修正日:2016年12月23日 午前11時41分 A1-No.3
(注)この問題は「生物①」で,応用生物学部・生命健康科学部・現代 教育学部共通の問題(選択問題)である。
解答用紙は,理科のマークシート1枚。
(解答用紙の選択欄に「生物①」を必ず記入・マークすること。)
分 修正日:2016年12月23日 午前11時41分 A1-No.3
86 74生物
問2 次の生物①~④の細胞の特徴を調べ,文中の b と c に分けた。分類として正しい 生物の組み合わせを,下の解答群のア~カのうちから一つ選べ。 2
① オオカナダモ
② 乳酸菌
③ 酵母
④ ネンジュモ 2 の解答群
b の生物 c の生物
ア ①,② ③,④
イ ①,③ ②,④
ウ ①,④ ②,③
エ ②,③ ①,④
オ ②,④ ①,③
カ ③,④ ①,②
問3 下線部に関する次の記述①~⑤のうち,正しいものの組み合わせを,下の解答群のア~コ のうちから一つ選べ。 3
① 液胞は,分類された b で観察されるが, c では観察されない。
② ミトコンドリアは,分類された b では観察されないが, c では観察される。
③ 葉緑体は,分類された b では観察されないが, c ではすべてに観察される。
④ 細胞壁は,分類された b と植物などの生物の細胞で観察される。
⑤ 分類された b である大腸菌は細胞内の構成成分として,水とタンパク質の次に脂質を 多く含む。
3 の解答群
ア ①,② イ ①,③ ウ ①,④ エ ①,⑤ オ ②,③ カ ②,④ キ ②,⑤ ク ③,④ ケ ③,⑤ コ ④,⑤
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修正日:2016年12月23日 午前11時41分 A1-No.3
87 74生物
B
細胞の機能を調べるため,正常に分裂増殖を繰り返すアメーバを用いた切断実験を行った。図に示すように切断は,一方に細胞小器官の d が含まれるように行った。 d は,たとえ ば,タマネギの細胞を酢酸カーミン溶液または酢酸オルセイン溶液で染色すると,細胞のほぼ中 央部に特異的に染色されるものである。この実験から結果1と結果2を得た。ただし,実験の環 境は,正常なアメーバが生活することのできる環境が維持されているものとする。また,切断後 は,それぞれ異なる容器に入れ同じ環境で数日間経過を観察した。
のある断片
結果1
結果2 d
のない断片 切断面
d d
d
図 アメーバ切断実験
問4 文中の空欄 d に入れる語句として正しいものを,次の解答群のア~オのうちから一つ 選べ。 4
4 の解答群
ア ミトコンドリア イ 中心体 ウ 葉緑体 エ 核 オ 液胞
― 190 ―
分 修正日:2016年12月23日 午前11時41分 A1-No.3
88 74生物
問5 図の結果1として最も適当なものを,次の解答群のア~カのうちから一つ選べ。 5
5 の解答群
ア 断片は,そのまま変化なく生存した。
イ 断片は,死んだ。
ウ 断片は,成長し, d の分裂を伴い断片は分裂し増殖した。
エ 断片から d が消えるが,そのまま変化なく生存した。
オ 断片から d が消えるが,断片は分裂し増殖した。
カ 断片は,やがて d のある断片とない断片に分裂し, d のない断片のみ分裂し増殖 した。
問6 図の結果2として最も適当なものを,次の解答群のア~オのうちから一つ選べ。 6
6 の解答群
ア 断片は,そのまま変化なく生存した。
イ 断片は,死んだ。
ウ 断片は,成長し,分裂し増殖した。
エ 断片は, d が出現して,その後分裂し増殖した。
オ 断片は,二つに分裂すると,一方に d が発現して,この断片が分裂し増殖した。
問7 細胞小器官の役割に関する次の記述①~⑤のうち,正しいものの組み合わせを,下の解答 群のア~コのうちから一つ選べ。 7
① ミトコンドリアは,おもに不要な物質の分解などに関与する。
② ゴルジ体は,細胞内で合成された物質の分泌に関与する。
③ 葉緑体は,色素や糖類,塩類などを貯蔵し,また,水分量の調節に関与する。
④ 小胞体は,呼吸によるエネルギーの取り出しに関与する。
⑤ 中心体は,核の近くにあって,細胞分裂に関与する。
7 の解答群
ア ①,② イ ①,③ ウ ①,④ エ ①,⑤ オ ②,③ カ ②,④ キ ②,⑤ ク ③,④ ケ ③,⑤ コ ④,⑤
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修正日:2016年12月23日 午前11時41分 A1-No.3
89 74生物
Ⅱ
次の文章 A・B を読み,下の問い(問1~6)に答えよ。A
すべての生物のからだは細胞を基本単位としている。細胞は細胞分裂により増殖し,これは 顕微鏡を適切に用いることで観察することができる。問1 細胞分裂の様子を観察するためにタマネギの根端を用いて実験を行った。次の記述①~⑦ は実験の手順を記したものである。これらの順序として最も適当に並んでいるものを,下の解 答群のア~ケのうちから一つ選べ。 8
① タマネギの種子を水に浸し発根させた。
② 試料を3%塩酸に浸し,60℃で2分間保温した。
③ 酢酸オルセイン溶液を試料に滴下した。
④ 試料を45%酢酸に5分間浸した。
⑤ カバーグラスをかぶせ,押しつぶして細胞を広げた。
⑥ 根端だけをスライドグラスにのせた。
⑦ 顕微鏡で観察した。
8 の解答群
ア ① → ② → ③ → ④ → ⑤ → ⑥ → ⑦ イ ① → ② → ④ → ⑤ → ⑥ → ③ → ⑦ ウ ① → ② → ④ → ⑥ → ⑤ → ③ → ⑦ エ ① → ③ → ② → ④ → ⑤ → ⑥ → ⑦ オ ① → ③ → ② → ④ → ⑥ → ⑤ → ⑦ カ ① → ③ → ④ → ⑤ → ⑥ → ② → ⑦ キ ① → ④ → ② → ⑤ → ③ → ⑥ → ⑦ ク ① → ④ → ② → ⑥ → ③ → ⑤ → ⑦ ケ ① → ④ → ③ → ② → ⑥ → ⑤ → ⑦
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分 修正日:2016年12月23日 午前11時41分 A1-No.3
90 74生物
問2 問1の記述②と④の操作を行う理由として正しい説明を,次の記述ア~キのうちからそれ ぞれ一つずつ選べ。ただし,同じものを繰り返し選んでもよい。解答番号は,②は 9 ,④ は 10
9 , 10 の解答群
ア 細胞分裂を促進し,分裂期の細胞を増やすため。
イ 細胞の成長を促し細胞を大きくして観察しやすくするため。
ウ 細胞構造を固定し,生きているときに近い状態に保つため。
エ 染色体を染めて,観察しやすくするため。
オ 細胞を壊して,色素を流出させるため。
カ 細胞どうしの接着を壊して,細胞を分離しやすくするため。
キ 組織を薄くして,顕微鏡で観察しやすくするため。
問3 細胞周期に関する次の記述①~④のうち,正しい記述を過不足なく含むものを,下の解答 群のア~コのうちから一つ選べ。 11
① タマネギの細胞分裂の観察では前期と間期を区別することができない。
② 間期には DNA が合成される。
③ 中期から後期にかけて染色体が複製される。
④ 分裂期以外のすべての細胞には同じ量の DNA が含まれる。
11 の解答群
ア ① イ ② ウ ③ エ ④ オ ①,② カ ①,③ キ ①,④ ク ②,③ ケ ②,④ コ ③,④
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修正日:2016年12月23日 午前11時41分 A1-No.3
91 74生物
B
1920年代にグリフィスは遺伝現象を担になう物質を解明するヒントを発見した。肺炎の病原菌で ある肺炎双球菌には外側に被膜をもち病原性のある S型菌と被膜をもたず病原性のない R型菌と がある。S型菌と R型菌はともに煮沸により死滅し,死んだ菌をネズミに注射しても発病するこ とはない。グリフィスは生きた R型菌とともに死んだ S型菌をネズミに注射する実験を行ったと ころ,ネズミは肺炎をおこした。このことから死んだ S型菌の中にあった何かの物質が R型菌に 病気をおこす形質を与えたものと考えられた。この R型菌のように本来もっていなかった形質を 新たに獲得することを a とよぶ。1940年代に b らは S型菌の抽出液をさまざまに処理し,それが R型菌に病原性を与えるか どうかを調べる実験を行った。抽出液をそのまま用いたとき R型菌は病原性をもった。タンパク 質を分解する処理を行ってから R型菌と混ぜたときも同様に病原性をもった。一方,抽出物の中 に含まれる DNA を分解する処理を行ってから R型菌と混ぜたときには病原性が現れなかった。
これらの実験で当時主流であったタンパク質が遺伝を担になうという考えが否定され,DNA が生物 の設計図として働いていることが示された。
問4 文中の空欄 a に入れる語句として正しいものを,次の解答群のア~オのうちから一つ 選べ。 12
12 の解答群
ア 遺伝子発現 イ 感染 ウ 形質転換 エ 細胞分裂 オ 翻訳
問5 文中の空欄 b に入れる科学者として正しいものを,次の解答群のア~オのうちから一 つ選べ。 13
13 の解答群
ア エイブリー イ クリック ウ ハーシー エ メンデル オ ワトソン
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分 修正日:2016年12月23日 午前11時41分 A1-No.3
92 74生物
問6 下線部の実験としてアミラーゼで処理した場合に予想される実験結果とその理由の正しい 組み合わせを,次の解答群のア~クのうちから一つ選べ。 14
14 の解答群
実験結果 理由
ア R型菌に病原性を与える。 アミラーゼ処理により S型菌のデンプンが壊れるから。
イ R型菌に病原性を与える。 アミラーゼ処理により S型菌の DNA が壊れるから。
ウ R型菌に病原性を与える。 アミラーゼ処理では S型菌のデンプンが壊れないから。
エ R型菌に病原性を与える。 アミラーゼ処理では S型菌の DNA が壊れないから。
オ R型菌に病原性を与えない。 アミラーゼ処理により S型菌のデンプンが壊れるから。
カ R型菌に病原性を与えない。 アミラーゼ処理により S型菌の DNA が壊れるから。
キ R型菌に病原性を与えない。 アミラーゼ処理では S型菌のデンプンが壊れないから。
ク R型菌に病原性を与えない。 アミラーゼ処理では S型菌の DNA が壊れないから。
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修正日:2016年12月23日 午前11時41分 A1-No.3
93 74生物
Ⅲ
生物の体内環境維持に関する次の問い(問1~8)に答えよ。問1 体内環境の構成要素に関する次の記述①~④のうち,正しい記述を過不足なく含むもの を,下の解答群のア~コのうちから一つ選べ。 15
① 組織液は毛細血管から回収され,静脈血となる。
② 組織液がリンパ液となることはない。
③ リンパ液はリンパ管を移動し,下大動脈へ合流する。
④ 毛細血管壁は組織液を血管内へ移動させない。
15 の解答群
ア ① イ ② ウ ③ エ ④ オ ①,② カ ①,③ キ ①,④ ク ②,③ ケ ②,④ コ ③,④
問2 循環系に関する次の記述①~④のうち,正しい記述を過不足なく含むものを,下の解答群 のア~コのうちから一つ選べ。 16
① 動脈は筋肉の層をもっているが,静脈はもっていない。
② 閉鎖血管系をもつものは脊椎動物のみである。
③ 肺動脈は酸素を多く含む血液が流れる。
④ 開放血管系には毛細血管がない。
16 の解答群
ア ① イ ② ウ ③ エ ④ オ ①,② カ ①,③ キ ①,④ ク ②,③ ケ ②,④ コ ③,④
― 196 ―