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研究成果の要約

ドキュメント内 九州大学学術情報リポジトリ (ページ 144-147)

7 結論

7.1 研究成果の要約

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ス・レンタルに依存していないことが判明した。全国的にも過疎化問題が深刻な離島では、災害応 急復旧時において、地域建設企業がリース・レンタル機械に頼る、あるいは補うことができないも のと考える。

・ さらに、推計された建設機械賦存量の有用性を検証した結果、既存統計資料が示すリース・レンタ ル企業と地域建設企業の建設機械保有台数割合が本調査結果と同じ割合であることが判明した。

ただし、調査年に2年の差があり、調査方法、推計方法に違いがあること、年々、建設機械保有台 数が減少傾向にあることを踏まえると平成25年では相応に変化していることが予想される。しか し、これ以上の検証は困難である。よって、ここから検証できたのは割合だけであるが、同じ値を 示したことから、推計した賦存量は有用であると考える。

・ 公共事業費と建設機械賦存量を比較した結果、その割合は殆んど近似していたことから、相関関 係にあることがわかった。建設機械賦存量は公共事業量に強く依存していることが明らかとなっ た。すなわち、建設機械は、災害復旧のために保有されているのではなく、建設工事の発注量など、

平常時の経済的な要因により、建設機械保有台数の多寡は決定されている。

九州全域を対象として、地域建設企業への調査に基づき災害発生時に対応可能な建機オペレーターの 賦存量を県・地域単位で把握できた。その結果、次のような成果が得られた。

・ 建機オペレーターの人数(賦存量)の全数把握のための推計にあたっては、建設業許可業者28業 種すべてを対象とする必要はない。その中でも対象とする業種は一般土木企業とし、対象とする 企業数についても、建設機械を保有している一般土木企業(建設業許可業者全体の 2 割程度)で 十分、把握可能であることがわかった。その一方で、推計された値と実数値を検証する必要がある が、現状、推計された建機オペレーターの賦存量を検証することは非常に困難である。経営事項審 査にもその情報は記載されておらず、その他、災害協定資料以外の調査に関する文献や資料では 把握できなかった。

・ 公共事業費との関係性について検証した結果では、建機オペレーターの賦存量と公共事業費の割 合は近似していたことから、建機オペレーターの賦存量も建設機械の賦存量と同様に公共事業量 に強く依存していることが明らかとなった。

5 章では、建設機械及び建機オペレーターの必要量と賦存量に着目して、両者を比較することで災 害応急復旧力の実態を把握した。概ね10年に1回程度発生する大きな災害に対して、応急復旧に必要と なる建設機械及び建機オペレーターの必要量と賦存量を県・地域単位で比較し、地域毎の災害応急復旧

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力を定量的に明らかにした。なお、地域単位での比較結果については、地域毎に必要量が把握できた福 岡・熊本・大分・宮崎・鹿児島の5県を対象として比較した。

・ 平成17年9月に宮崎県で発生した台風14号クラスの災害被害を受けた場合、宮崎県に限らず熊 本県においても地域建設企業の保有する建設機械だけでは対応できないことが判明した。ただし、

リース・レンタル企業が保有する建設機械を合わせて比較した場合では、それぞれの県で必要量 に対して賦存量の方が上回り十分に対応できることわかった。よって、10年に1回程度の大災害 に対して必要となる建設機械は、地域建設企業のみの建設機械だけでは、不十分であり、リース・

レンタル企業の保有する建設機械でその不足分を補うことが必要である。

・ 平成17年台風14号は、過去10年の災害の中で最も被害が大きく、宮崎県内を地域単位でみた場 合、地域によって、建設機械賦存量に不足がみられた。地域建設企業とリース・レンタル企業の賦 存量をあわせてみても、特に被害が大きかった高千穂地域と椎葉、美郷地域では、現状の賦存量で は災害対応ができないことがわかった。さらには、この災害規模の被害を受けた場合、ここで示し た賦存量(土工量)だけで判断すると、すべての地域において、十分な災害対応をできないことが わかった。

・ 建機オペレーターの賦存量についても、地域毎に過不足が見られた。小林・えびの地域、宮崎地域、

都城地域の3地域については、建機オペレーターの数は充足していた。それ以外の 5地域では、

建機オペレーターの数が不足していた。特に、高千穂地域と椎葉・美郷地域では、顕在化していた。

したがって、宮崎県内で発生した平成17年台風 14号クラスの被害を受けた場合、地域単位での 建設企業だけでは災害対応が非常に困難な状況にある。このように広域的に大きな被害をもたら す災害については、ここで示した賦存量(人数)だけで判断した場合、地域間で連携したとしても 十分な応急復旧は困難である。県外からの協力が必要不可欠となる。

6章では、平成24年7月に発生した九州北部豪雨災害の応急復旧活動に携わった地域建設企業の 災害対応の実態を把握するために、アンケート調査を行った。その結果、次のような成果が得られた。

・ 災害応急復旧活動に携わった殆どの企業が災害協定に加盟しており、災害に備えて、協力体制を 築くことは、地域にとって、社会的役割の一つと共通の認識をもっていることが判明した。また、

入札時における企業評価のインセンティブが働いていることもわかった。

・ 地域建設企業の大部分は、地方自治体(県・市町村)と災害協定を締結していることがわかった。

また、災害協定を2つ以上の複数機関と重複して締結している企業が全体で約 7 割近くあり、情 報錯綜による混乱が発生していたことがわかった。

・ 災害出動に関しては、役所からの要請によるものが最も多かったが、一方で、自主的な活動もあっ

138 たことが判明した。

・ 発災直後、8割程度の企業が5時間以内に出動していることから、平常時から十分な出動準備が出 来ていたということがわかった。

・ 現状の協力(連携)体制に関しては、統制をとるための指示系統が十分に確立されていないという ことが明らかとなった。

・ 災害応急復旧時には、「手持ち工事の遅れ」による影響が最も多く、災害復旧を優先し、入札辞退し た企業も存在していた。また、建機オペレーター不足と回答した企業も存在していた。

・ 緊急時の対応ともなると平常時とは異なり、余分な経費が必要となるため、災害時の積算単価に は、災害対応や準備に要する実費が清算されていないことがわかった。

以上から、災害応急復旧時において、地域建設企業が保有する建設機械だけでは、対応できない県、地 域が明らかとなった。ただし、リース・レンタル企業とうまく連携することで、それらを補うことができ ることも判明した。建設機械や建機オペレーターが不足する地域においては、その地域内だけでは、災害 対応が困難であり、他地域や他県との連携を図ることで、建設機械や建機オペレーターを 2 次的に補填 することが必要である。さらには、災害対応時に必要となる建設機械だけでなく、これを操縦するオペレ ーターの確保も今後の課題である。国や地方自治体、地域建設企業等、関係団体が連携して、建機オペレ ーターの育成・確保についても取り組んでいくことが必要と考える。

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