4.2.1 $0100 石炭 (1) 定義
天然に産出した固体状炭化水素である石炭の 需給を表現する項目をいう。
(2) 解説
石炭の物性の差異に着目し、使用用途による 分類(原料用、一般用、粘結性の有無)、炭化 度、発熱量により分類して取り扱う。
(3) 計量方法
算定はすべて水分、灰分、硫黄分などを含ん だ「湿炭・有灰」あるいは「有水有灰」の状態で 行う。「乾炭」表記の場合実測湿分、「無水無 灰」表記の場合実測湿分、灰分で有水有灰に 換算するが、湿分、灰分が分からなければ産 炭地別に代表的な銘柄の湿分、灰分値を使い 換算する52。湿分、灰分の実測値も産炭地も 判明しない場合、輸入一般炭であるとして平 均湿分率8.0%、平均灰分率12.0%と仮定して 近似的に換算する。
$0110 原料炭、$0120 一般炭 及び$0130 無煙炭 を合計した量を計上する。固有単位で表記す る場合、$0110 原料炭、$0120 一般炭、$0130 無煙炭のエネルギー量の和を$0121 輸入一般 炭 の実質発熱量で除した数量を用いる。
4.2.2 $0110 原料炭 (1) 定義
石炭のうち、コークスなどを製造するための コークス用原料炭と、高炉製鋼における吹込 用原料炭の需給を表現する項目をいう53。
(2) 計量方法
$0111 コークス用原料炭 と$0112 吹込用原料
炭 のエネルギー量の合計を計上する。固有単
52 代表的な銘柄の物性(品位)については、資源エネル
ギー庁監修「コールノート」(資源産業新聞社) を参照。
53 コークス用原料炭、吹込用原料炭のエネルギー転
換や品質基準、要求仕様については、補論3 を参照。
位で表記する場合、$0111 コークス用原料炭、
$0112 吹込用原料炭 のエネルギー量の和を
$0110 原料炭 の標準発熱量で除した数量を用 いる。
発熱量に関する定期的報告資料などがなく、
その利用技術の多くは企業秘密の制約を受け るため、実質発熱量を得ることは困難であ る。
4.2.3 $0111 コークス用原料炭
(1) 定義
石炭のうち、コークス炉においてコークスや コークス炉ガスなどを製造するための原料と して用いられるものの需給を表現する項目を いう。
(2) 解説
日本貿易統計において用途別に通関された石 炭の量が示されているが、通関時の用途分類 のまま使用されるわけではなく、各コークス 炉の操業条件に適合する石炭が調配合されて 使用される。そのため、供給量については、
エネルギー転換部門の投入量を供給量とみな して求める。
(3) 計量方法
#100000 一次エネルギー供給
#120000 輸入
エネルギー転換における消費の合計量が輸入 により供給されたものと推計し、当該合計量 を輸入量として計上する。
#170000 供給在庫変動
エネルギー生産・需給統計により供給在庫が 把握できる場合に計上する(2000年度まで)。
#200000 エネルギー転換
#212100 鉄鋼コークス、
#212200 製鉄化学
石油等消費動態統計における鉄鋼業の原料炭 消費量、化学工業の原料用石炭消費量を投入 量(負号)として計上する。
#212300 専業コークス、
#212900 コークス重複補正
#212100 鉄鋼コークス の$0211 コークス 生産 量当たり投入原単位から推計した量を投入量 (負号)として計上する。
#213000 ガスコークス
ガス事業生産動態統計におけるガス製造用石 炭投入量を計上する(1997年度まで)。
#355000 転換・消費在庫変動/製造業(大規 模・指定業種)在庫
石油等消費動態統計における業種別原料炭在 庫量から変動量を算出し計上する。
#500000 最終エネルギー消費
計上しない。
4.2.4 $0112 吹込用原料炭 (1) 定義
石炭のうち、高炉製鋼においてPCI54用石炭と して用いられ、高炉ガス、転炉ガスにその成 分の一部が転換される原料となるものの需給 を表現する項目をいう。
(2) 解説
一般炭、無煙炭などの銘柄の中から、高炉製 鋼に支障のない石炭種が選別されて使用され る。そのため、供給量については高炉投入量
54 微粉炭吹込み、Pulverized Coal Injection
(高炉での最終エネルギー消費量と高炉内部で 高炉ガス、転炉ガスに転換された量)が品種振 替により転換されて供給されたものとして推 計する。
(3) 計量方法
#100000 一次エネルギー供給
計上しない。
#200000 エネルギー転換
#211000 石炭品種振替
$0112 吹込用原料炭 の#215000 鉄鋼系ガス生
成 での投入量、#500000 最終エネルギー消費 での消費量の合計量が、$0120 一般炭、$0130 無煙炭 からの品種振替により産出されたもの と推計し産出量(正号)を計上する。
#215000 鉄鋼系ガス生成
石油等消費動態統計における高炉ガス、転炉 ガスの発生回収量が、高炉に投入された$0211 コークス と$0112 吹込用原料炭 のエネルギー 量の比率により、$0211 コークス と$0112 吹 込用原料炭 から均等に案分して転換されたも のとみなし投入量(負号)を計上する。
#500000 最終エネルギー消費
#629111-03 高炉製鋼
石油等消費動態統計における指定品目、高炉 製鋼の石炭消費量から#215000 鉄鋼系ガス生 成 において$0222 高炉ガス、$0225 転炉ガス に転換された量を控除した量を消費量として 計上する。
#629111-10 他鉄鋼製品
石油等消費動態統計におけるその他鉄鋼製品 の原料炭消費量を計上する。
4.2.5 $0120 一般炭 (1) 定義
石炭のうち、発電、蒸気発生や材料加熱など の目的で直接燃焼させて用いられ、$0130 無 煙炭 を除くものの需給を表現する項目をい う。
(2) 計量方法
$0121 輸入一般炭 と$0124 国産一般炭 のエネ ルギー量の合計を計上する。固有単位で表記 する場合、$0121 輸入一般炭、$0124 国産一 般炭 のエネルギー量の和を$0120 一般炭 の標 準発熱量で除した数量を用いる。
$0123 発電用輸入一般炭 については、電力調 査統計、電力需給の概要から実質発熱量を求 めることができる。$0121 輸入一般炭、$0124 国産一般炭 については、発熱量に関する定期 的報告資料はないため、標準発熱量を用い る。
4.2.6 $0121 輸入一般炭 (1) 定義
一般炭のうち、輸入されたものの需給を表現 する項目をいう。
(2) 解説
瀝青質混合物(例: オリマルジョン)などオイル サンド、オイルシェールなどの非在来型石油 を加工した燃料については、原油の一種とし て取り扱う。
(3) 計量方法
$0122 汎用輸入一般炭 と$0123 発電用輸入一
般炭 のエネルギー量の合計とする。固有単位
で表記する場合、$0122 汎用輸入一般炭、
$0123 発電用輸入一般炭 のエネルギー量の和 を$0121 輸入一般炭 の標準発熱量で除した数 量を用いる。
4.2.7 $0122 汎用輸入一般炭 (1) 定義
輸入一般炭のうち、事業用電力に使用される もの以外の需給を表現する項目をいう。
(2) 解説
石炭の最終エネルギー消費については、その 大半が製造業におけるものであるが、石油等 消費動態統計における石炭の消費には鉄鋼業 における原料炭、一般炭の区別を除くと炭種 別の分類が設けられていない。このため、石 油等消費動態統計における石炭消費は原則本 項目における消費として計上し、他の項目の 石炭として明確に識別できるエネルギー消費 があれば区分して計上する。
電気事業者が使用する発電用石炭については、
特に低灰分、低硫黄の銘柄が選択されて使用 されること、毎年度実質発熱量が求められる ことなどの理由から、区分して$0123 発電用 輸入一般炭 において計量する。
(3) 計量方法
#100000 一次エネルギー供給
#120000 輸入
日本貿易統計における石炭輸入量(原料炭、
一般炭合計)から$0111 コークス用原料炭、
$0123 発電用輸入一般炭 の輸入量を控除した 量を計上する。
#170000 供給在庫変動
エネルギー生産・需給統計により供給在庫が 把握可能な場合計上する(2000年度まで)。
#200000 エネルギー転換
#211000 石炭品種振替
$0112 吹込用原料炭 に品種振替されたと推計 した量(負号)、$0124 国産一般炭 に/から品種 振替した/されたと推計された量(負号/正号)
(2001年度まで)、$0130 無煙炭 から品種振替
されたと推計した量(正号)の合計量を計上す る。
#240000 事業用発電
計上しない($0123 発電用輸入一般炭 に計 上)。
#250000 自家用発電、
#260000 自家用蒸気発生
3.3.13 #250000 自家用発電の(3) 計量方法及び 3.3.15 #260000 自家用蒸気発生の(2) 計量方法 を参照。
2016年度以降は電力調査統計に報告されてい る自家消費分でエネルギー消費統計で捉え切 れていない分は、対応する業種に上乗せして 計上する。この分は$0123 発電用輸入一般炭 の実質発熱量に対する$0122 汎用輸入一般炭 の実質発熱量の比率を乗じて計上する。
#270000 地域熱供給
熱供給事業便覧における石炭原・燃料使用量 を計上する。
#355000 転換・消費在庫変動/製造業(大規 模・指定業種)在庫
石油等消費動態統計における業種別石炭在庫 量から変動量を算出し計上する。
#401000 一次側供給統計誤差 総需要と総供給の差分を計上する。
#500000 最終エネルギー消費
#600000 企業・事業所他
石油等消費動態統計の対象部分については、
業種別にエネルギー転換用投入量を計上する。
ただし、化学工業のその他の製品の石炭消費 量には、#212200 製鉄化学 に計上する原料用 が含まれるため、重複分として原料用分を控 除する。
石油等消費動態統計の対象外の部分について は、エネルギー消費統計における石炭の直接 エネルギー投入量を計上する。
#813000 旅客/鉄道
鉄道統計年報の蒸気機関車の走行量に、環境 省温室効果ガス排出量算定方法検討会・運輸 分科会推計の蒸気機関車燃費を乗じて推計し た値を計上する。
#951500 非エネルギー利用/製造業(大規 模・指定業種)
石油等消費動態統計における業種別原料用 (コークス・石油製品用を除く)消費量を計上 する。
4.2.8 $0123 発電用輸入一般炭
(1) 定義
輸入一般炭のうち、事業用電力の火力発電所 において発電用燃料に使用されるものの需給 を表現する項目をいう。
(2) 解説
電気事業者が使用する発電用石炭については 主として専焼石炭火力発電設備に投入される が、これらは出力の安定性や排煙性状などを 与件として運転されるため特に低灰分・低硫 黄の銘柄が選択されて使用される。一方、自