚 して行 使 していることを文 献 から確 認 できた。 

  データとの対 話 は、渾 沌 との対 話 である。したり顔 で渾 沌 世 界 を睥 睨 してい る知 識 人 のそれではない。その態 度 は世 界 内 的 である。 

  データの声 を聴 くということは、データの身 になることである。KJ 法 のラベル集 め作 業 のときに苦 しむのは、データの身 になかなかなれないことである。彼 らは 理 屈 抜 きに大 量 ラベルの渾 沌 世 界 に身 を任 せる。 

 

  このことは、技 法 を修 得 していくことが、おのずと発 想 思 考 や思 想 につながる ことを自 覚 しているからである。作 法 に則 ることで世 界 内 的 認 識 が生 じ、渾 沌 データと対 話 する覚 悟 ができ、データの個 性 との一 期 一 会 を感 じつつ、ボトム アップによる異 質 の統 合 が行 われるという確 信 に身 をゆだねることができる。 

  筆 者 は、インストラクションするときは常 に、KJ 法 作 法 を遵 守 することを心 がけ てきた。その基 本 は、創 始 者 の川 喜 田 や KJ 法 の達 人 たちから学 んできた、意 識 していいことと悪 いこと、やっていいことと悪 いことである。この基 本 は、型 を 意 識 すると自 然 に心 がコントロールされていく。 

  インストラクションにおいて、筆 者 が場 を仕 切 るのではなく、基 本 的 な考 え方 と作 業 の型 の確 認 をすることで、茶 道 の作 法 のごとくに、参 加 者 全 員 が KJ 法 の作 法 に則 って議 論 をし、作 業 をすすめるのである。 

  全 員 が共 通 の作 法 を自 覚 してそれに則 りさえすれば、自 由 を標 榜 するよりも むしろ自 発 性 が増 し、参 加 者 もインストラクターもそれぞれの役 割 はみとめつつ、

仲 間 として学 びあえるのだと、インストラクションをしていていつも感 じる。 

 

作 法 のシミュレーションを意 識 的 に自 覚 的 に行 使 してのインストラクションを 試 みて、シミュレーションを行 使 したときとしないときの差 を考 察 してみる。 

  結 論 から言 えば、シミュレーションから始 めた講 習 会 のほうが、はるかに落 ち 着 きがあり、深 まり、燃 える。 

「グループ創 造 技 法 体 験 研 修 会 フォロー アッ プ研 修 」 では、 少 量 ラベ ル 手 作 業 シミュレーションを研 修 の 冒 頭 で実 施 したこと により、その後 の展 開 予 測 でき る 上 に 、 現 在 の 作 業 が ど の 部 分 の も の で あ る かが 分 か る ため 、 現 在 の 作 業 に専 念 できることから、作 業 姿 勢 を世 界 内 的 に維 持 することができ、研 修 の 密 度 が高 まったことが、筆 者 の観 察 や参 加 者 の感 想 からもうかがえた。 

  大 量 ラベルによるシミュレーションを実 施 した早 稲 田 KJ 研 究 会 も、JAIST イン ターンシップ研 修 においても、同 様 の結 論 である。 

 

  大 量 ラベルと少 量 ラベルとの比 較 をしてみると、どちらも当 初 の目 的 は機 械 的 なラベル操 作 を先 にやってしまえば、ラベル集 めと表 札 づくりに専 念 できる、