4.3.1 $0300 原油 (1) 定義
天然に産出した鉱物油である原油の需給を表 現する項目をいう。
(2) 解説
用途による分類(精製用、発電用)と性状、産 状による分類(瀝青質混合物、NGL・コンデ ンセート)を併用する。
通常の原油の他に非在来型原油を対象に含む。
非在来型原油としては発電用に瀝青質混合物 (オリマルジョン)が使用されたことがあるが、
タールサンド、オイルサンドやこれらの抽出 油などが輸入、消費される場合、本項目に項 目を設けて表現することとする。
単に原油という場合、$0310 精製用原油、
$0320 発電用原油 の合計を示す狭義の意味で 用いることがあるが、総合エネルギー統計で は$0310 精製用原油~$0320 発電用原油 を包 含する広義の意味でこれを用いる。
いわゆる「石油」は、$0300 原油 と$0400 石油 製品 を包含する概念である。
標準発熱量としては、$0310 精製用原油 の標 準発熱量64を用いる。
(3) 計量方法
原油には、炭化水素分の他、微量の水分、水 泥(エマルジョン)分、硫黄分、残留炭素分な どが含まれるが、これらをすべて含んだ状態 で算定を行う。
$0310 精製用原油、$0320 発電用原油、$0321
瀝青質混合物、$0330 NGL・コンデンセート のエネルギー量を合計した量を計上する。固 有単位で表記する場合、$0320 発電用原油~
$0330 NGL・コンデンセート のエネルギー量 の和を$0310 精製用原油 の実質発熱量で除し た数量を用いる。
64 原油体積換算(kloe)を行う際には、換算基準とする
原油は常に38.7MJ/L (9,250kcal/L)と定義化し、日本の 原油の標準発熱量や実質発熱量を用いて換算しない。
4.3.2 $0310 精製用原油 (1) 定義
NGL・コンデンセートを除く原油であって、
石油精製・石油化学用原料として投入される ものの需給を表現する項目をいう。
(2) 解説
事業用発電用に使用される原油は、$0320 発 電用原油 に計上する。
(3) 計量方法
実質発熱量については、石油輸入調査におけ る原油銘柄別物性値から戒能(2014)の方法に より推計した原油銘柄別精製半製品別収率、
同発熱量を精製用原油銘柄別輸入量で加重平 均した値を求めて用いる。
#100000 一次エネルギー供給
#110000 国内産出
資源・エネルギー統計における国産原油 (NGL・コンデンセートを除く、以下同じ)の 生産量を計上する。
#120000 輸入
資源・エネルギー統計における精製用原油輸 入量を計上する。
#170000 供給在庫変動
資源・エネルギー統計における国産原油在庫、
輸入原油在庫量から変動量を算出し計上す る。
#200000 エネルギー転換
#222100 原油常圧蒸留
資源・エネルギー統計における精製業者の原 油(NGL・コンデンセートを除く、以下同じ) 処理量を計上する。
#223000 潤滑油製造他
資源・エネルギー統計における潤滑油業者、
その他業者の処理量を計上する。
#225100 エチレン工程: 分解ガス・分解油生 成
石油等消費動態統計における他化学製品の (原料用)原油投入量を計上する。
#240000 事業用発電
計上しない($0320 発電用原油 に計上)。
#250000 自家用発電、
#260000 自家用蒸気発生
3.3.13 #250000 自家用発電の(3) 計量方法及び 3.3.15 #260000 自家用蒸気発生の(2) 計量方法 を参照。
2016年度以降は電力調査統計に報告されてい る自家消費分でエネルギー消費統計で捉え切 れていない分は、対応する業種に上乗せして 計上する。この分は$0320 発電用原油 の実質 発熱量に対する$0310 精製用原油 の実質発熱 量の比率を乗じて計上する。
#355000 転換・消費在庫変動/製造業(大規 模・指定業種)在庫
石油等消費動態統計における業種別原油在庫 量から変動量を算出し計上する。
#401000 一次供給側統計誤差 総需要と総供給の差分を計上する。
#500000 最終エネルギー消費
#626111-01 石油化学製品原料
石油等消費動態統計における指定品目石油化 学製品(原料用)の原油投入量を計上する。
#951530 非エネルギー利用/化学
#626111-01 石油化学製品原料 の値を計上す
る。
4.3.3 $0320 発電用原油 (1) 定義
NGL・コンデンセートを除く原油であって、
事業用発電の火力発電所において発電用燃料 として使用されるものの需給を表現する項目 をいう。
(2) 解説
事業用発電に使用される原油は、低硫黄・高 発熱量(=重質)のアジア、大洋州産原油が主 に用いられ、相対的に高硫黄・低発熱量(=軽 質)の精製用原油と性状、品質が異なるため、
用途別に区分して取り扱う。
(3) 計量方法
#250000 自家用発電、#260000 自家用蒸気発
生 については、過去原油がほとんど使用され ていないこと、経済性を考えれば通常は自家 発電などの目的で原油を輸入することは考え られないことから、計上しない。
電力調査統計、電力需給の概要から推計した 実質発熱量を用いる。
#100000 一次エネルギー供給
#120000 輸入
資源・エネルギー統計における発電用原油輸 入量を計上する。
#170000 供給在庫変動
発電用原油の投入量とエネルギー生産・需給 統計における発電用出荷量の差分は在庫変動 分とみなして計上する。
#200000 エネルギー転換
#240000 事業用発電
電力調査統計、電力需給の概要における発電 用原油投入量を計上する。
#301400 自家消費/ 事業用発電
2015年度以前は、電力調査統計、電力需給の 概要における一般電気事業者、卸電気事業者 の「その他雑用」向け原油消費量を計上する。
2016年度以降は新たに電気事業者になった事 業者を中心に、石油等消費動態統計やエネル ギー消費統計等との重複があることから、自 家消費を別途調査して計上する。
#351000 転換・消費在庫変動/事業用電力在 庫
電力調査統計、電力需給の概要における原油 在庫量から変動量を算出し計上する。
#500000 最終エネルギー消費
計上しない。
4.3.4 $0321 瀝青質混合物 (1) 定義
オイルサンド、タールサンド、オイルシェー ルなどの非在来型石油を含む鉱物を、粉砕し て水に懸濁させて製造した液体状の燃料製品 の需給を表現する項目をいう。
(2) 解説
ベネズエラ産の「オリマルジョン」(商品名)が 代表的な例であり、重質油を多く含んだ鉱物 をそのまま採掘、粉砕し、界面活性剤を加え 少量の水に懸濁させて流体燃料として取り扱 えるようにしたものである。
非在来型の石油資源を活用した新しいエネル ギー源であるため、エネルギー政策上の取扱 いは「石油代替エネルギー」となっているが、
総合エネルギー統計においてはその由来によ り分類し原油の一種として取り扱う。
(3) 計量方法
電力調査統計、電力需給の概要から推計した 実質発熱量を用いる。
#100000 一次エネルギー供給
#120000 輸入
#240000 事業用発電 における投入量を輸入量 として計上する。
#200000 エネルギー転換
#240000 事業用発電
電力調査統計、電力需給の概要における発電 用投入量を計上する。
#301400 自家消費/事業用電力
2015年度以前は電力調査統計、電力需給の概 要における一般電気事業者、卸電気事業者の
「その他雑用」向け消費量を、2016年度以降は 新たに電気事業者になった事業者を中心に、
石油等消費動態統計やエネルギー消費統計等 との重複があることから、自家消費を別途調 査して計上する。
#351000 転換・消費在庫変動/事業用電力在 庫
電力調査統計、電力需給の概要における在庫 量から変動量を算出し計上する。
#500000 最終エネルギー消費
計上しない。
4.3.5 $0330 NGL・コンデンセー ト
(1) 定義
天然ガス田や油田において、天然ガスの採掘、
精製過程で得られる、常温、常圧で液体状の
C5~C8程度の軽質炭化水素の需給を表現す る項目をいう。
(2) 解説
産出形態により性状が若干異なるため、天然 ガ ス 田 産 の も の は 重 質NGL (Natural Gas
Liquid)、油田産のものは軽質NGL65として分
類される。これらを総称しNGL・コンデンセ ートと呼称する。
(3) 計量方法
$0331 精製用NGLコンデンセート、$0332 発電 用NGLコンデンセート、$0333 石油化学用 NGLコンデンセート のエネルギー量を合計し た量を計上する。
石油化学用投入・消費量については、石油等 消費動態統計における統計調査項目として 1995年度から追加されたため、それ以前の投 入・消費量については推計により計上する。
#100000 一次エネルギー供給
#110000 国内産出
資源・エネルギー統計における国産原油内訳 中コンデンセートの生産量を$0331 精製用 NGLコンデンセート に計上する。
#120000 輸入
資源・エネルギー統計における輸入原油内訳 中精製用、発電用、石化用コンデンセートの 輸入量を計上する。
65 油田産のNGLについては、揮発分中の比較的炭素
数の多い(C5~C8)炭化水素分子は原油の液中に溶解 してガス分中には残留していないため、ガス分を原 油分から分離した後冷却・減圧すると天然ガス田産 のものと比較して軽質なNGLが産出する。油田産の 軽質NGLについては比重0.69~0.71程度であるが、天 然ガス田産の重質NGLについては比重0.72程度であ りC5~C8の有用な炭化水素分子を相対的に多く含ん でいるため、石油化学用原料としては主に天然ガス 田産の重質NGLが用いられている。
#170000 供給在庫変動
発電用コンデンセートの総需要と総供給の差 分を計上する。
#200000 エネルギー転換
#222100 石油化学原料振替
$0333 石油化学用NGLコンデンセート の総需 要と総供給の差分を計上する。
#222100 原油常圧蒸留
資源・エネルギー統計における国産コンデン セートと精製用NGLコンデンセートの輸入量 の合計を$0331 精製用NGLコンデンセート に 計上する。
#225100 エチレン工程: 分解ガス・分解油生 成
石油等消費動態統計における指定生産品目石 油化学製品(原料用)の消費量を投入量として、
$0333 石油化学用NGLコンデンセート に計上 する。
#240000 事業用発電
電力調査統計、電力需給の概要における発電 用投入量を$0332 発電用NGLコンデンセート に計上する。
#250000 自家用発電、
#260000 自家用蒸気発生
石油等消費動態統計における石油化学工業の ボイラー用、コージェネレーション用消費量 を$0333 石油化学用NGLコンデンセート に計 上する。
#301400 自家消費/事業用電力
2015年度以前は電力調査統計、電力需給の概 要における一般電気事業者、卸電気事業者の
「その他雑用」向け消費量を、2016年度以降は 電力調査統計(発受電月報)における電気事業