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○ 情報通信政策を取り巻く環境についての、テクノロジーに関する中期的な状況分析はおよそこの通りだろう。しかし日本の社会/文化全体の現状を 考えるとき、従来の情報通信政策は、国民全体の利益を視野に入れず、営利事業者の権利・義務に偏っていたのではないか。つまり日本が直面してい る社会・地域格差、福祉、教育、環境、国際理解などの深刻な諸問題に果たす情報通信の大きな役割(公共的義務)に関して、ほとんど検討されてい ないといっていい。 各国で行われているように、情報通信政策は第一義的に国民全体のコミュニケーションや相互理解を図り、社会/文化の基盤形 成、また次世代への継承をはかるものであって(注*)、一部既得権益を保護することのみに使われてはならない。新法案も事業者法的な旧法の偏り から抜け出していないと考える。

*注 EUのプラハ閣僚会議(1994)では、「公共放送の情報提供責任」「資金調達」「政治的中立と公共説明責任」「新しい技術へのアクセス」の 四つの分野にわたる「公共放送の将来に関する決議」「過去を振り返り国家の文化的遺産に目を向ける必要性と同時に、民族的少数派の視聴者の ニーズに応え、文化的に革新的であること」を求め、以下九項目の宣言をした。

(1)番組を通じて公共のすべてのメンバーに、判断の基準と、すべての個人・グループ・コミュニティの社会的な結合や統合のための要素を提供 する。いかなる差別も排除する。

(2)できるかぎり幅広い意見や見解が表現できる公共の議論の場を提供する。

(3)不偏不党のニュース、情報、コメントを放送する。

(4)倫理的・質的に高い基準をみたし、市場の力に屈して質の追求を犠牲にすることのない多元的、革新的、しかも多様性に富んだ番組を提供す る。

(5)民族的少数派のニーズに応えつつも、幅広い公共の利益のための番組スケジュールおよびサービスを開発・組織する。

(6)相互理解と寛容を強化し、民族の多様性と多文化的な社会を振興する目的を持ちながら、社会におけるさまざまな哲学的思想や宗教的信仰を 反映する。

(7)国家とヨーロッパの文化的遺産の多様性の評価や伝播・普及に積極的に貢献する。

(8)番組、映画、ドラマその他の作品が、オリジナルの製作であることを確保し、独立系のプロデューサーを使い映画部門と協力する必要がある ことを認識する。

(9)商業放送が通常、提供しないような番組サービスも提供して、視聴者に幅広い選択を保障する。

(1)日本の情報通信の状況

○ 「違法・有害コンテンツの増大が社会問題化する」(p1)とありますが、詐欺コンテンツなどの直接の加害犯罪行為と関連するコンテンツは別 として、その「有害性・違法性」の前提に対し、それがどんな「公共の福祉」にどんな形で反しているというのか。まずそこに疑問があります。

後述箇所からの例で見るなら、「「自殺の方法」や「爆弾の作り方」、「ポルノ」など、違法とは必ずしも分類し難い情報」(p10)、これらの情 報が何故「青少年など特定利用者層に対する関係では一定の規制の必要性がある」のか。本当にそこに必要性があるのか…「公共の福祉」にどん な形で反しているのか、そのテーマは未だ議論が続けられ、明確な結論が出ていないものであった筈です。ひいては、「社会問題化する」とある、

その問題性は何なのかという疑問でもあります。現存する「青少年保護条例」などへの反論としてあるべき見解となりますが、現状認識として本 当に「社会問題化している」とするべきか疑わしいものを含めてそう指摘されている様でしたので、まずそこからの疑問を申し上げます。

○ SNS 、CGM が代表する商業化・個人化された「マイメディア」とともに、新しいメディアフォマットを開拓してきた市民社会メディア(グルー プ、NPO、コミュニエィー、アーティストなどのメディア活動)も取り上げるべく。

民主主義、市民社会の観点からの評価も必要。特にに国際契約で保証されている「コミュニケートする権利」の観点から。(資料1参照)

「CGC」は昔からある、パブリクアクセス、コミュニティラジオ、NPO のウェブサイト、社会ムーブメントの「オーペンパブリッシング」などの

「参加型コミュニケーション」のモデルの商業化である事実を反映してもらいたい。

個人の「サイバー犯罪」は強調しすぎ、ネット企業やマスコミ、行政による人権侵害は欠如。

P2P はネットの本来の形で、研究者の知識共有などに不可欠であり、「p2p=犯罪」ということには限らない。

著作権をめる論争は国連などで続けている中、「保護」だけではなく、今後の社会の発展につなぐ「見直し」も視野にいれるべくのではないか。

資料1コミュニケートする権利に関する国際契約・宣言

• 世界人権宣言

http://www.unhchr.ch/udhr/lang/jpn.htm Art 7 (equality)

Art 12 (privacy)

Art. 18 (thought and religion) Art 20 (assembly and association)

Art 21 (participation in government)

Art. 22 (dignity, development of personality) Art. 26 (education)

Art. 27 (enjoyment of arts and scientific progress)

・経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約 (社会権規約) (抄)

http://www.kobe-u.ac.jp/campuslife/human-rights/international-covenant-A.htm Art. 13 (free, high quality eduction)

Art. 15 (paricipation in cultural life)

• 文化的表現の多様性の保護及び促進に関する条約 http://www.mext.go.jp/unesco/009/003.htm

Art. 7, Art. 11 (Article 11 – Participation of civil society)

• 国連第 4 回世界女性会議行動綱領「J 項 女性とメディア」

http://www.mlpj.org/gn/gn-pdf/med_bei.pdf

Strategic objective J.1. Increase the participation and access of women to expression and decision-making in and through the media and new technologies of communication.

Strategic objective J.2. Promote a balanced and non-stereotyped portrayal of women in the media.

○ 米国を中心とした諸外国の事業者のサービスがこの変革に関与しているという認識が必要である。また、違法・有害コンテンツ流通の増大が社 会問題化している、という認識それ自体には異議はないが、インターネットが全世界に拡大・定着しているのに対して、法律や価値観は各国や地 域によって異なるため、我が国において違法・有害コンテンツと評価されるものが発信元によっては必ずしも同様の評価を受けるわけではない上、

通信のみならず人や資本のグローバルな移動や展開していることにより、問題への対処が本質的に困難であるという認識が必要である。

(3)融合・連携問題に対する諸外国の状況

○ EUの AVMS 指令とその解説を読みましたが、同指令は EU 域内におけるネット時代の通信事業の競争確保、アンフェアなテレビ広告への規制、

障がい者のアクセシビリティ確保などをうたっており、「規律のあり方が議論になっている」とするのは、うがった見方をすると、既存事業者の

権益を確保したまま規制のみを推進するため、指令のごく一部を恣意的に引用しているように思えます。(特に、CM について「本放送と区別でき るようにすること」という当然の要求が盛り込まれていることは、完全に無視されています。)「動き」として紹介するのであれば、日本で導入 すべきでないと思われる箇所も等しく取り上げていただきたく思います。また、AVMS の規制主体は EU 委員会ですが、これは一国の政府が単独で 規制するのとはまったく違う意味を持ちます。これについても記載が必要ではないかと考えます。

○ 米国と EU を超えた「国際的な」視野を求めている。例えば:

韓国の制度は民主性は高く、例えば市民社会メディアを支持するとりくみは多く、一般的に評価が高い。せひ、参考にしてもらいたい。

EU の「国境なき TV」は非常に一部分てきな政策で、様々な問題点も現れつつであり、しかも国際的・他言語的な取り組みでどこまで参考になる のか。

米国、Eu の政策は今まで本当によい結果を見せているのか。ぜひ、教訓も含めて検討してもらいたい。

この点では、より幅広く、様々な取り組みとその結果をリビューすることは望ましい。韓国では、非常に積極的な研究活動の上に政策が進んで きた。なお、カナダ、南アフリカ、アイランド、ドイツなどの制度にも参考になることがあると思われる。

国連などでの動きは非常に重要であり、視野にいれたほうがよいのでは。 国際契約にそった政策つくりは基本的に日本政府の義務であるので。

○ 次節の EU の場合と異なり、違法・有害コンテンツ流通対策について記述がない。米国では、通信については CDA や COPA(双方とも情報発信を規 制するもの) が制定されたが憲法訴訟において違憲判断が下り、その後 CIPA(連邦からの補助金を受け取る学校や図書館でのフィルタリングを成 人利用時以外に義務づけるもの)が制定されこれが合憲と判断されたに留まったという状況にあることは認識する必要がある。また、猥褻表現につ いての基準が連邦のレベルで我が国より緩いことや、州によっては州法での規制がない、あるいは実質的にないことについても認識する必要があ る。その一方、児童ポルノ関連規制のひとつである、The Child Protection and Obscenity Enforcement Act of 1988、すなわち法典 18 編(刑法)

2257 条における"Record keeping requirements"によって、商業的に流通する全ての性的に露骨な実写コンテンツについて被写体の身元情報の記 録義務が適用されるといった独自の規制があることも、規制のありかたとしては参考になると考えられる。

○ アメリカでコンテンツ規制のない状態で日本が規制したら、コンテンツがアメリカのサーバに逃げるだけ。日本独自仕様のISDN、日本独自 仕様の携帯電話、日本独自仕様の地上波デジタル、世界で日本だけのコピワンなどの結果日本の情報通信産業は大ダメージを受けたのは総務省の 輝かしい業績だし、著作権の過保護の結果わが国からサーチエンジン産業は芽生えなかったのは文化庁の功績だが、総務省は文化庁に張り合って この上コンテンツ産業まで壊滅させるつもりなのか?ちなみに、現状のYOUTUBEですら影響は大きいというのに、国内も国外も通信速度は