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章 地震時地盤変位に対する躯体の耐荷メカニズム

ドキュメント内 i LNG LNG LNG -- LNG (ページ 118-143)

7.1 地震時地盤応答変位 7-2

7.1.1入力地震波と地盤条件 7.1.2 地盤変位

7.1.3 地盤バネ定数 7.1.4 載荷方法

7.2 躯体の応答変位 7-5

7.3 変位モードと断面力の分布 7-6

7.4 断面力分布の推移 7-8

7.4.1 側壁全体の断面力分布

7.4.2 側壁のほぼ中央での断面力分布推移 7.4.3 断面力と歪の変化

7.5 配筋量の影響と耐荷メカニズム 77--1414

7.5.1 断面力分布の比較 7.5.2 発生断面力と歪の推移

7.5.3 面内せん断耐力に対して有効な鉄筋

7.6 側壁配筋合理化の考え方と手法 77--2121

7

地震時地盤変位に対する躯体の耐荷メカニズム

地震の荷重の1つとして地震時土圧がある。地震時に LNG地下タンクに作用する荷重 としては他に、慣性力、内容液の動液圧(スロッシング、バルジング)があり、特に地 震時土圧と慣性力の影響は大きい。しかしここでは地震時土圧、即ち地下タンクの周囲 の地盤の地震時変位によって地下タンク側壁に作用する土圧に対する耐荷メカニズムに ついて検討する。

また、対象とした地震は、原設計と同じレベル 2 地震の神戸海洋気象台の波形を基盤 で最大加速度300galにスケーリングしたものである。

レベル2地震に対する要求性能から、許容される歪が数1000μと大きいことから、連 続地中壁に作用する土水圧も限界状態に達する状態では有効であると考えられる。

7.1 地震時応答変位

7.1.1 入力地震波と地盤条件

地震時地盤変位と地震時地盤定数は原設計と同様に以下の条件で求めた。

入力波形 :兵庫県南部地震,神戸海洋気象台(図-7.1.1NS (基盤300galscaling

解析手法  :1次元波動理論(SHAKE)による地盤の非線形性を考慮した等価線形解析 地盤変位  :底版下端と側壁上端のレベルでの地盤変位の差が最大となった時点での

変位分布

地盤定数  :各土層の最大発生せん断歪に応じて低減した等価剛性

-300  -200  -100  100  200  300  400 

-400 

加速度

-7.1.1 入力波形(神戸海洋気象台NS

時間 (sec.)10  15  20 

耐荷メカニズムに基づいたLNG地下タンクの設計合理化 7 地震時地盤変位に対する躯体の耐荷メカニズム

7.1.2 地盤変位

SHAKEによって求まった底版下端から上層地盤の最大相対変位を図-7.1.2に示す。

当該地盤は DL.-20m 以深は硬質の洪積層となっており、変形係数はそれより上層に 比較して大きく更に地震による剛性の低下もほとんど見られないことから、変位はそれ 以浅で大きくなっている。

応答変位法では躯体側壁の周囲に配置した地盤バネ要素の躯体の反対側の接点をX方 向の負の向きに強制変位として与えて躯体に間接的に荷重を与える。

7.1.3 地盤バネ定数

地盤の変形係数は、地盤応答解析結果の応答せん断歪に応じて低減した地盤合成とす る。地盤の変形係数から法線方向のバネ値の算定は、道路橋示方書下部構造編による。

また同じく躯体外面に対するせん断方向のバネ定数(側壁の場合、円周と鉛直方向、底 版の場合と半径と円周方向)は法線方向の1/3とする。

-7.1.3に応答変位法に用いた側壁外周の半径方向地盤バネ定数を示す。

20 15 10 5 0

地盤変位 (cm)

-50 -30

-40 -20 -10 0 10 標高(DL.m)

10000 20000 30000 40000 50000 0

-50 -30

-40 -20 -10 0 10 標高(DL.m)

半径方向地盤バネ定数(kN/cm3)

-7.1.3 半径方向地盤バネ定数 図-7.1.2レベル2地震地盤最大相対変位分布

7.1.4 載荷方法

考慮する荷重は、側壁外側から作用する水圧とレベル2地震時の地盤応答変位である。

載荷方法は図-7.1.4 に示すように、180°方向から0°方向へ向かう片押し、片引き荷 重とする。

解析では、まず常時に作用する外水圧を軸対称に作用させ常時の状態を再現した。そ の後、レベル 2 地震時の自由地盤の変位を、地盤バネを介して躯体に作用させ、終局に 達するまでその変位を漸増させ、躯体の挙動を確認した。

解析は以下のようにstepに分けて載荷する。

90°

180°

-7.1.4 地盤応答変位載荷方法 1-10step

水圧のみ1/10ずつ設計荷重まで載荷 11step-

地盤応答変位を1/10ずつ漸増載荷

すなわち、

10stepで常時の状態 20stepでレベル2地震時 となる。

解析は50step、即ちレベル2地震時の4倍の地盤応答変位まで漸増して実施した。

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7.2 躯体の応答変位

-7.2.10°、90°、180°の側壁天端の地盤変位載荷方向(-X方向)への方向 の変位と、側壁天端高さ位置での地盤応答変位の、載荷変位に対する関係を示す。

図の横軸がレベル2地震時の地盤変位に対する倍率を示しており倍率1.0がレベル2 地震時の躯体および地盤変位を示している。

側壁天端変位は90°で最小となり、180°で最大となり、方向はその中間の変位とな る。3点はレベル2地震時まではほぼ同じ変位量を示しているが以降は徐々に180°側の 変位が他の方向に比べ大きくなる。更に倍率 2.0 倍付近で 3

点共に変位増分は大きくなり、特に 180°方向の変位増分はほ ぼ地盤と同じ勾配で増加していることがわかる。

90°

Z 180°

X

Y 躯体にはレベル2地震の4倍の変位に至るまで急激な変位の

増加等、破壊と判断されるような現象は見られない。

180°方向の変位は、地盤変位がレベル2地震時の2倍より 大きいとほぼ地盤変位の増加と同じ動きをしている。このこと は、作用する水平荷重に対して周辺の部材が塑性化していると 推測できる。

-60 -50 -40 -30 -20 -10 0 10

0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4

レベル2地震時の地盤変位に対する倍率

X方向変位(cm)

1701_disp_X_0 1713_disp_X_90 1725_disp_X_180 Ground_disp_X

-7.2.1 側壁天端変位

7.3 変位モードと断面力の分布

レベル2地震時の地盤応答変位が作用した時の主要な断面力成分の分布を図-7.3.1 に示す。

-7.3.1 レベル2地震 設計荷重時の主要な断面力成分の分布

変 位 図

円 周 方 向 軸 力

鉛 直

/ 半 径 方 向 軸 力

面 内 セ ン 弾 力

2.500E+04 2.000E+04 1.500E+04 1.000E+04 5.000E+03 0.000E+00 -5.000E+03 -1.000E+04 -1.500E+04 -2.000E+04 -2.500E+04

前節の変位と同様レベル2地震時ではほぼ線形の応答を示し、円周方向軸力、鉛直方 向軸力は、水圧による常時の断面力を差し引いて考えると90°方向で逆対称の分布

耐荷メカニズムに基づいたLNG地下タンクの設計合理化 7 地震時地盤変位に対する躯体の耐荷メカニズム

cosine分布)、面内せん断力は対称分布(sine分布)を示しており、非常に安定し た状態にある。

また、面内せん断、円周方向軸力の分布から、その耐荷メカニズムは、図の左上から 右下に向かい圧縮ストラットが形成され、更にその圧縮ストラットの幅は右上で最も狭 くなる傾向が見られる。この分布は水平力が作用する耐震壁、あるいはせん断力を受け るディープビームに似ている。

7.4 断面力分布の推移

7.4.1 側壁全体の断面力分布

円周方向軸力と面内せん断力分布の推移を図-7.4.1に示す。 

(1)非線形性の現れ方

レベル2地震時から更に載荷地盤変位を2-4倍に増加させると、面内せん断分布 の90°をはさんだ対称性がくずれているのがわかる。

これは、躯体の一部がひびわれの発生等によって剛性が低下し、非線形性が増大 したためと考えられる。円周方向に引張が作用し、ひびわれによる剛性低下が発生 したと考えられる範囲(図中の左上と右下)の面内せん断力が、90°をはさんで反 対側の面内せん断力ほど増加せずにその結果対称性がくずれていることがわかる。

(2)断面力の分布と再配分

左上(0°方向)で大きくなる円周方向軸力は当初、圧縮力が大きい範囲はごく限 られた範囲であったものが、設計荷重の2.0倍の地盤変位以降は徐々にその範囲を 広げている。すなわち0°方向の円周方向軸力は隣接する部位に応力の再配分が進ん でいると思われる。

側壁中央付近で卓越する面内せん断力は、設計荷重の2.0倍以降もその分布範囲 にあまり変化は無い。従って面内せん断力については隣接する部位での応力再配分 はあまり行われていないものと推定できる。

-7.4.1 円周方向軸力と面内せん断力分布の推移 円周方向軸力分布 面内せん断力分布 Step-10

常時 δe=0*δL2

Step-15 δe=0.5*δL2

2.500E+04 2.000E+04 1.500E+04 1.000E+04 5.000E+03 0.000E+00 -5.000E+03 -1.000E+04 -1.500E+04 -2.000E+04 -2.500E+04

耐荷メカニズムに基づいたLNG地下タンクの設計合理化 7 地震時地盤変位に対する躯体の耐荷メカニズム

Step-20 レベル2地震 設計荷重時 δe=1.0*δL2

Step-30 δe=2.0*δL2

Step-40 δe=3.0*δL2

Step-50 δe=4.0*δL2

7.4.2 側壁のほぼ中央での断面力分布推移

側壁のほぼ中央における断面力の分布を以下の図-7.4.2〜図-7.4.4に示す。

これらの図からも、前節で述べたように設計荷重までは、90度をはさんで円周方向軸 力、鉛直方向軸力が逆対称、面内せん断力が対称の分布を示し、ほぼ弾性挙動を示して いることがわかる。

また、円周方向軸力は設計荷重の1.5倍で180°方向にひび割れが生じ、その引張力 は設計荷重の2倍の変位でピークとなる。前節の変位挙動とも一致する。しかしながら この引張力は180°側に作用する応答変位による地盤による、外側への引張力によるも のであり、実際にはそのような引張力が作用することはない。3倍の変位で0°側で圧縮 の塑性領域に入っている。

鉛直方向軸力はばらつきがあるものの、全体としては0°方向が引張で、180°方向が 圧縮とを示している。但しその軸力の大きさは円周方向に比較すると小さい。

断面位置

180°

面内せん断力は、作用する水平力の負担の内、大 きな割合を占めると思われるが、ほぼ線形に増加し ており、円周方向の軸力、鉛直方向の軸力と比較す ると非常に安定した状況にあり、貯槽全体としての 終局に達していないと考えられる。

Disp=0.0*δL2 Disp=0.5*δL2 Disp=1.0*δL2

Disp=1.5*δL2 Disp=2.0*δL2

Disp=2.5*δL2 Disp=3.0*δL2 -3.00E+04

-2.50E+04 -2.00E+04 -1.50E+04 -1.00E+04 -5.00E+03 0.00E+00 5.00E+03 1.00E+04 1.50E+04

0 45 90 135 180

角度(dgree)

円周方向軸力 (kN/m)

-7.4.2円周方向軸力分布の推移

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