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空気吹出配管の流量分配解析

)cos(

D.3 空気吹出配管の流量分配解析

・ 調整バルブ(バタフライ弁)は、大口径配管から分岐した150mmの箇所にバルブ開閉角度によ り変化する損失係数を持つ抵抗体を与えて考慮した。バルブ開閉角度と損失係数の関係は、

次項で説明する。ここに、バルブ開閉角度は0°で全開、90°で全閉を表す。

解析を実施する前に、MelTHERFYのモデル化の確認のためにFluentを用いた比較計算を実施し た。Fluentを用いたCFD計算では、Fig. D.11に示すように管路を3次元モデルで再現し、管路内の 2 次流れを考慮し、粘性散逸による圧力低下を予測している。全てのバルブが全開の場合の流量計

算結果をFig. D.12に示す。MelTHERFYと Fluentの流量分布計算結果は、定性的、定量的にも一

致度は良好であり、流量分配に関しては、Fluent と MelTHERFY の計算ツールによる違いはないこと が示された。

Fig. D.11 Calculation model for Fluent.

Fig. D.12 Comparison of flow rate distribution.

-40%

-20%

0%

20%

40%

60%

80%

8 9 10 11 1 2 3 4 5 6 7 12 13 14 15

Chamber difference from evenly distibution

flow rate(Fluent) Flow rate(MelTHERFY)

1)損失係数の調整

MelTHERFY による数値計算に先立ち、岸壁試験結果を用いて損失係数の調整を行った。岸壁試

験は船体傾斜がなく喫水が4.3mの状態で係留された船のブロアーを作動し空気を船底から吹き出し た。バルブの開度は全て一律にして、流量、圧力、バルブ開閉角度等を計測した。

前述のとおり、圧力計はヘッダータンクと調整バルブ近くの下流部に設置されており、その圧力値 から流量を推定した。さらに、この流量から動圧を算出し、バルブの開閉角度と損失係数の関係を推 定した。

Fig. D.13に岸壁試験結果から推定したバルブ開閉角度に対する損失係数をバタフライ弁の損失係

数と比較して示す。バタフライ弁の損失係数に対して、岸壁試験結果から推定されたものの方が、い ずれのバルブ開閉角度でも大きくなっている。ここで、岸壁試験結果から推定された損失係数はバル ブが全開(0°)の場合にも約 20 と見積もられているが、一般に全開時の損失係数はゼロに近いことか ら、推定結果から一律20を差し引いたものを岸壁試験結果から得られたバルブの圧損特性とした。

Fig. D.13 Relation between pressure loss and vale opening angle.

0 50 100 150 200 250 300

0 20 40 60 80

valve opening angle(deg.)

pr e ssu re l o ss ζ

①pressure loss of butterfly valve 3)

②wharf examination

(estimated)

③ ②-20

close

2)解析結果

① 全バルブ全開モード

船体傾斜がない状態で、全てのバルブを全開(バルブ開閉角度 0°)にした場合の流量分配解析を 行った。全枝管において、出口背圧が同じなため、流量分配は各管路の圧力損失のみに依存する。

したがって、Fig. D.14 に示すように船体外側に出口を持つ配管は、管路長が長く、曲がりの数も多く なっていることから、圧力損失が大きくなり分配される流量も少なくなっている。一方、船体中央に出口 を持つ配管は管路長が短いため圧力損失が小さく、分配される流量が多くなる結果となっている。

Fig. D.14 Analytical result of flow rate distribution (All valves are fully opened).

② 最低圧損モード

前記のモードを基に、各枝管でバルブの圧損が最も小さい状態、すなわち空気供給のエネルギー が最も少ないモードで流量が等分配されるバルブ開閉角度を予測した。その結果をFig. D.15に示す。

各配管の圧力損失の差をバルブによる抵抗で補う必要があるため、船体中央に出口を持つ配管にお いてはバルブが閉まる傾向にある。流量分配解析プログラムによる検討の結果、バルブ開閉角度を

Fig. D.15に示す程度の範囲で調整することにより流量分布(等分配された場合を0%とする)は、±2%

以内に抑えられると予測された。

draft = 4.5m、heeling = 0deg、 valve is fully opend

0

1 2 2 4 3 6 4 8 6 0 7 2 8 4 9 6 1 0 8 1 2 0

8 9 10 11 1 2 3 4 5 6 7 12 13 14 15

chamber

valve opening angle (deg

0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 8.0 9.0 10.0

flow rate of chamber (m3/min)

valve opening angle deg.

flow rate m3/min

center

port starboard

close

Fig. D.15 Analytical result of flow rate distribution (Flow rate is equally distributed under minimum valve pressure loss).

③ バルブ開度調整モード1(一律開度)

出口背圧は船体の横傾斜に大きく影響を受けると考えられるので、ここではバルブ開閉角度を調整 して船体が傾斜した場合においても、できるだけ流量が等分配されるバルブ操作について検討する。

まず、傾斜がない状態で流量が等分配になるように調整したバルブ開閉角度(最低圧損モード)で

左舷側に3°傾斜した場合では、Fig. D.16に示すように傾斜して沈み込んだ側の配管で逆流が起こる

という結果になった。一方、反対の舷側では出口背圧が減少するため、配管に流れる流量が増加して いる。ただし、流量分配解析は逆流が発生した時点で、計算が終了するので、流量の値に確度はなく、

現象の傾向を示すのみであることに留意が必要である。なお、結果は示さないが右舷側に傾斜した場 合も同様の現象が発生している。

傾斜した状態で各配管の流量を等分配に近づけるためには、傾斜して沈む側の出口背圧が高く なっているためバルブを開け、その逆側の配管ではバルブを閉めるような調整が必要であることが分 かる。

次に、左舷に傾斜した状態でこの調整を施した流量分配解析結果を Fig. D.17 に示す。最大 O1

(deg.)のバルブ開閉角度で、流量分配のバラツキが±3%以内にできることが分かった。

バルブ開閉角度を大きくする(弁を閉める)と、バルブによる圧力損失が管による損失よりも支配的 になるため、各配管形状の違いの影響が小さくなる。そのため、流量分配が均一化される傾向になる。

draft = 4.5m、heeling = 0deg

0

1 2 2 4 3 6 4 8 6 0 7 2 8 4 9 6 1 0 8 1 2 0

8 9 10 11 1 2 3 4 5 6 7 12 13 14 15

chamber

valve opening angle deg)

0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 8.0 9.0 10.0

flow rate of chamber m3/min)

valve opening angle deg.

flow rate m3/min

close

すなわち、バルブを全体的に閉めるほど、流量分配は改善する。

Fig. D.16 Analytical result of flow rate distribution (Heel angle is 3deg. (port side down)).

Fig. D.17 Analytical result of flow rate distribution (Valve opening is adjusted as the distribution of flow rate becomes even).

draft = 4.5m、heeling = 3deg.(port)

0

1 2 2 4 3 6 4 8 6 0 7 2 8 4 9 6 1 0 8 1 2 0

8 9 10 11 1 2 3 4 5 6 7 12 13 14 15

chamber

valve opening angle (deg.

-14.0 -10.0 -6.0 -2.0 2.0 6.0 10.0 14.0 18.0 22.0

flow rate of chamber (m3/min)

valve opening angle deg.

flow rate m3/min close

draft = 4.5m、heeling = 3deg.(port)

0

1 2 2 4 3 6 4 8 6 0 7 2 8 4 9 6 1 0 8 1 2 0

8 9 10 11 1 2 3 4 5 6 7 12 13 14 15

chamber

valve opening angle(deg.)

0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 8.0 9.0 10.0

flow rate of chmber(m3/min)

valve opening angle deg.

flow rate m3/min close

α1

Reverse flow

O1

続いて、全バルブをO2(deg.) [O1 > O2]にした設定で左舷側に傾斜した場合の流量分配の検討を 行った。その結果をFig. D.18に示す。バルブ開閉角度を一律に設定すると傾斜時に流量のアンバラ ンスが生じているが、一様なバルブ開閉角度にも関わらず、傾斜した場合の流量分布の偏りは±30%

程度にできることが予想される。一様なバルブ開閉角度で弁を絞った設定としておくだけで、傾斜時 にも全枝管から空気が供給されるため、簡便で有効なバルブ調整法であると評価する。

Fig. D.18 Analytical result of flow rate distribution (All valve openings are O

2

deg.).

④ バルブ開度調整モード2(バルブ開度制御)

前述のようにバルブを一律の開閉角度に固定して調整する方法に対し、傾斜によって調整バルブ の開閉度に比例ゲインを与えて制御し、傾斜の影響を抑制する検討を行った。

ここで、バルブ開閉角度は一律のバルブ開閉角度 O(deg.)をベースに、傾斜によって喫水が大きく なる方の端のバルブをΔO(deg.)開けて、小さくなる方の端のバルブを-ΔO(deg.)閉めた。両端の間にあ るバルブは船幅に比例して与えた。この条件で流量分配解析を行った結果をFig. D.19に示す。均一 のバルブ開閉角度であったFig. D.18においては、傾斜によって喫水が小さくなる方の流量が増加し、

逆側は流量が減少して、流量の不均一を生じていたが、Fig. D.19ではそれを緩和するようにバルブ開 閉角度を調節したことで、Fig. D.18に比べて流量が均一化されていることが分かる。

draft = 4.5m、helling = 3deg.(port)

0

1 2 2 4 3 6 4 8 6 0 7 2 8 4 9 6 1 0 8 1 2 0

8 9 10 11 1 2 3 4 5 6 7 12 13 14 15

chamber

valve opening angledeg)

0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 8.0 9.0 10.0

flow rate of chamber(m3/min)

valbe opening angle deg.

flow rate m3/min close

Oα22

Fig. D.19 Analytical result of flow rate distribution (Valve opening are linearly varied from starboard to port).

3)岸壁試験結果との比較

流量は、付録D.2節1)に記載した方法で推定した。Fig. D.20に計算結果と岸壁試験結果を比較し て示す。ここで、バルブ開閉角度は一律の開閉角度に固定している。(バルブ開閉角度調整モード 1 に相当)圧力計の出力より推測した流量と流量分配解析プログラムによる計算結果の比較は良く一致 しており、推定流量に対する計算結果の誤差は、約 10%程度に収まっている。また、配管全体の誤差 のバラツキも約 4%以内となっている。以上より、流量分配解析プログラムによる解析結果は実船の流 量分布を良く推定できていると考えられる。

Fig. D.20 Analytical and measured result of flow rate distribution.

draft = 4.5m、helling = 3deg.(port)

0

1 2 2 4 3 6 4 8 6 0 7 2 8 4 9 6 1 0 8 1 2 0

8 9 10 11 1 2 3 4 5 6 7 12 13 14 15

chamber

valve opening angle(deg

0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 8.0 9.0 10.0

flow rate of chamber(m3/min)

valve opening angle deg.

flow rate m3/min close

(deg.)

(deg.)

draft= 4.3m、helling = 0deg、(wharf examination)

0

1 2 2 4 3 6 4 8 6 0 7 2 8 4 9 6 1 0 8 1 2 0

8 9 10 11 1 2 3 4 5 6 7 12 13 14 15

chamber

valve opening angle(deg

0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 8.0 9.0 10.0

flow rate of chamber(m3/min)

valve opening angle deg.

flow rate m3/min

estimated flow rate(wharf examination) m3/min close

-ΔO (deg.)

ΔO (deg.)

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