1. 世界の石炭企業及び炭鉱等のランキング調査
1.4 主要産炭国の概況
1.4.3 インドネシア
一方、原料炭についても、鉱床は比較的小さいものの、いくつかの開発プロジェクトが 進行中であり、今後
5~10年以内には、インドネシアが重要な原料炭供給国となる可能性 もある。 例えば、
2003年に
PT Marunda Grahamineral(伊藤忠商事が
20%出資。現在
23.5%の権益保有。 )は、カリマンタン島中央部で原料炭生産を開始した。同社は、産出した原料 炭をバリト(Barito)川を使って
780km運び下ろし、
Laut島のバルクターミナルから出荷し ている。2008 暦年における石炭生産量は
144.3万トンで、うち
124.8万トンは海外へ輸出 されている。同じく、伊藤忠商事は、Marunda Grahamineral の南方
100kmに位置する
Suprabari
鉱区でも
2010年
7月に年産
200~250万トンの生産開始を予定している
Suprabari
プロジェクトへも
23.5%出資している。(3)国内消費
インドネシアはクラッシュプログラムにより、
7,753MWの既設の石油火力発電所を廃止 して、新たに石炭火力発電所を
10,000MW建設し電力供給能力の増強を図っている。その ため、インドネシア政府のエネルギー鉱物資源省資源石炭地熱総局によれば、今後石炭の 国内需要が大きく増加することになり、それに合わせて国内石炭生産量も増加していくこ とが見込まれている。具体的には、2025 年における生産量は、2007 年の
2億
1,200万ト
ンから約
75%増加の3億
7,000万トンと予測されている。ただし、生産量は増加していく
が、増産分はほぼそのまま国内需要増分を賄うことなり、輸出量は
1億
5,000万トンで頭 打ちになると見られている。
(4)鉱業法の改正
新鉱業法(鉱物石炭鉱業法)が
2008年
12月
16日に国会本会議で承認され、2009 年
1月
12日に大統領の署名を経て公布、施行された。新報の要点は以下のとおり。
表
1-14新鉱業法(鉱物石炭鉱業方)のポイント
1)COW(鉱業事業契約:Contractof Work)制度の廃止鉱業権は、国または地方政府から発給される鉱業事業許可制度に一本化され、これま で外国からの投資に活用されてきた
COW(鉱業事業契約:Contractof Work)制度は廃止された。
①鉱業事業許可は、鉱業事業区域(WUP)における鉱業事業許可(IUP)と特別鉱業事 業区域(WUPK)における特別鉱業事業許可(IUPK)に分類される。 (その他に、個 人、小規模事業者用市民鉱業許可(IPR))
②事業許可は、探鉱許可と生産許可の
2段階制となる。
③許可取得可能者はインドネシア法人または自然人に限られるが、内国資本、外国資本 の差別はない。
2)既存COW
は契約期限内有効。ただし
1年以内に新法に適合させなければならない。
3)インドネシア国内での生産物高付加価値化(製錬・精製)義務を新たに追加。既存COW
により生産を行っている者も、5
ない。ただし、高付加価値化に関する詳細は別途政省令で定めることになっている。
4)IUPK
による生産には、新たに
10%のNet Profit Royaltyを追加。
5)外資インドネシア法人による鉱山開発の場合、生産開始5
年後に国、地方政府、イン
ドネシア民間企業等に一部資本委譲義務あり。ただし、委譲割合、方法及び代償措置等 の詳細は別途政省令で定めることになっている。
6)政府に生産量、輸出量をコントロールする権限を付与。
7)政省令は1
年以内に制定。それまでの間は旧政省令を矛盾しない範囲で適用。
出所) 「金属資源レポート」 (2009.3、JOGMEC)より
このうち、特に既存
COWの取り扱い、移行規定の解釈に幅があるため、業界内では困惑 が広がっているとも言われ、また新規投資については、生産期間が最大
40年間(当初
20年 間+10 年間
2回更新可能)と短くなること、あるいは最大鉱区面積が小さくなることを捉 えて、大型の新規投資は難しくなるのではないかといった意見も業界から出されている。
表
1-15鉱業権の形態とその内容の新旧比較
新法 旧法
形態
IUP鉱業事業許可
IUPK
特別鉱業事業許可
※ 新 た に
10% の
Net Profit Royaltyが追加される。
COW(Contract of Work)
鉱業事業契約
KP
鉱業権
分類 探鉱
IUP/生産
IUP探鉱
IUPK/生産
IUPK単一 概査/探査/採掘/加工・精製
/輸送/販売対象者 インドネシア法人、
自然人
インドネシア法人 国営企業、地方公営 企業優先
外国資本インドネシア法 人
内国資本インドネシア法 人、自然人
発給者 原則地方政府 中央政府 中央政府 中央政府(ただし
2000年 以降実態的に地方政府)
最大期間 探鉱:8 年間
生産:20 年間(+更新
10年×2 回)
概査:1 年(+更新
1年) 探査:3 年(+更新
1年
2回)
FS:1年(+更新
1年) 建設:3 年
生産:
30年(+更新
10年
2回)
概査:1 年
探査:3 年(+更新
1年
2回) 生産:
30年(+更新
10年
2回)
最大面積 探鉱:10,000ha 生産:25,000ha
制限なし 概査:5,000ha
探査:2,000ha
生産:1,000ha
出所) 「金属資源レポート」 (2009.3、JOGMEC)より
ドキュメント内
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