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第5章 段階的に熱源更新を行う既築建物に導入したSHGによる建物間熱融通の有

5.3 段階的に熱源更新を行う既築建物に導入したSHGの評価

5.3.3 熱源運用と熱融通状態の時刻別推移

101

102

(1)夏期・冷熱

熱融通無し(1年度目) SHG(1~5年度)

熱源稼働優先順位 熱源稼働優先順位 A→D→C→B 熱融通供給役割建物※ A、D、C 熱融通供給役割建物熱源 A、D、C 4ビル総需要に対する上

記熱源製造割合 79.4% 4ビル総需要に対する上

記熱源製造割合 91.7%

※:参考値として1~5年度SHGの熱供給役割建物の熱製造割合を示した。以下、同様。

SHG(11~15年度) SHG(31~35年度)

熱源稼働優先順位 C→A→D→B 熱源稼働優先順位 B→A→D→C 熱融通供給役割建物熱源 C、A 熱融通供給役割建物熱源 B、A、D

4ビル総需要に対する上

記建物熱源製造割合 84.1% 4ビル総需要に対する上

記熱源製造割合 88.7%

図5.3.6 各フェーズにおける熱源運用と熱融通の状況(夏季・冷熱)

SHG(1~5年度)では、ピーク時間帯にACD がまず自家消費に熱を使用、定格稼動させ生じた 余剰分をホテルBに融通、Bは不足分を自己熱源を補完稼動させ需要対応する。但し、夏期・日中 は、各ビル共に冷熱需要が多いため余剰分が少なく、ピーク需要に対する熱融通割合は少ない。同 時間帯、CDは7時、18時はAから受入するが、8~17時は供給側となる、所謂、熱融通の流れる 向きが逆となる双方向熱融通が行われる。更に(11~15年度)及び(31~35年度)においては、第 一優先が C、B に変更、他の建物も同様の双方向熱融通を行う。そして各熱源が高効率熱源に更新

(1,000) 0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000

0時1時2時3時4時5時6時7時8時9時10時11時12時13時14時15時16時17時18時19時20時21時22時23時

冷熱(kW)

Aジェネリンク(冷) A空冷HP(冷) B吸収式(冷)

C空冷HP(冷) D空冷HP(冷) 4ビル冷熱需要

(1,000) 0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000

0時1時2時3時4時5時6時7時8時9時10時11時12時13時14時15時16時17時18時19時20時21時22時23時

冷熱(kW)

Aジェネリンク(冷) A空冷HP(冷) A冷熱融通 D空冷HP(冷)

D温熱融通 C空冷HP(冷) C冷熱融通 B吸収式(冷)

B冷熱融通 優先稼働高効率機 4ビル冷熱需要

(1,000) 0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000

0時1時2時3時4時5時6時7時8時9時10時11時12時13時14時15時16時17時18時19時20時21時22時23時

冷熱(kW)

C空冷HP(冷) C冷熱融通 Aジェネリンク(冷) A空冷HP(冷)

A冷熱融通 B吸収式(冷) B冷熱融通 D空冷HP(冷)

D温熱融通 優先稼働高効率機 4ビル冷熱需要

(1,000) 0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000

0時1時2時3時4時5時6時7時8時9時10時11時12時13時14時15時16時17時18時19時20時21時22時23時

冷熱(kW)

B空冷HP(冷) B冷熱融通 Aジェネリンク(冷)

A空冷HP(冷) A冷熱融通 D空冷HP(冷)

D冷熱融通 C空冷HP(冷) C冷熱融通

優先稼働高効率機 4ビル冷熱需要

103

しているので、従前よりも更に省エネルギーな熱源運用が可能となる。

(2)中間期・冷熱

熱融通無し(1年度目) SHG(1~5年度)

熱源稼働優先順位 熱源稼働優先順位 A→D→C→B 熱融通供給役割建物※ A 熱融通供給役割建物熱源 A 4ビル総需要に対する上

記熱源製造割合 39.6% 4ビル総需要に対する上

記熱源製造割合 100%

SHG(11~15年度) SHG(31~35年度)

熱源稼働優先順位 C→A→D→B 熱源稼働優先順位 B→A→D→C 熱融通供給役割建物※ C 熱融通供給役割建物熱源 B

4ビル総需要に対する

上記熱源製造割合 82.7% 4ビル総需要に対する上

記熱源製造割合 81.3%

図5.3.7 各フェーズにおける熱源運用と熱融通の状況(中間期・冷熱)

ACDの事務所ビルに冷熱需要が生ずる中間期(図5.4.7)は、(1~5年度)はA、(11~15年度)

はC、(31~35年度)は Bが全建物の冷熱需要を製造、自家消費後、その余剰分を他のビルに熱融 通する。その際、他のビルは受入熱融通分で冷熱需要を全て賄い、自己熱源は稼動しない。

(400) (200) 0 200 400 600 800 1,000 1,200

0時1時2時3時4時5時6時7時8時9時10時11時12時13時14時15時16時17時18時19時20時21時22時23時

冷熱(kW)

Aジェネリンク(冷) A空冷HP(冷) B吸収式(冷)

C空冷HP(冷) D空冷HP(冷) 4ビル冷熱需要

(400) (200) 0 200 400 600 800 1,000 1,200

0時1時2時3時4時5時6時7時8時9時10時11時12時13時14時15時16時17時18時19時20時21時22時23時

冷熱(kW)

Aジェネリンク(冷) A空冷HP(冷) A冷熱融通 B冷熱融通(受入)

C温熱融通 D温熱融通 優先稼働高効率機 4ビル冷熱需要

(400) (200) 0 200 400 600 800 1,000 1,200

0時1時2時3時4時5時6時7時8時9時10時11時12時13時14時15時16時17時18時19時20時21時22時23時

冷熱(kW)

C空冷HP(冷) C冷熱融通 Aジェネリンク(冷) A空冷HP(冷)

A冷熱融通 D空冷HP(冷) D冷熱融通 B吸収式(冷)

B冷熱融通 優先稼働高効率機 4ビル冷熱需要

(400) (200) 0 200 400 600 800 1,000 1,200

0時1時2時3時4時5時6時7時8時9時10時11時12時13時14時15時16時17時18時19時20時21時22時23時

冷熱(kW)

B空冷HP(冷) B冷熱融通 Aジェネリンク(冷) A空冷HP(冷)

A冷熱融通 D空冷HP(冷) D冷熱融通 C空冷HP(冷)

C冷熱融通 優先稼働高効率機 4ビル冷熱需要

104

(3)冬期・温熱

熱融通無し(1年度目) SHG(1~5年度)

熱源稼働優先順位 熱源稼働優先順位 A→D→C→B 熱融通供給役割建物※ A 熱融通供給役割建物熱源 A 4ビル総需要に対する上

記熱源製造割合 37.9% 4ビル総需要に対する上

記熱源製造割合 90.3%

SHG(11~15年度) SHG(31~35年度)

熱源稼働優先順位 C→A→D→B 熱源稼働優先順位 A→D→C→B 熱融通供給役割建物※ C、A 熱融通供給役割建物熱源 A 4ビル総需要に対する上

記熱源製造割合 90.9% 4ビル総需要に対する上

記熱源製造割合 88.9%

図5.3.8 各フェーズにおける熱源運用と熱融通の状況(冬季・温熱)

冬季・Bの温熱、特に給湯需要対応に、AのCGS稼働時間帯(8~21時)の廃熱を融通、その他 の時間は Bの自己熱源ボイラーを使用して需要対応する。(11~15年度)において、温熱源の稼働 優先順位をCに設備更新で導入設定した空冷HPを第1位に設定した場合、全熱源年間平均COPは 熱融通割合30%の場合「1.76」(A→C→D→Bの場合は「1.74」)となるため採用した。又、(31~35 年度)では、Bがガス吸収冷温水機を空冷HPに設備更新し、冷熱についてはBを稼働優先順位第1 位とした場合に最も高い全熱源年間COPとなったが、温熱については、Bを稼働優先順位第1位に

(1,000) (500) 0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000 3,500

0時1時2時3時4時5時6時7時8時9時10時11時12時13時14時15時16時17時18時19時20時21時22時23時

温熱(kW)

Aジェネリンク(温) A空冷HP(温) A廃熱温水利用 B吸収式(温)

B給湯ボイラ(温) C空冷HP(温) D空冷HP(温) 4ビル温熱需要

(1,000) (500) 0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000 3,500

0時1時2時3時4時5時6時7時8時9時10時11時12時13時14時15時16時17時18時19時20時21時22時23時

温熱(kW)

A空冷HP(温) A廃熱温水利用 A温熱融通 B吸収式(温)

B給湯ボイラ(温) B温熱融通 C空冷HP(温) C温熱融通

D空冷HP(温) D温熱融通 優先稼働高効率機 4ビル温熱需要

(1,000) (500) 0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000 3,500

0時1時2時3時4時5時6時7時8時9時10時11時12時13時14時15時16時17時18時19時20時21時22時23時

温熱(kW)

A空冷HP(温) A廃熱温水利用 A温熱融通 B給湯ボイラ(温)

B温熱融通 C空冷HP(温) C温熱融通 D空冷HP(温)

D温熱融通 優先稼働高効率機 4ビル温熱需要

(1,000) (500) 0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000 3,500

0時1時2時3時4時5時6時7時8時9時10時11時12時13時14時15時16時17時18時19時20時21時22時23時

温熱(kW)

A空冷HP(温) A廃熱温水利用 A温熱融通 D空冷HP(温)

D温熱融通 C空冷HP(温) C温熱融通 B給湯ボイラ(温)

B温熱融通 優先稼働高効率機 4ビル温熱需要

105

すると、全熱源年間 COP は「1.77」と低い値で、上記の順位の場合「2.00」になり採用した。これ は、熱ルータによる熱融通の供給・受入の選択が必要で、B が給湯を含めた温熱需要があるホテル のために、空冷HPの温熱を自家消費+他建物へ熱融通・供給して、給湯分を自己熱源(ボイラー)

で製造するよりもCGS廃熱を受入し、給湯需要と暖房需要の一部に使用し空冷HPで需要に対して 補完する方が省エネルギーとなるためである。双方向熱融通を検討する際、需要特性を考慮し、全 熱源年間COPを使用し熱源稼働優先順位を決定する事が最適解を得る事に繋がると考えた。

(4)中間期・温熱

熱融通無し(1年度目) SHG(1~5年度)

熱源稼働優先順位 熱源稼働優先順位 A→D→C→B 熱融通供給役割建物※ A 熱融通供給役割建物熱源 A 4ビル総需要に対する上

記熱源製造割合 16.1% 4ビル総需要に対する上

記熱源製造割合 89.4%

SHG(11~15年度) SHG(31~35年度)

熱源稼働優先順位 C→A→D→B 熱源稼働優先順位 A→D→C→B 熱融通供給役割建物※ C、A 熱融通供給役割建物熱源 A 4ビル総需要に対する上

記熱源製造割合 89.4% 4ビル総需要に対する上

記熱源製造割合 89.4%

図5.3.9 各フェーズにおける熱源運用と熱融通の状況(中間期・温熱)

-600 -400 -200 0 200 400 600 800 1000 1200

0時1時2時3時4時5時6時7時8時9時10時11時12時13時14時15時16時17時18時19時20時21時22時23時

温熱(kW)

Aジェネリンク(温) A空冷HP(温) A廃熱温水利用

B吸収式(温) B給湯ボイラ(温) C空冷HP(温)

D空冷HP(温) 4ビル温熱需要

(600) (400) (200) 0 200 400 600 800 1,000 1,200

0時1時2時3時4時5時6時7時8時9時10時11時12時13時14時15時16時17時18時19時20時21時22時23時

温熱(kW)

A空冷HP(温) A廃熱温水利用 A温熱融通

B給湯ボイラ(温) B温熱融通 C温熱融通

D温熱融通 優先稼働高効率機 4ビル温熱需要

(600) (400) (200) 0 200 400 600 800 1,000 1,200

0時1時2時3時4時5時6時7時8時9時10時11時12時13時14時15時16時17時18時19時20時21時22時23時

温熱(kW)

C空冷HP(温) C温熱融通 A廃熱温水利用

A温熱融通 B給湯ボイラ(温) B温熱融通

D温熱融通 優先稼働高効率機 4ビル温熱需要

(600) (400) (200) 0 200 400 600 800 1,000 1,200

0時1時2時3時4時5時6時7時8時9時10時11時12時13時14時15時16時17時18時19時20時21時22時23時

温熱(kW)

A空冷HP(温) A廃熱温水利用 A温熱融通

D温熱融通 C温熱融通 B給湯ボイラ(温)

B温熱融通 優先稼働高効率機 4ビル温熱需要

106

温熱需要が事務所用途のACD に生ずる中間期、AのCGSが稼働している時間帯(8~21時)は 廃熱を優先的に活用、空冷HPで製造した熱と併せて供給する。結果、BCDは自己熱源を稼働せず、

熱融通のみで需要を賄う。CGSが停止している時間帯には、暖房負荷対応はA又はCの空冷HPか ら供給、給湯負荷のあるBは自己熱源のボイラーで対応する。

以上から、いずれのケースにおいても4ビルの全需要に対して優先稼働する建物の熱源で80%を 超える割合を賄える事が確認できた。設備更新に伴い熱融通の供給を新たに導入した高効率機が担 う事でエネルギー消費量の削減に繋がると共に、熱融通だけでは不足する需要に対応する補完稼働 する熱源機も、従前、供給役割を担っていた高効率機が対応する事で、更にシステムとしての高効 率化が図られ、SHGは持続的に省エネルギー化が可能な熱融通システムと考える。