2.18 その他必要な事項
2.18.6 空港土木施設における離着陸時の安全上の措置
*8 「計器着陸用の滑走路」とは、計器飛行(航空機の姿勢、高度、位置及び進路の測定を計器にのみ依存して 行う飛行)による進入を行う滑走路のことをいう。計器飛行による進入は、VOR, DME, RNAV, ILS等の計器にの み依存して行うものであり、精密進入及び非精密進入がある。
*9 「アレスティングシステム」とは、滑走路をオーバーランする航空機を確実に減速させ、航空機の損傷を軽 減させるシステムで、滑走路端安全区域の長さ及び幅が確保できない場合の代替措置のことをいう。ただし、
アレスティングシステムはオーバーラン対策であり、アンダーシュート対策にはならない。
矩形の部分であり、過走帯は、航空機が滑走路内で停止できなかった場合等
く け い
に備えて、滑走路の両端に設けられる施設であると規定されている。
(2) 滑走路端安全区域に関する国際基準及び我が国の現状
航空機が離着陸する際に滑走路を越えて走行し停止する「オーバーラン」
又は航空機が着陸時に滑走路手前に着地してしまう「アンダーシュート」を 起こした場合に航空機の損傷を軽減させるため、過走帯を含む着陸帯の両端
。 、
には、国際民間航空条約(以下「同条約」という )第14附属書に基づき 滑走路端安全区域を設けることが求められている。
我が国の多くの空港においては、従来、長さ40mの滑走路端安全区域を 確保してきた。平成11年に、長さ1,200m以上又は計器着陸用の滑走 路 については、滑走路端安全区域の長さを90mに延長するように同条約*8 第14附属書の規定が勧告方式から国際標準に改正された。
このため、国土交通省航空局は、平成25年4月、同設置基準解説を改正 し、原則として、同条約第14附属書に準拠した滑走路端安全区域の整備を 義務付けるとともに、滑走路端安全区域の長さ及び幅が確保されていない空 港については、平成29年3月31日までに、事故発生時の被害程度及び事 故の発生につながる要因について現状評価を実施し、その影響が大きいと判 断される場合は、滑走路端安全区域の確保、アレスティングシステム 等の*9 導入等の対策を講じることとした。
(3) 同飛行場の過走帯及び滑走路端安全区域
同飛行場には、同設置基準解説に基づき、滑走路の両端に長さ60m、幅 30mの過走帯が設けられている。同飛行場の過走帯の舗装強度は滑走路よ り小さいものである。
また、平成25年4月の同設置基準解説の改正により、滑走路長は800 mであるものの計器着陸用の滑走路である同飛行場の場合は、長さ90m以 上(用地の確保が可能な場合は、120m以上が望ましい 、幅60m、縦。) 横勾配5%以下の滑走路端安全区域を過走帯の延長上に設ける必要がある。
同飛行場の設置・管理者(東京都)によれば、事故発生当時、同飛行場には、
滑走路端安全区域に相当する用地は既に確保されていたものの、滑走路端安 全区域としての現状評価は未了であった。平成29年2月に現状評価が完了
し、当面、滑走路端安全区域に相当する用地を適切な維持管理の下で運用す れば、事故発生時の被害は少なく、事故の発生につながる要因はないとの評 価結論を得た。
図2.18.6-1 同飛行場の滑走路、過走帯及び必要とされる滑走路端安全区域
図2.18.6-2 過走帯標識の凡例
(4) 滑走路長を最大限に利用するための方法
我が国においては、大阪国際空港等のように滑走路の延長線上に取付誘導 路を接続する例があり、これは、滑走路末端に取付誘導路を直角に接続する 一般的な空港に比べ、滑走路長を最大限に利用できるものである。
図2.18.6-3 大阪国際空港における例
図2.18.6-4 関西国際空港における例