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第2章  美術科の授業の改善

第2節  美術科の授業実践から

B. 短所

① 授業が何週間にも渡るため、生徒の最初の感動、想の持続が困難  である。

② 一年間に扱う教材が少なく、教材の変化に乏しい。従って生徒は  次の授業への期待感が持てず、興味を失う恐れがある。

③ 造形経験に偏りができ、いろんな領域を経験させることができな

 い。

④ 授業が進むにつれ、毎週の授業ごとの区切りがあいまいになり、

 生徒はその日の学習の明確な目標が持ちにくくなる。教師の指導も  難しい。同一の作業が続く場合、特にこのことが言える。この場合  生徒にあきがきて、意欲的な活動が損なわれやすい。

⑤ 生徒の進度差が起こりやすい。進度差が大きくなるだけ、教師の  対応も難しくなる。

⑥ 教材の前半はともかく、後半になるにつれ、作品製作に時間がか  かっている分、やり直しが難しい。

⑦ 作品の完成経験が少ない分、作品が思うようにできなかった場合  の生徒の受けるダメージが大きい。また、長時間かけての製作は作  品の差が現れやすく、生徒が自信を失う恐れがある。

⑧ 季節や行事など時期に関係する教材の場合、授業が長く続くほど  主題と生徒の意識の間のズレが起きてくる。また生徒の実態に合わ  せて教材を設定しようとする場合、適時性、柔軟性に欠ける。

⑨ 毎週の授業を明確に区切ることが難しく、毎時間の明解な評価が  難しい。

⑩ 長時間教材の場合、往々にして教師の指示・説明が多くなり、教  師主導型の授業になりやすい。また、教材への教師の思い込みが強  い分、生徒の実力以上の期待をかけ、かえって表現意欲を損なう場  合がある。

⑪ 生徒に関して、縦断的研究、横断的研究いずれの場合も作品数が  少ないため、生徒の実態、変容をつかみにくい。

(2)短時間教材の長所と短所

A.長所

① その日に教材が完結するため、生徒は授業に集中でき、最初の感  動、想の持続が容易である。

② 教材数が多くなるので教材の変化があり、生徒に興味・関心を持  たせることができる。従って生徒の自主的な学習態度が期待できる。

③ 教材数が多くなるので、美術のさまざまな領域を経験させること  ができる。

④ 生徒にとって、その日の学習の目標がよくわかる。(教師がその  授業の明確な目標を持って与えなければ、短時間教材は扱えない)

⑤ 生徒一人ひとりの進度差が起こりにくい。

⑥ やり直すことが容易である。またやり直したため、その日に完成  できなくとも、次の週までに無理なくできる。

⑦ 生徒は作品の完成経験が多くなり、私もできる、という自信を持  たせることができる。自信を持たせることは、美術を好きにさせる  ことでもある。

⑧ 教材配列上の、柔軟性、適時性といった問題にすぐ対応できる。

⑨ 毎週、明解な評価を行うことができる。

⑩ 教材数が多くなるので、関連教材を繰り返し体験させることを通  して、身につけさせるべきことを確実に生徒のものとすることがで  きる。

⑪ 生徒に関して、縦断的研究、横断的研究いずれを行うにしても、

 作品数が多くあるため、生徒の実態、変容をつかみやすい。

B.短所

① 作品完成時における成就感、満足感が長時間教材の場合に比べ、

 浅いものになる。

② 導入、発想段階に時間がとれないため、じっくり構想を練ること  ができない。

③ 時間をかけることによってしか経験できない価値ある教材を扱う  ことができない。(例えば彫塑、工芸の領域)

④ 合科学習、総合学習を行うのに適さない。これらの学習は時間を  かけねばできない場合が多い。

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