1. 世界の石炭企業及び炭鉱等のランキング調査
1.4 主要産炭国の概況
1.4.2 南アフリカ
2)原料炭
原料炭生産は現状ではほとんどない。ポテンシャルとしては、北の
Limpopo州の
Tshikondeni
炭鉱にて
Exxaroが権益を保有しているが、可採埋蔵量は
430万トンと少なく
生産規模も約
33万トン/年と小さい。選炭過程で一部原料炭品位の石炭が選別されているが 産出は少量であり、国内の鉄鋼メーカーに供給している。
なお、北部の
Limpopo州において、黒人系企業の
Coal of Africaが
Vele Projectを実施 している。ただし、港から約
1,000km離れているなど、輸送上の課題があると考えられる。
むしろ、隣国のモザンビークやジンバブエの方が賦存量も開発可能性もある。ただし、モ ザンビークは港から遠く、鉄道を整備しているものの、地盤が緩いため積載量に限度があ る。また、輸送能力を増強するにも地盤改良工事等に巨額の費用を要するため、当面は輸 送能力に課題がある(600 万トン/年程度の輸送能力は完成しつつある)。よって、短期的な インフラ整備は難しい。また、港近くの海が浅く、川からの土砂の堆積も早いため、浚渫 を頻繁にする必要がある点も課題である。
(2)国内消費
近年の生産量は
24,500万トン/年であり、
11,000~12,000万トン/年が
Eskomの発電用、
4,000
万トン/年が
Sasolの液化燃料(CTL)用、6,000 万トン/年が輸出に回っている
2。そ
の他、ごく一部が原料炭として国内鉄鋼メーカーで消費されたり、低品位の一般炭が産業 用ボイラで消費されている。Eskom(南アフリカ電力公社)
3, Sasol4,輸出を除くと、特定 の大規模需要家がいる訳ではない。
現在、Eskom の石炭消費量は
11,000~12,000万トン/年であるが、建設中の火力発電所 などを踏まえれば
14,000万トン程度までは需要が拡大する。一般的な認識としては、
2020年頃には
Eskomの需要が
1億
8,000万~2 億トン程度になるとの見方が多い。可採埋蔵量
の観点からは、 南アフリカ内に
Eskom向けに
2億トン/年を供給するポテンシャルはある。
ただし、Eskom はそのために
200万トン/年級の炭鉱を新規に
40箇所開発する必要がある としており、タイムフレーム内での開発は難しい部分もある。
また、
Sasolの液化プラントは、今後のモザンビークからのガスも原料に使う予定であり、
CTL
用の石炭需要は
4,000万トンから大幅には増えないと考えられる。
(3)輸出インフラ
Richards Bay
は石炭メジャーの子会社・関連会社である
Anglo Operations Ltd、BHPBilliton Energy Coal SA Ltd、Xstrata SA (Pty) Ltd
等が株主となっており、オープンアク セスは確保されていない。既存株主についても、株式の放出はほとんど見込まれない。鉄 道は国営であり、民営化の動向はない。Richards Bay 以外にも石炭輸出用港湾はあるが、
規模が小さく、かつ港湾までの輸送コストが
Richards Bayよりもかなり高くなる。
2
現地専門家へのヒアリングによる。
3 Eskom(南アフリカ電力公社)は南アの国営電力会社。電力供給能力の増強が課題。
4 Sasol
は南アに本社をおく資源・化学企業。石炭液化技術(CTL)に強みを持つ。
なお、Richards Bay は港自体よりも鉄道網に課題、具体的には一部単線であることや、
急カーブ、急勾配といった課題があり、この対応には相当のコストが必要と考えられてい る。
輸出港が輸出能力を
9,100万トン/年に向けて拡張を進めているため、輸出は
2015年に かけて増える見込みであり、輸出用に増産するのは(港の株主である)Anglo American、
BHP Billiton、Xstrata, Total
などが主になる。
(4)外国投資(海外からの投資)
Black Economic Empowerment (BEE)
という、黒人への補償制度を導入したため、資
本、マネジメント、従業員の全てに黒人が入っていないと事業が難しくなっている。結局、
黒人と
JVを組むことになるが、黒人側に資本がないのが課題になっている。
ドキュメント内
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