3. 大手石炭会社の世界戦略と寡占化による影響調査
3.2 石炭価格に関する影響分析
3.2.2 各種前提条件の設定
110 110 109 109 108 107 106 105 104
0 20 40 60 80 100 120
2010 2015 2020 2025 2030 2035 2040 2045 2050
粗鋼生産量(百万トン)
図
3-12我が国の粗鋼生産量の想定 出所)三菱総合研究所
(2)エネルギー価格の想定
エネルギー価格の想定に当たっては、IEA の
World Energy Outlook 2009における見通 しをベースとしつつ、一部を見直し、またこれに含まれない燃料種については別途想定を 行った。
具体的には、先ず
World Energy Outlook 2009における見通しは表
3-1に示したとおり であり、例えば一般炭価格については短期的には足下の高騰が収まって
90USD/t程度まで 低下するものの、中国インド等の新興国での発電燃料需要の高まりを受けて
2030年に向け て徐々に上昇し
2030年には
110USD/t弱に達すると見込んでいる。
また、LNG 価格についても同様にいったん足下の高騰状況が収まるもののその後は徐々
に上昇し
2030年には
15USD/MBtuを超えるものと見込んでいる。ただし、近年の米国に
おけるシェールガス採掘技術の急速な普及により増産が進んだ結果、国際的にガス価格が
安定化してきている。更には中国及び豪州においても同様にシェールガスの生産の可能性
があると考えられており、我が国の
LNG調達価格にも影響を及ぼす可能性が高いと考えら
れる。
表
3-1 World Energy Outlook 2009における燃料価格見通し
IEA/WEO20 09 Unit 2000 2008 2015 2020 2025 2030
実質価格 (2008 基準)
IEA各国原油輸入価格 barrel 34 .3 97 .19 86 .67 100 1 07.5 11 5 天然ガス
米国輸入価格 MBtu 4.74 8.25 7.29 8.87 10.04 11.36 欧州輸入価格 MBtu 3.46 10.32 10.46 12.1 13.09 14.02 日本輸入価格 MBtu 5.79 12 .64 11 .91 1 3.75 1 4.83 15.8 7 OECD各国一般炭輸入価格 tonne 41.22 120 .59 91 .05 10 4.16 10 7.12 109.4 名目価格
IEA各国原油輸入価格 barrel 28 97.19 101.62 131.37 158.23 189.65 天然ガス
米国輸入価格 MBtu 3.87 8.25 8.55 11.66 14.78 18.73 欧州輸入価格 MBtu 2.82 10.32 12.27 15.89 19.27 23.11 日本輸入価格 MBtu 4.73 12.64 13.96 18.07 21.83 26.17 OECD各国一般炭輸入価格 tonne 33.65 120.59 106.77 136.84 157.67 180.42
出所)World Energy Outlook 2009(IEA)
さらに、原料炭及びウランについては別途想定を行った。原料炭については、中位シナ リオとして、我が国鉄鋼業界の直近の契約価格である
200USD/tという従来価格と比較し た場合相当の高値を今後とも維持するシナリオを想定する一方で、図
3-13に示した
RioTinto
による原料炭に関する需給(需給ギャップ)の見通し基に、2025 年に向けてこの
200USD/t
という価格が
2倍まで上昇する高位シナリオを想定した。
最後に、ウランに関しては、足下価格に対して石油価格の伸び率を基に将来価格を想定 した。
図
3-13原料炭に関する需給ギャップの見通し
出所)
RioTinto資料
以上のエネルギー価格想定を整理して、改めて表
3-2として掲げた。
表
3-2エネルギー価格の想定 燃料種 シナ
リオ 価格想定の考え方
① 直近の価格である
200USD/tが維持される。
原料炭 ② 需給ギャップにより
400USD/t@2025まで上昇し、そ
の後は
400USD/tが維持されると想定。
① ・
WEO2009における見通しのまま(熱量換算
で
LNG価格②の
30%相当)② ・
2030年には熱量換算で
LNG価格②の
60%相当まで上昇する、それが維持される。
③ ・
2030年には熱量換算で
LNG価格②の
90%相当まで上昇する、それが維持される。
一般炭
④ ・
2030年には熱量換算で
LNG価格②と同等ま で上昇し、それが維持される。
原油
WEO2009における見通しのまま。
① ・
WEO2009における見通しのまま。
LNG
② ・ シェールガスの増産を考慮して、WEO2009 見通し価格から
10%減額する。ウラン ・2030 年までは
WEO2009における原油価格の伸び 率の
1/2の伸び率で上昇し、その後も同程度上昇する。
出所)三菱総合研究所
また、このエネルギー価格の想定を、固有単位ベースで比較したものが図
3-14であり、
分り易さのため熱量換算(LHV)ベースで比較したものが図
3-15である。
0.0 50.0 100.0 150.0 200.0 250.0 300.0 350.0 400.0 450.0
2010 2015 2020 2025 2030 2035 2040 2045 2050
燃料価格($/固有単位※) 原油価格
LNG価格① LNG価格② 原料炭価格① 原料炭価格② 一般炭価格① 一般炭価格② 一般炭価格③ 一般炭価格④ ウラン価格
図
3-14エネルギー価格の想定(固有単位ベース)
注)固有単位は、原油はバレル、LNG は百万
Btu、石炭はトン、ウランはポンドU308。出所)三菱総合研究所
0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0
2010 2015 2020 2025 2030 2035 2040 2045 2050
熱量換算価格($/GJ、LHVベース)
原油価格 LNG価格① LNG価格② 原料炭価格① 原料炭価格② 一般炭価格① 一般炭価格② 一般炭価格③ 一般炭価格④
図
3-15エネルギー価格の想定(熱量換算[LHV]ベース)
出所)三菱総合研究所
(3)その他の制約条件