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特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律

ドキュメント内  扉・口絵・目次 (ページ 92-98)

目的:特定の化学物質の環境への排出量の把握に関する措置及び事業者による特定化学物質 の性状及び取扱に関する情報の提供に関する措置等を講ずることにより、事業者による化学 物質の自主的な管理の改善を促進し環境の保全上の支障を未然に防止することを目的とする。

 PRTR 法とは、有害性のある多種多様な化学物質が、どのような発生源から、どれくらい 環境中に排出されたか、あるいは廃棄物に含まれて事業所の外に運び出されたかというデー タを把握し、集計し、公表する仕組みである。

 対象としてリストアップされた化学物質を製造したり使用したりしている事業者は、環境 中に排出した量と、廃棄物として処理するために事業所の外へ移動させた量とを自ら把握し、

行政機関に年に 1 回届け出る。

 行政機関は、そのデータを整理し集計し、また、家庭や農地、自動車などから排出されて いる対象化学物質の量を推計して、2 つのデータを併せて公表する。

 PRTR 法によって、毎年どんな化学物質が、どの発生源から、どれだけ排出されているか を知ることができるようになる。

 諸外国でも導入が進んでおり、日本では 1999(平成 11)年、「特定化学物質の環境への排 出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」により制度化された。

<対象事業者>

 PRTR 法の対象となる化学物質を製造したり、原材料として使用しているなど、対象化学 物質を取り扱う事業者や、環境へ排出することが見込まれる事業者のうち、一定の業種や要 件に該当するものが対象となり、対象化学物質の環境への排出量 と廃棄物に含まれて事業所 の外に移動する量との届出が義務付けられる。業種や要件(対象化学物質の取扱量 や常用雇 用者数など)は、対象化学物質と同様、政令で指定されている。表 6.12 に PRTR 法の概要に ついて示す。

* PRTR; Pollution Release and Transfer Resister 表6.11(つづき)

想 定される問 題点と事例(製 造業者に責任 が 係わる主な 事例)

①塗料自体の欠陥

②容器の長期貯蔵による「下げ具」落下による事故(容器欠陥は別)

③研究開発用サンプル

④不動産に塗装した塗料・塗膜(塗料自体が人の健康に影響した場合)

⑤品質保証期限を過ぎた製品

⑥塗装者の作業環境不備による有機溶剤中毒

⑦警告や危険性(誤用、誤飲、異物接触等)の表示漏れ、MSDSの不備

⑧剥離した塗膜によるペット類への損害(塗装業者の責任もある)

6章 関連法規

表6.12

法規制適用 条件

用語の定義

(PRTR法対象条件; 第一種指定化学物質等取扱事業者)

 ①製造業

 ②常用雇用者数21名以上  ③下記の何れかに該当するもの

  ・第一種指定化学物質を年間1t以上製造又は使用する者、物質を含有する製品 を年間1t以上使用する者

  ・特定第一種指定化学物質を年間0.5t以上取扱う事業者

  ・業者指定;金属鉱業又は原油及び天然ガス鉱業、下水道業廃棄物処分業、ダイ オキシン類対策法の特定施設設置者

 ④製品質量に対する第一種指定化学物質の割合は1%以上のものに適用  ⑤対製品質量の特定第一種指定化学物質割合が0.1%以上のものに適用  ⑥PRTR及びMSDSが適用されない要件としての4製品類;

  ・取扱い過程で固体以外の状態になく、且つ粉末、粒状にならない製品   ・密封状態で使用する製品(冷媒、絶縁材 等)

  ・一般消費材(殺虫剤、防虫剤 等) ・再生される資源  ⑦MSDS対象条件(指定化学物質等取扱事業者)

  ・第一種指定化学物質及び第二種指定化学物質等取扱事業者    (製品質量に対する第二種指定化学物質量の割合が1%以上のもの)

・化学物質;元素及び化合物(放射性元素を除く)

・第一種指定化学物質;人や生態系(オゾン層破壊性を含む)への有害性があり、環境 中に広く存在する(暴露性)と認められる物質(354物質)

 例)a.揮発性炭化水素:ベンゼン、トルエン、キシレン等 b.有機塩素系化合物:ダイオキシン類、トリクロロエチレン等 c.農薬:臭化メチル、フェニトロチン、クロルピリホス等

d.金属化合物:鉛及びその化合物、カドミニウム及びその化合物、有機スズ化合物 等

e.オゾン層破壊物質:フッ素系化合物(CFC、HCFC等)

f.その他:石綿等

・第二種指定化学物質;第一種指定化学物質と同様の有害性があるが、暴露性はそれ より低いと見込まれる物質(81物質)

・PRTR届出対象業種(23業種);金属鉱業、原油及び天然ガス鉱業、製造業、電気業、

ガス業、鉄道業、下水道業、熱供給業、倉庫業(農作物又はタンクによる気体、液体の貯 蔵に限る)、石油卸業、鉄スクラップ卸売業(自動車エアコン関係)、燃料小売業、計量 証明業、自動車整備業、機械修理業、商品検査業、洗濯業、写真業、一般廃棄物処理 業(ごみ処分業)、産業廃棄物処分業、自動車卸売業(エアコン関係)、高等教育機関、

自然科学研究所

・物質量;銅、鉛、ニッケル、砒素等の金属、又はシアン、フッ素、硼素化合物として指定さ れたものは、金属、シアン等の質量として計算する

表6.12(つづき)

事業者の責務

排出量の把握 及び届出

届出事項の 集計 開示請求

MSDSの提供

罰則

・指定化学物質等取扱事業者は、第一種及び第二種指定化学物質が人の健康を損な う恐れがあることを認識し、かつ、化学物質管理指針に留意して、指定化学物質の製造、

使用その他の取扱い等に係わる管理を行うと共に、管理の状況に対し国民の理解を深 めるよう努めなければならない。

・第一種指定化学物質等取扱事業者は、事業活動に伴う第一種指定化学物質の排出 量及び移動量を把握しなければならない。

 ①排出量の算出方法   a.物質収支を用いる方法

   {取扱量合計}−{移動量(製品としての搬出量+廃棄物含有量)}

  b.排出係数を用いる方法

   {製造量、使用量等の取扱量}×{排出係数あるいは排出原単位}

  c.実測値を用いる方法

   排出物に含まれる量や濃度の測定に基づき産出   d.物性値を用いる方法

蒸気圧、溶解度等の物理化学的性状に関する数値と排ガス量又は排水量とを 用いる

  e.その他の方法

   経験式、経験値等の利用ができると認められる場合  ②移動量の算出方法

   排出量と同様な方法で算出する。

・毎年度、前年度の排出量及び移動量を事業所毎に、結果を主務大臣並びに都道府 県知事を経由して国(事業所管大臣)に届け出する。把握開始は2001年4月1日、届出 は毎年度6月30日まで。(方法は施行規則に規定)

・環境省大臣及び経済通産大臣は、届出事項を業種別、地域別等に集計し、結果を主 務大臣及び都道府県知事に通知すると共に公表する。

・環境省大臣及び経済通産大臣は、家庭、農地、自動車等の分散発生源からの排出量 を推計して集計し、公表する。(非点源推計)

・何人も国の公表後はファイル記載事項の開示請求を行うことができる。

・指定化学物質等取扱事業者は、指定化学物質を他の事業者に譲渡、又は提供する 時は、その時までに、相手に対し物質の性状及び取扱いに関する情報(MSDS)を相手 方が承諾した方法で提供しなければならない。

・PRTRに含めなければならない情報

 !第一種 又は第二種指定化学物質の名称  "令記載 における該当する号の番号

 #第一種指定 、特定第一種指定、第二種指定の別

・PRTR届出をせず、又は虚偽の届出、経済産業大臣によるMSDSに関する聴取に対し 報告をしない、又は虚偽の報告をしたものは20万円以下の過料

6章 関連法規

MSDS 製品安全データシートの例

表6.12(つづき)

化学物質管理 方針

・指定化学物質等の製造、使用その他の取扱いに係わる設備の改善、その他の指定化 学物質等の管理の方法に関する事項

 ①化学物質の管理の体系化 ②情報の収集、整理等

・指定化学物質等の製造の過程における回収、再利用、その他の指定化学物質等の使 用の合理化に関する事項

 ①化学物質の管理の体系化、情報の収集、整理等  ②化学物質の使用の合理化対策

・第一種指定化学物質の排出状況に関する国民の理解の増進に関する事項

・指定化学物質等の性状及び取扱いに関する情報の活用に関する事項

製品安全データシート

[ 混合物用(塗料用) ]

製品の特定

製造者情報

危険有害性

【GHS分類】

製品名:

種 類:

主な用途:

製品コード:

会社名  ○○○○○株式会社 住 所  〒

担当部門  技術部  担当者  技術課長

電話番号  03−  FAX番号  03−

緊急連絡先  管理部門に同じ  作成・改定  2006年 1月1日 物理化学的

危険性 健康に対す る有害性

引火性液体:区分1〜4 急性毒性

皮膚腐食性/刺激性:区分1〜3

眼に対する重篤な損傷/眼刺激性:区分1〜2 呼吸器感作性:区分1

皮膚感作性:区分1

生殖細胞変異原性:区分1A、1B、2 発がん性:区分1A、1B、2 生殖毒性::区分1A、1B、2 吸引性呼吸器有害性:区分1〜2

経口:区分1〜5 経皮:区分1〜5 吸入(気体):区分1〜5 吸入(蒸気):区分1〜5 吸入(粉塵、ミスト):区分1〜5

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